音楽かざして曲名等判別できるAPI、グレースノートが開発者向けに公開【増田 @maskin】

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[読了時間: 2分]

 「あ、あの曲、何っていう名前だっけ?」「この曲、いいね。誰が演奏しているのかな?」。

 素晴らしい音楽との出会いは突然訪れるにもかかわらず、曲名やアーティスト名などを把握する手段は意外と少ないのが現状だ。

 そんな中、グレースノートは2013年9月2日、流れている音楽から曲名やアーティスト、そのジャンルなどを取得できる音楽認識技術「Gracenote MusicID」が組み込まれた開発キット「Gracenote Mobile Client」の提供を日本国内の開発者向けに開始した (日本語ドキュメントは9月4日公開予定)。

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 グレースノートは、ソニー・アメリカ全額出資した完全子会社で、同社が開発した音楽認識技術「MusicID」を主力に多様な事業を展開する。

 「MusicID」そもそもデータを持たない音楽CDから楽曲やアーティスを情報を引き出す技術として生まれたもの。

 パソコン等に音楽CDを挿入した時に、アーティスト名やアルバム名・楽曲名が表示されるが、その仕組みが「MusicID」そのものである。指紋ならぬオーディオ・フィンガープリントを活用した技術である。

 iTunesで、音楽CDをリッピングする際に自動で情報を取得する際にも使用されているし、Amazon Cloud PlayerやiTunes Matchといった楽曲マッチングの中核技術として導入されている。アルバムのカバー画像の提供もこのプラットフォームによるものだ。


音楽APIをアプリに組み込もう

 

 今回、日本の技術者向けに発表された「Gracenote オープン・デベロッパー・プログラム」は、「MusicID」が組み込まれたソフトウェア開発キット(SDK)「 Gracenote Mobile Client」を利用できるようにするというもの。

 サポートするのは、モバイル・デスクトップ・ウェブAPIなど。1億3000万曲の楽曲データベースをテキストで検索できるほか、CDやデジタルファイルから、楽曲情報、アルバムカバーアート、アーティストの経歴や関連情報の取得が可能となる。

 また、2000種類以上の音楽ジャンルや地域、100以上に分類されたムード等のデータを取得することもできるという。

 例えば、流れている楽曲にスマホをかざすだけで、その曲名やアーティストの詳細が判別できるようなアプリを開発するようなことが可能になる。逆に、気分にフィットした楽曲を探すようなことも可能で実際にHABUというiPhoneアプリがリリースされている。

 今回のAPI提供開始に伴ない、リクルートホールディングス主催の開発者イベント「Mashup Awards 9 (http://ma9.mashupaward.jp/)」との連携も発表されており、9⽉月6~8日に東京・銀座にて開催されるハッカソン 「Mashup Camp 東京 Vol. 1」には、米本社より Developer Program 担当ディレクター Ching Wei Chen が来日し技術解説をするとのことだ。


音楽から映像まで、来るべきメタデータ活用の時代へ

 

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 グレースノートは、音声データ認識関する世界標準技術を有している企業といっても過言ではない。さらに現在は、音楽だけでなく映像の認識技術の提供にも着手し、次なる収益源の模索に踏み出している。

 現時点でもっともホットなのはテレビ番組情報。

 以下は、2013年4月に一部の関係者向けに発表されたデモの模様。テレビ番組と連動したコンテンツを配信するデモで、2013年夏に北米で実証実験のために準備をすすめているもの。

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 ソニー/グレースノートの限らず、テレビ周辺のビジネスの模索をする動きは世界で顕著になっており、グレースノートの技術は大きな強みになる可能性がある。

 今回は音楽認識技術のAPIなどの公開は、非商用が原則となるが、エンタメデータの活用を視野に入れるためにもAPI活用のロードマップを描いておいてはどうだろうか。




【関連URL】
・Gracenote | グレースノート株式会社
http://www.gracenote.com/
・HABU music | iTunes App Store
https://itunes.apple.com/jp/app/habu-music/id540535146?mt=8
・今週末には豪華3daysハッカソン開催!日本最大級のWebアプリ開発コンテストMashup Awardsが今年もスタート!【@aco220】
http://techwave.jp/archives/mashupaward9_start.html

蛇足:僕はこう思ったッス
音楽を認識するサービスといえば「Shazam」が有名なところだが、今回のAPI公開により、アプリ開発者は同じようなアプリを生み出すことができるようになる。かなりのインパクトだ。
MusicID技術&プラットフォームはすでに浸透している面もあるが、まだまだ活用の幅が広いとはいえない状態。例えば、本文でもさらっと紹介したが、2013年2月にTechWaveが開催した「アプリ博2013」に出展したMusicIDを活用したアプリ「HABU」は、スマホ内の楽曲を全て分析してムードごとに分類。自分の気分にフィットした楽曲だけを再生するという、今までになかった音楽体験を提供してくれている。
これがソーシャルメディアやEC、ジオ系サービスと連携したらどうなるか? 今まで思いつかなようなことまでも実現される可能性が出てきたといってもいいだろう。
著者プロフィール:TechWave 編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなどほとんど全てのIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ブログCMSやSNSの啓蒙。ネットエイジ等のベンチャーや大企業内のスタートアップなど多数のプロジェクトに関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演している。現在、TechWaveをリボーン中。中長期プランニングやアドバイザリー活動で定評がある。(@宇都宮ー地方から全国、世界へを体現中)
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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭から国内外のソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、ネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。直近では通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のIT系メディアであるスペインの「Softonic」に参加後、2016年からTechWave第三章として新興メディアの開発を再スタート。国内最大規模のスタートアップ&B2Bイベント「アプリ博」のオーガナイザー。
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