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電子書籍のほうは「iPhone的英語勉強法」、紙の書籍のほうは「iPad英語学習法」というタイトルになりました。タイトルは違いますが、中身はほぼ同じです。
この本のコンテンツの一部をTechWave上で公開していきたいと思います。
プロローグ〜英語勉強法は新しいパラダイムへ
英語ができる人に共通の「ある資質」
英語を勉強する日本人をこれまで何人見てきただろう。私自身1978年に19歳で渡米する前には、大阪の英語の専門学校に通い、渡米後もしばらくは英語の勉強が人生一番の目標だった。
結局、アメリカには通算で20年ほど住んだ。英語習得が一番の目標ではなくなった後も、英語を学ぶ多くの日本人に出会った。
彼らを見ていて思うのは、英語を話せるようになるには、ある資質と勉強方法が不可欠、ということ。それがなければ、バイリンガルと呼ばれるまでに英語は上達しないと思う。そしてこの資質を持ち、この勉強方法を習得した人の多くは、同じ方法で第二外国語までマスターしてしまう。英語をなかなか物に出来ない人からは、非常に理不尽だと思われるだろう。天賦の才能のなせる技として、自分に才能のないことを恨む人もいるかもしれない。
そのプライドの高さがつまずきの原因に
しかしそれは天賦の才能という話ではなく、単なる「謙虚さ」のことだ。謙虚さはちょっとした心の持ちようで、誰でも手に入れることが出来る。プライドの高い人は、英語で間違ったことを言って笑われるのが恐くて、つい黙ってしまう。プライドの高い人の英語はなかなか上達しないものだ。まずは子供のように心をまっさらにすること。間違いを指摘されても、一緒に笑えるくらいのおおらかさを持つことが大事なのである。
この資質に加えて英語上達に欠かせない勉強方法について、この本で詳しく解説する。簡単に言ってしまえば、「英語を話せるという自信を身に付け」、「人を惹きつける魅力的なコンテンツを獲得し」、「英語でのコミュニケーション、つながりの機会を出来るだけ多く持つ」ということだ。「自信」と「魅力」と「つながり」。この3つを実践すれば、英語は必ず上達する。逆をいえば、この3つを通じてでなければ、英語は上達しない。断言してもいい。
もう語学留学は不要!生きた英語は手に入る
私が体当たりで取得した、本当の意味での生きた英語習得の唯一の方法を解説するのが、この本の目的である。
それは英語圏での勉強方法と思われるかもしれない。仕事の中で外国人と接する機会が多いからこそできたことで、その機会があまり多くない大多数の日本人には関係がないのではないか。そう思う読者も多いことだろう。
その通りだと思う。というか、その通りであった。過去形だ。
今は違う。インターネットの普及で英語の情報は簡単に手に入り、英語圏の人たちとネットを通じての交流も可能になった。情報も少なく、外国人の友人が出来る機会も少なかった数年前とは状況が大きく異なっている。
語学留学してもほとんど外国人と接することなく、家にこもってテレビを見ている日本人を何人も見た。その程度の環境なら、今では日本でも手に入れることが出来る。衛星放送やケーブルテレビに申し込めば、日本にいながらにしてアメリカのテレビ局の放送を24時間視聴出来る。テレビドラマは日本語もしくは英語の字幕付きで英語のまま放送され、インターネット上は英語の動画で溢れかえっている。
ネット上の各種サービスの多くは、使い方を動画で説明するコーナーを設けている。アメリカで銀行や電力会社に電話しても、最近は音声ガイダンスが応答することも多い。英語に接するという意味では、日本にいても同じような体験が出来るわけだ。もう高い費用をかけて語学留学しなくても、日本で同等の英語環境に身を置くことが可能な時代になったのだ。
しかも外国人と英語でコミュニケーションするためのツールが次々と誕生してきている。iPhoneもiPadも、twitterやFacebookなどといった英語圏でのコミュニケーションサービスを利用するのに最適のツールだ。iPhone、iPadの電源ボタンを押すだけで、英語圏の世界が一気に広がる。iPadは英語圏の扉を開く「どこでもドア」なのだ。iPhone、 iPadは今まだでインターネットに無縁だった人たちにまでネットを身近なものにするだろう。より多くの人がより頻繁にネットにアクセスする時代が始まろうとしている。この新しい時代にはこの時代ならではの勉強法があっていいし、あるべきだ。そしてその勉強法は、英語圏で学ぶのと同じ方法に限りなく近づいていくことだろう。今、英語の学習方法が新しいパラダイムに移行しようとしているのだ。
無料の教材を活用すれば「外国生活」も可能に
日本中の英語教師や英語学校に怒られるかもしれないが、日本で英語を学習した人で、バイリンガルと呼ばれるまで本当に英語が上達した人はいるだろうか。
私が接してきたバイリンガルたちは、ほとんど例外なく英語圏での居住経験があった。居住経験がない人でも英語がそれなりに上手な人はいるが、それでも何か変なのである。表現の仕方が違うのである。バイリンガルはネイティブスピーカーと日常的にと接することでより自然な表現を学んでいるからだろう。では、ネット上でそうした環境を再現することは出来ないだろうか。日本にいてもネイティブと常に接する環境を手に入れれば、もっと多くの人の英語が上達するはずだ。
それに、英語学校の受講料や英語教材は高過ぎやしないないか。ネット上には無料の教材や、会話の相手になってくれる人が溢れかえっている。もっと安く英語は勉強出来る。留学するカネがないと嘆く前に、身近にあるツールを使い倒せばいいじゃないか。そう考えて、私はこの本を書くことにした。
日本経済の先行きは楽観出来ない状況が続いている。もう会社には頼っていられない。それどころか、日本という国を頼れるのかどうかも分からない。頼れるのは自分のスキルだけ。英語力を身につけて、世界とビジネスする人間が1人でも増えない限り、日本は本当に駄目になるような気がする。
自分勝手に生きろと言っているのではない。工業化社会では人間一人一人が社会の歯車になることが求められた。情報化社会においては一人一人が力を持ち急速な変化の波を乗り越えていかなければならない。一人一人が力をつけることが最も社会に貢献できる方法なのである。
<中略>
21世紀の英語学習法を
とはいえiPhoneやiPadがなければ、この英語学習法を実践できないというわけではない。
iPadキラーと呼ばれるようなiPad対抗のタブレット型パソコンや、iPhone以外のスマートフォン、携帯電話を使うことでも可能だ。パソコンだけで同じ英語学習法を実践してもいいだろう。
本の中では、執筆の時点で役に立ちそうなツールを紹介している。しかし技術はものすごいスピードで進化し続ける。恐らく半年もすれば、本の中に紹介したツールを超えるものが登場するに違いない。だから、ここで紹介するツールはあくまでも参考として考えていただきたい。
本を通じて学んでほしいのは、単に1つ1つのツールの利用の仕方ではない。新しいパラダイムに突入した21世紀の英語学習法の根本的な考え方である。繰り返しになるが、もう1度書いておく。
1 初級レベルの英語を徹底的に反復練習して自分のものにし、話せるという「自信」をつけること
2 もっと話しをしたいと思わせるコンテンツを見につけ、相手を惹きつける「魅力」ある人になること。
3 「自信」と「魅力」を武器に海外の人と「つながり」、グローバルな人間をめざして成長を続けること。
この考え方さえ理解していただければ、新しいモバイル機器やウェブサービス、ソフトウェアを自分の英語学習に取り入れて、上達につなげることができる。
この本は、3つのキーワードの説明とその具体的なノウハウの解説で構成されている。第2章 なぜ「自信」が必要なのか、第3章 自信をつけるためのiPhone、iPad活用法、第4章 「魅力」と英語の関係、第5章 魅力をつけるためのiPhone、iPad活用法、第6章 世界との「つながり」 第7章 つながるためのiPhone、iPad活用法となっている。