進む教育現場のIT活用、Classi(クラッシー)が全国高校40%への導入を達成

教育

2020年の大学入試改革に向け、教育の現場が大きく変わろうとしています。教育プログラムの再編に始まり、学校という組織や現場のあり方の変化は目に見えてわかるようになってきました。ただ、教師や学校組織にかかる負担の問題はご存じの通り、これをITを活用して効率化できないか?という問いは日本の学校教育の数十年に渡る課題でした。

ところがこの数年、水面下の教育現場で大きな進歩がありました。例えば、学習支援クラウドサービス「Classi(クラッシー)」は、学校にタブレットを提供し、生徒の出欠に始まり学習状況などを記録・共有するサービスを中心に校務の効率化を図ってきましたが、遂に2017年4月、全国高校生向けサービスの導入学校数が1800校以上となったのです。この数字は、全国の高校が5000校として、およそ40%を占める圧倒的な数字です。なおかつ、有料利用者数が70万人を突破しているとのことです。

課題を解決しながら地道に拡大

「Classi(クラッシー)」は2014年4月に、ソフトバンクグループとベネッセホールディングスの合弁会社として設立されました。ソフトバンクのセキュリティ・クラウド技術やハードウェア&通信環境のノウハウ、ベネッセの教育分野の知見と学校との関係を活用して、学校教育現場にIC活用を浸透させようという目論見です。

文部科学省が2011年4月28日に発表した「教育の情報化ビジョン」では児童生徒1人1台に情報端末を用意することなどを推進していますが、実際の現場ではスキルが不十分であったり、セキュリティや通信インフラが整備されていない状態でした。また、そもそも、現場に則したコンテンツがなかったり、必要な機能が提供されていないという問題もありました。

そこで「Classi(クラッシー)」が初めに手がけたのは校務の効率化というわけです。冒頭でも述べた出欠状況および学習状況などの記録・集計・共有・指導の機能をタブレットで簡単に行えるようにしました。生徒一人ひとりの学習状況の「見える化」を実現していったのです。

これを「Classi(クラッシー)」はアダプティブラーニング(生徒の学習状況の進捗にあわせ、学習内容を調整し提供しようというもの)に活用していきました。授業後にClassiで使って確認演習を行い、個々の生徒の回答結果データを分析することで学習理解度を把握、次に取り組むべき学習内容を提供するというものです。こういった手法は教員の経験とノウハウに依存する部分もありましたが、Classiの機能として提供することで生徒個人が主体的に行動することを促すメリットも想定されました。

「Classi(クラッシー)」は、なかなか進まない学校現場のIC化に、ソフトやハード、そしてセキュリティなどの課題を解決しながら、現場の効率化を図り、生徒の意欲を高めていったのです。

5万の演習問題、2.5万の反復学習動画を展開

こうしたインフラや基本機能の提供と平行して「Classi(クラッシー)」が展開していったのが教育コンテンツの充実です。中学校から大学入試対策まで、各教科のさまざまな難易度をカバーした小テストや宿題向けコンテンツを開発してきました。

「Classi(クラッシー)」が全国中高のモニター校100校向けに実証試験を開始したのは2014年4月。当初は参考書にある演習問題のようなコンテンツを2万問揃えてスタート。2015年前半には、教育系出版社5社と連携して3万問を追加。そして2015年後半には、5分間で反復学習ができる動画コンテンツの提供を開始しています。

当初1万本ほどだった動画コンテンツは2017年4月に約2.5万本にまで拡大されました。現在、動画サービスはリニューアルされ5分の動画に加え確認問題をセットで取り組むことができるようになっています。

膨大な演習問題を学力に合わせて効果的に提供ーアダプティブラーニングの強化

膨大なコンテンツの土台が整うのにあわせて「Classi(クラッシー)」が強化したのがアダプティブラーニングの強化です。生徒一人一人に対し、次に取り組むべきコンテンツを提示するというもので、ClassiはまずアメリカのKnewton, Inc.と交渉し、世界1000万人が利用する同社のアダプティブラーニングエンジンをClassiに導入しています。全国のClassi導入高校を対象とした実証研究では、偏差値換算で1〜5ポイントの学力向上効果が認められたとのことです。

また、学習動画+問題については、全国約90%の高等学校に採用実績のあるベネッセのテストの成績と連動する独自のアルゴリズムを開発し、出題を個々の生徒にあわせてパーソナライズできるようにしています。

これら一連のアダプティブラーニングの取り組みで、生徒は次に何を学習するか迷うことがなくなり学習時間が延びるだけでなく、学力の多層化という課題を解決する足がかりとなる可能性が出てきました。

Classi代表取締役副社長 加藤理啓氏(写真は一般サービス開始直後の2015年6月撮影)は、2016年度からの利用者数の急増について「学力の多層化」という学校課題の解決策として受け入れられたからだと思います」と話します。

急速に進む「Classi(クラッシー)」による教育現場のITによる効率化。2020年の入試改革スター時にはどんな形になっているのでしょうか。目が離せなくなりそうです。

【関連URL】
・Classi株式会社
https://classi.jp/

蛇足:僕はこう思ったッス
maskin-bit-2016 僕の両親は教育者で、いろいろな教育の形に関心を持つ機会がそれなりにあった。自分の子供の授業参観などにも積極的に参加するようになり、その変容に驚かされるばかりだ。担任に加え、生徒個々の学習を支援する教育指導補佐役の人がいたり、小学校低学年の授業で「自分なりの考え」を求められたり、過去、試験対策一辺倒の「これだけやれば点はとれる」といったものは明らかに違うものとして目に映るようになった。学校そのものの変化は、生徒にとってプラスにはなっていると思うが、やはり気になるのは負担が増加する部分、それと何をどう指導すればいいか・何をどう学べばいいかという若干の混乱の解決が求められている部分があるのを感じる。Classiの地道な取り組みはさらに大きなニーズをキャッチするように思う。

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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