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日本ではまだまだ発展途中のスタートアップシーン。そんな中、ここ数年でジワジワと規模を拡大してきたスタートアップコミュニティがある。「TOKYO TECH STARTUPS」という、東京発でありながら共通言語は英語というグローバルな集まり。ピッチのみならず様々なイベントを開催。これまでの規模では最大となった今回のピッチイベントのレポートをお届け。
開催概要
「STARTUP PITCH NIGHT」
日程:2019年9月5日(木)
会場:TUNNEL TOKYO
参加者:200名+
主催:TOKYO TECH STARTUPS
国内発、国内進出スタートアップが集うピッチイベント
TTSの標準語は英語。ピッチもネットワーキングも基本は英語で行われる。今回ピッチした企業も英語がネイティブでない方もいたが、全員英語でプレゼンしていた。ピッチは、日本で登記された日本企業の他に海外から日本市場へ参入を予定している企業が主だった。創業1年以内のアーリーステージの企業が多くプロダクト開発資金のための投資を必要としている。そんなスタートアップ企業を一部ご紹介する。
SE4
東京発ロボット用ソフトウェアを提供する企業。VRシミュレーターを使用し、通常では難しい遠距離での操作を可能とするロボット遠隔操作技術の開発。人間のオペレーターの動きや能力を認識し、ロボットを操作。既存の建設現場のみならず、宇宙での使用も視野に入れ開発を進めている。2018年設立。Mistletoeから初期投資を受けている。直近は10M USD (10億円程)の投資を探しているとのこと。
BioPic
イタリア発自宅やレストランで新鮮な野菜などを育てられる機器を開発・販売している企業。主にライトやフィルターを開発。現在大規模な室内栽培のハウスで使われているライトは、ブルーライトが強く目に悪く、家庭栽培には向かないそう。この自社開発のライトは、そういったリスクを下げながらも栄養価も高い食材を栽培することができる。イタリアでは、ミシュランシェフも導入してるこの栽培機器は1台200ユーロと手が届きそうな価格。今後は食文化の豊かな日本での展開を目指しているとのこと。
mymizu
日本は世界でもプラスチック排出が2位。そんな状況を変えようと発足したのが同サービス。日本初。ペットボトルの利用を削減することを目標に、無料で給水できる場所を簡単に探せるというもの。公共エリアのみならず、カフェやレストランなど様々な場所が掲載されている。ルルレモンなどの飲食店以外も店舗も参画。店舗のメリットとしては、来店するきっかけを作ることができる。マネタイズは、アプリ内広告、ポイントシステム、将来的にはデータを利用したビジネスを考えているとのこと。海外からも問い合わせがあるという。
Visual Collectives
クリエイターとクライアントをつなげるサービス。東京とフィリピンをベースに活動している女性フォトグラファーJaydine Barizo氏が立ち上げたスタートアップ。フォトグラファーといってもスタジオ、イベント、ウェディングなど専門分野が分かれる。クライアント側からすると誰に話したらよいかわからない。そんな悩みを解決するのが同社のサービス。サービス利用料は、25%コミッション制。追加の写真は1枚につき7ドル。プロダクト制作のため1千万円ほどの投資を探しているとのこと。
QueQ
レストランで自分の番を待っている時間がもったいない!そんな方にお勧めのアプリ。タイ発のこちらのサービスは、アプリ内で番号札を発行し、順番が近づいた時点で来店すればOKというもの。ローケーションベースの広告から、ペイメントサービス、そこからデータを利用したビジネスモデルでマネタイズしていく予定。タイでは人気のアプリ。今後は日本への参入予定とのこと。投資もシリーズA(8.5Mドル)を終え、現在シリーズB(5Mドル)の資金調達を目指している。
TOKYO TECH STARTUPについて
TTSは、テクノロジーとスタートアップに強い関心を持っている起業家・スタートアップのコミュニティ。次世代の日本のスタートアップを世界へ輩出するというミッションのもと、企業やスタートアップとコラボレーションしながら日本のスタートアップ業界の活性化を図る活動をしている。2016年から東京を拠点に、ピッチイベントなど数々のイベントを開催。共通語は英語というグローバルなコミュニティには、現在3,000名を超えるメンバーが参加。
Photo Credits : Visual Collective
取材あとがき
主催のDimitriさんにお誘いいただき参加してきた今回のピッチイベント。お互い日本とグローバルのギャップを埋めるために何かできないかと活動しています。課題などについても共感することが多く、そういった意味でも彼のこの取り組みは素晴らしいなと思っています。東京発、オール・イングリッシュでスタートアップや投資家がたくさんいるこのコミュニティ。一企業の名前や有名投資家の名前があったからというのではなく、皆が本気で何かを変えようと思ってここに参加しているところがこのイベントの魅力と思います。海外カンファレンス行く人も日本国内でこういう環境があるので、参加してみてはいかがでしょうか。