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日本のスタートアップシーンは過去30年にわたり何度かの勃興フェーズを迎えていましたが、一部の企業が突き抜けるものの生態系として定着することはありませんでした。その理由の一つに資金調達が大きな壁になっていたことは明らかです。
その鍵を握るのは株式を発行することで資金調達を行うエクイティ・ファイナンス。ここ5年ほどでようやく日本のスタートアップシーンでも定着する方向に向かってきていますが、そこには「情報のギャップがある」とプロトスター社 代表取締役CCO 栗島祐介 氏は言います。
起業家・投資家の増加と情報格差
プロトスターの創業は2016年11月30日、起業家支援のさまざまな取り組みを展開。同社が運営する起業家コミュニティ「StarBurst」に参画するスタートアップ企業に対する投資家への紹介フローは累計数百件、その流れでの累計資金調達額が50億円弱にまで達しているといいます。
「起業したばかりのスタートアップであるほど、最適な投資家を見つけることができない。結局、初期の起業家は資金調達活動に時間を取られ、経営に集中できず、事業がストップしてしまう事象が発生しています。
そこで弊社のコミュニティや各種事業の枠組みによって支援を行っているわけですが、実は、ここ数年で起業家・投資家双方の数がかなり増えてきており層も厚くなってきており、もはや弊社のスタートアップ支援の枠組みの中で人力でマッチングさせるのは現実的でなくなっているのです」(栗島氏)。
起業家・投資家のマッチングサービス
そんな状況の中、プロトスター社が開始したのが「Startup List(スタートアップリスト)」という起業家にとって最適な投資家を探せるサービスです。
投資家・起業家双方が事業などの詳細な情報を登録できるデータベースで、投資家の利用料は無料。起業家も情報の登録だけなら無料で、投資家をアクティブに検索する際に限り月額5000円の費用がかかる仕組みです。
起業家・投資家が登録できる情報は以下の通り非常に後半かつ仔細に渡っており、さまざまな角度から情報の検索ができるようになっています。ただ、センシティブな情報については、逐次承認の上、閲覧できるような仕組みになっているとのことです。
起業家側の登録情報(サマリー)
・企業情報
・事業詳細
・顧客課題
・顧客にとっての価値
・狙う市場
・ビジネスモデル
・競合他社/優位性
・月次売上
・月次コスト
・資金面
・アドバイザー/メンター
・過去所属アクセラレータ /インキュベータ
投資家側の登録情報
・企業情報
・投資対象領域
・投資金額レンジ
・バリュエーションレンジ
・ファンドサイズ
・平均的な投資検討期間
・リード投資の有無
・海外投資の有無
・起業家の評価基準
・担当者の過去の投資先
・担当者経歴等
スタートアップ生態系の潤滑油に
起業家と投資家のデータベースといえば、米AngelListが有名ですが、日本のスタートアップシーンにフィットしているといわれるとグローバルと日本では時差や状況が違うため微妙といわざるを得ません。
かつてネットエイジの西川潔氏が同種のサービスを日本向けに立ち上げたことがありが、当時はまだ投資家も企業家も層が薄く成長しませんでした(その後crewwに譲渡)。
プロトスター栗島氏は「スタートアップ領域の生態系は複雑化してきており、ある程度成熟した」と話しており、情報検索サービス「Startup List」により「起業家・投資家が最適な資金調達を最短で実現すること(=スプリントファイナンス)を目指す」と共に「今後の日本における起業環境の透明性を高め、誰もが起業しやすく、かつ、起業家を支援しやすい環境作りに貢献したい」と考えているとのことです(栗島氏)。
「Startup List(スタートアップリスト)」は、今後一年間で200社の利用を目標に、長期的には日本のシード・アーリー起業家の過半数以上が利用するサービスにしたいと目論んでいます。2018年3月15日には都内でサービスローンチを記念するパーティも予定されているとのこと。
【関連URL】
・[公式] Startup List
・[運営] プロトスター社
蛇足:僕はこう思ったッス
弁護士が資金調達向けのツールを提供(参考 「ケップルが、スタートアップと投資家を強力に支援するツール「FUND BOARD(ファンドボード)」β版を発表」)するなど、実務レベルを見るだけでもスタートアップに対する投資案件は相当な数に上っているように感じる。ただ、シード・アーリー期の投資が成長に直結するかというと、それはまた別問題になってしまっており、スタートアップリストのような投資家・企業家マッチングの仕組みの充実化を皮切りに、その後の成長に対するさまざまな施策の浸透が日本スタートアップシーンには求められているように思う。
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