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本日(2014年6月11日)から13日までに3日間、TechWaveはソフトニック(Softonic Japan)と共同で幕張メッセを舞台とした展示会兼カンファレンスイベント「アプリジャパン」で各種取り組みを展開します(詳細はこちら)。ソフトニックとしては日本では初となる公的イベントへの本格参加という形となる。
ソフトニック(Softonic)は、サッカーなどでも有名なスペイン・バルセロナに本社を置くグローバル企業。その日本部門の編集長にTechWave編集長が就任しているのはお伝えした通り。
しかし、なぜ、TechWaveがソフトニックと連携することになったのか? そもそも、ソフトニックって何なのよ?という疑問に応えることはほとんどない状況なので、ここでざっと説明させていただこうと思う。
ソフトニック(Softonic)とは
Softonicの創業は1997年。創業者であるTomas Diago (トマス・ディアゴ)氏が学生時代に立ち上げたソフトウェアダウンロードサイトが発端だ。
通信キャリアの公式サイトを経て、現在はスマートデバイスやウェブアプリなど幅広いソフトウェア/アプリを紹介するガイドメディアとして成長を続けている。
直近のデータによれば1億2800万ユニークユーザー/月。ComScoreの発表によると世界で34から40位くらいを行き来している状態にある。メディアとしては世界トップ。IT系メディアとしてはグローバルでは断トツトップである。
特長としては、いわゆるバズメディアのようにキャッチーな見出しを付けてダウンロード数だけを追求する形態とは異なり、専任編集者によるレビューコンテンツが中心となっている点。記事にプラスして「よい点」「悪い点」、そして独自のレーティングシステムによるレーティングが付与される。
2013~2014年にかけてブログメディア的な記事コンテンツの展開もスタートしたが、スタンスは同じ。悪名高き記事広告はやらず、収益源はディスプレイ広告(Googleと独自ネットワーク)とソフトウェアダウンローダーというWindows PC向けサービスによるもの。
「ん?ソフトウェアダウンローダー?」Softonicが抱える課題
「ん?ソフトウェアダウンローダー?」という人もいると思う。
何かというと、Windows向けのダウンロードインストール専用アプリケーションのこと。「高速にダウンロードできる」という点と「ここで配信するのはウィルスチェック済みのものだけ」というところ。
インターネット回線がプアだった1997年創業当時は画期的な仕組みだったが、高速回線が当然の時代にはあまり意味がない。
あらに作者の許諾なくソフトウェアのデータをSoftonic側に蓄積したり、ユーザーが気がつかないうちにオススメアプリとされるものとインストールしたり、ウェブブラウザの設定を確認なく変更したりするといった仕様が現在も続けられており、日本はもちろん国と地域によってはマイナスイメージが強い状態。
自動インストールされるオススメアプリにしても、誰にとっても魅力的なものならいいが、グローバルで受注したソフト(特定地域にしか受けそうにないもの)を世界中のサイトで配布するので、時には日本では「え?」というものがインストールされて騒動になることもあった。
では、なぜ、ソフトウェアダウンローダーを停止しないか。一つは記事広告や意図しない広告が表示されるアドネットワークに依存したくなかったという理由や、そもそも仕組みをうまく活用すれば、ユーザーメリットを拡大できるという理想があったことは否定できない。なお、Softonicグローバルは、全社をあげてこの問題と対峙している状態。
ちなみに、この自動インストール機能はOFFにすることが可能。しかし、特に日本のソフトニックは過去その説明責任を果たしてこなかった。
ソフトニックJAPAN が抱える課題
ソフトニックの日本法人は、2010年11月に設立された。スペイン語、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、ポーランド語、中国語、オランダ語に続く10言語目のサイトとして注目を浴び着実に成長を続けてきた。
現時点では、1000万規模のUU/月。Windows系のソフトウェアダウンロード送客数では国内2位につけている。
ただ、スマートデバイス対応はほぼゼロ。これだけのトラフィックと成果があってもブランド力がない。IT業界にいるほとんどの人が知らないし、自分も2年ほど前、ソフトニックの社員とあうまではよくわかっていなかった。
まあ、誰が見ても「ソフトニックJAPAN」のサイトデザインの古くささやダサさを強く感じることと思う。2000年代前半のパソコンサイト。多くの機能がエラーで動作せず、コンテンツも古いまま、UI/UXもダメダメ。
この原因は、筆者がジョインする前の2年間ほどの状況にあるらしい。ソフトウェアダウンローダーの説明不足もそうだが、市場に対し、社会に対し、そしてチームに対する責任が果たされていなかったようだ。
現在のソフトニックJAPANは、未来への希望に満ちている。新たなチャレンジ、そして問題への対峙などなど、できることは限られているのは解っているけれど、全員がなんとかしようと努力している状態。多数の問題も一つ一つ解決できると思う。
新たな門出、TechWave → Softonicというエスカレーションシステム
では最後に、なぜTechWaveとSoftonicを同時にやっているかという話。
TechWaveは2010年1月スタート。法人ではなく個人の集まりとして「ITで日本の閉塞感を打破する」とか「Think globally,act locally」という考えで新興メディアの形を追求してきた。
PVに依存しないマインドシェアや機能性を重視した体制で、なんとか小さな実績を積み上げてきた。
現在のコアターゲットは「社会的イノベーター」。イノベーターを書き手として集め、イノベーターに向け情報を発信してその役割を成すというモデル。バズメディア趨勢の時代と逆行してはいるが、日本のイノベーターを世界で活躍できるよう環境を構築するという強い目的意識をもっており、実際に仲間が世界で活躍している。
「世界への橋渡し」では決してなく「世界視座」である。
しかしながら、予算をもたない新興メディアとしてはできることが限定されている。記事だけでは勿論、IT業界屈指の草の根イベントなどを展開してもたかが知れている。あくまで業界紙であるためターゲット層にリーチする手段がない。
そこで、ソフトニックの存在が浮上した。2年間にわたるラブコールを受ける形であるが、ソフトニックの会社そのものが世界視座であり、メディアとして世界一であった点。世界50か国のリーチがあり、30の言語をカバー、スタッフも世界視座で成長しているということを受け、ジョインすることを決断した。メンバーの聡明さや気持ちよさも大きなポイントだ。彼らと人生最大のチャレンジをしようと決めたのである。
要するに、TechWave->Softonicのシームレスな連携は、日本のイノベーターを世界視座に一気に引きあげる構造をそのまま実践するためのもの。もちろん、この取り組みは両者が納得した上でのこと。本日から幕張メッセで開催する「アプリ世界デビューの日」も同じことだ。日本からのピッチを世界最大メディアの編集者や役員が聞くなんてことはなかった。こうしたことを一つ一つ実践していくのが、TechWave->Softonicの使命だと考えている。
【関連URL】
・Softonic(ソフトニック)
http://softonic.jp/
・Softonic(ソフトニック) JAPAN編集長就任の報告とTechWaveとの連携事業について【@maskin】
http://techwave.jp/archives/editor-in-chief-softonicjp.html
・6/11~13日は幕張メッセで会いましょう! INTEROP・アプリジャパン・デジタルサイネージジャパン等など【@maskin】
http://techwave.jp/archives/interop2014-appsjapan2014-makuhari.html
・(追記)アプリ世界デビューの日 パート2はギガバージョン 幕張メッセで開催【@maskin】
http://techwave.jp/archives/apps_global_debutday_002.html
・Softonic (ソフトニック)「アプリ 交流パーティ」世界を目指す人集まれ!6/12夜@アプリジャパン【@maskin】
http://techwave.jp/archives/apps_party_softonic.html
・アプリガイド世界最大手SoftonicのEric Verweij 氏が特別ショートセミナー @アプリジャパン(幕張メッセ)【@maskin】
http://techwave.jp/archives/eric-verweij-seminar.html
・ルクセンブルクで開催の「ICT Spring 2014」、選抜10社中 TechWave/Softonic選出の2社が参加 【@maskin】
http://techwave.jp/archives/ictspring2014.html
Softonicのブースはアプリジャパン出展者を支援するための機能で構成。存在を認識してもらって、イノベーターの方々を支援する役割を果たすことがこれからのソフトニックの全てになると思う。朝から熱くてすみません。というわけで、幕張メッセでおあいしましょう。