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米Googleは現地時間の2017年5月17日、カリフォルニア州マウンテンビューの本社近く会場で毎年恒例のデベロッパーカンファレンス「I/O 2017」を開幕しました。5月19日までの3日間開催される予定です。初日のキーノートの内容をざっくり紹介します。
Google サービス群が急成長
昨年はGoogleサービスは数字の上での内容の上でも大きく進化した1年といってもいいでしょう。
・Googleサービス群の利用者は10億人を超えた
・Google Driveが8億DAU(日ごとのアクティブユーザー)ー2013年は1億DAU
・Google Photoが5億DAUー12億枚の写真が毎日アップロード
・Androidは20億デバイスが毎日アクティブ
モバイルファーストからAIファーストへ
キーワードとして掲げられたのが「モバイルファーストからAIファーストへ」というもの。
AIの活用によりサービス全体を再構築できるようになっているとのこと。
AIの成長は著しく、例えば、音声認識の誤認率は2016年7月の時点では8.5%だったが現時点では4.9%まで向上している。
多様な情報を総合的に活用する段階にきている状態。音声認識では発言者の方向に集音マイクを向けたり、認識した画像から得た内容が何かを判断して次のアクションをするといったことが可能となった。その象徴的なサービスとして「Google Lens」というアプリが紹介されました。
Google Lens
Google Lensは、AI化された写真スキャンアプリといえばいいだろうか。お店の看板を撮影すれば口コミ情報が表示され、Wi-FiアクセスポイントのSSIDと接続コードを入力すれば自動でログインする。未知のモノが撮影されるとGoogle Assistantが「これは何?」と聞いてきて学習を開始するといいます。
Google AI
Googleが開発するオープンソースの機会学習プログラム「TensorFlow」。これに対応したICチップ「Tensor Processing Unit」(TPU)を昨年発表しました。これは競合製品より15-30倍高速なパフォーマンスを発揮するものでしたが、さらに進化したTPUをクラウドで利用できるようにする「Cloud Tensor processing units」を発表しました。研究用の「TensorFlow Research Cloud」も公開されています。
Googleが展開するTPUやCloud TPU、Google Assistantのようなインターフェイスまで、AIに関連する取り組みやツール群を「Google AI」として取りまとめていることも併せて発表されました。モバイルファーストからAIファーストへの移行期に不可欠なものとなりそうです。
Google Assistantが拡大、iPhoneにも対応
AIの進歩と「Google Lens」といった関連サービスの登場によって、Google Assistantがますます進化します。先日発表されていましたが、Google Assistant SDKにより様々なデバイスに組み込みが可能となった他、Google PixelとGoogle HOMEに対応していたGoogle AssistantがiPhoneにも対応します。
サードパーティは、Google Assistantを通じて、さまざまなアクション・コマンドを提供することができるようになります。
Google HOME、2017年夏に日本上陸
GoogleとAIを結びつける象徴的な製品となるのが音声認識デバイス「Google HOME」です。70以上のスマートホーム事業者と連携し、発表後50以上の新機能を追加し続けてきました。そして、2017年夏、アメリカだけでなく、イギリス・カナダ・オーストラリア・フランス・ドイツ、そして日本への展開が決まりました。
Google HOMEの進化は続きます。先回りして特定の行動をおすすめできるようになったり、ハンズフリーで電話をかけられる機能やスマートフォンやTVなどに通知を送るなどの機能が予定されています。Spotifyなど音楽サービスの連携も拡大しています。
Google Photo
Google Photoは5億ユーザーが毎日アクティブに利用するモンスターサービスとなりました。今後、共有機能の強化やフォトブック作成サービスを提供します。
YouTube
YouTubeについては、たった1日で10億時間分が視聴されているとのことです。60%がモバイル経由ですが、コンテンツの90%がテレビ番組というおもしろい数字が出ています。
また、ライブは昨年だけで4倍成長しました。今後は、360度動画のライブ「360 Live」も展開します。
最後に、SuperChatという投げ銭サービスについても触れられました。会場内で一定の投げ銭が得られたらシャボン玉が飛ぶという演出も行われました。
ちなみにシャボン玉、スマートフォンからも送ることができます。
Android
毎日20億台が起動するAndroid。昨年は車載バージョン「Android Auto」の躍進が著しく、10倍に成長したといいます。昨年一年間のアプリダウンロード数は820億。また、すでに60か国から数千の開発者が参画している組み込み型Android「Android Things」が2017年末にも本格展開を始めるとのことです。
Chrome Bookが教育市場で躍進
アメリカのK-12教育市場で販売シェア60%を獲得したとのことです。
Android O
さまざまなアップデートが行われている(最新OS「Android O」はすれ違い通信が可能、開発者プレビュー版を公開)というAndroidの次世代バージョン「Android O」。操作全体やテキスト周りの使用感といったUIが刷新されるほか、セキュリティ面でも機能向上、TensorFlowのライト版が搭載されるということです。さらに起動速度は2倍高速になるといいます。なおベータ版が公開となっています。
Google PLAY開発者向け
ダッシュボードが機能向上するほか、「Kotlin」というプログラミング言語に正式対応することが明らかになりました。
新興国向けAndroid GO
インターネット通信環境が整っていない地域に向けた、省データ版各種サービスも順次整備されています。アプリのファイルサイズが10M以下のタイトルとして「YouTube GO」(YouTube GO は保存・ネットなし共有できるアプリ、全スマホ時代に最適化された動画体験の再創造【@maskin】)や191言語に対応した入力キーボード「GBoard」があります。
VR/AR
DayDream対応スマホにサムスンのS8/S8 Plusが加わったほか、スタンドアロンで動作するDayDreamも登場します。チップはQualcomで、ハードウェアはHTCとLenovoから2017年末に発売されるとのことです。
ARサービス「Tango」と連携したサービスとしてビジュアルポジショニングサービスが提供されたり、教育分野への活用とした「Google Expedition」とARを融合する取り組みではすでに200万人の学生が利用しているとのことです。
Google for Jobs
自分にあった仕事を探せるサービス「Google for Jobs」が来週アメリカでスタートします。Linkedinやfacebook、人材紹介会社などとパートナーシップを結びそれらを検索できるようにするようです。
以上ざっくりお伝えしました。一言で言えばGoogleサービスの「AIによる再定義」がこれから始まるということでしょう。彼らは以下のような分野でAI活用を考えています。この1年のAIの進化が著しかったように、Google進化は予想もつかないものになるのではないでしょうか。
2日目以降もざっくり紹介していく予定です。
【関連URL】
・Google I/O 2017
https://events.google.com/io/