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GoogleがNest Labsを3.2 billionドルのキャッシュで買収したというニュースが飛び込んで来た。Nestはデザイン性に優れ尚かつ機能性でも郡を抜いている家庭用温度調節機、主にガスヒーターの温度をコントロールするデバイス。Apple Storeで販売されるというのは分かる気がするが、Home Depotでも売っているのでそれだけデマンドが有るという証拠。しかしCES2014、Mercedes-Benzの展示ブースでNestにお目にかかるとは全く想定していなかった。「car-to-x」というのが次世代カーコネクティビティーの新しいキーワードになりそうだ。FordやChevroletも同じ方向に舵を切った。次世代の自動車は4G LTEによるインターネット常時接続を前提にユーザー体験をデザインしており、以前から言われ続けていたが、いよいよ自動車が史上最強のスマホになる日も目前に迫った。
Mercedes BenzがAクラスの2012年モデルでロールアウトしたThe Drive Kit Plus for the iPhoneも進化している。CESではDigitalStyle app with car-to-x technologyとして幾つかの戦略的アプリメーカーとの連携を発表、今迄のインフォテインメント路線とは一線を画する。Nestを使って帰宅前にお部屋の温度を快適にセットしておく。HRS(アプリはiHotel)を使って今日泊まりたいホテルを予約するなど、自動車が移動するオフィス、車輪の着いたスマホになる予兆を感じさせるcar-to-xのラインアップだ。
【関連URL】
・Mercedes-Benz社The Drive Kit
http://www.mbusa.com/mercedes/accessory/title-Drive_Kit/id-OEMPartNo:AQ00001111
・Mercedes-Benz社CES2014用プレスリリース
http://media.daimler.com/dcmedia/0-921-656527-1-1662641-1-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0.html
・ IPod Creator Fadell Sells Nest Helping Google in Rivalry Mercedes-Benz announces in-car integration with Nest thermostat
・ Mercedes-Benz announces in-car integration with Nest thermostat
・Nest Labsのホームページ
Ford MotorはSYNC AppLinkシステムのcar-to-xラインアップとしてDomino’s Pizzaモービルアプリと連携。お腹が空いたら走りながら音声コマンドでPizzaを注文、自宅に戻るタイミングに合わせてPizzaをイージーオーダーしておけばこの上なく便利ですね。家族で外出から戻って、手を洗ってTVのスイッチを入れた所でPizzaが到着というわけだ。
【関連URL】
・Domino’s Pizza app to use Ford Sync to let you order from
http://www.freep.com/article/20140107/BUSINESS06/301070097/dominos-ford-pizza-app
General MotorsのChevroletは4G LTEモデム付属の車種向けにアプリを販売する、The Chevrolet AppShopをロールアウト、2015年モデルから対応がスタートする。AppShopではいわゆるNativeアプリを販売する、そしてダウンロードしたカスタムアプリはそのまま自動車のヘットユニットにインストールされるので、スマホを接続していなくても動作する。スマートTV向けアプリとコンセプトは一緒だ。その第一弾のラインアップの一つとしてオンライントラベル予約サイトPricelineと提携する。Pricelineアプリと4G LTEデータ通信機能を使って、運転者と同乗者は簡単に旅行の予約ができるというアプリ。航空券、ホテル、レンタカーと全て取り揃えているので、急な出張にも対応できる。
【関連URL】
・Priceline latches onto in-car experiences to extend mobile commerce reach
蛇足:Mickey’s インスピレーション
電気自動車(EVカー)は常に電池残量をモニタリングする必要性からテレマティックスの一環として近傍のEVチャージングステーションの位置を表示するシステムになっている。当然インターネットとの常時接続環境が完備されているし、スマホアプリからEVカーの状況をチェックする事も標準仕様になっている。この便利な仕組みは従来の自動車にも取り入れられ、コネクテッドカー時代の本格的幕開けを迎えようとしている。同時にThe Internet of Thingsの波が押し寄せ、全てのデバイスがネット接続すると、車とホーム、車と腕時計という風に、デバイス同士がコミュニケーションできる環境になり、car-to-xのコンセプトも実用化されてくるという事だ。ただ、うまい話には裏が有るではないが、Nestユーザーの中にはGoogleの買収に反応してNestを壁から取り外す人も出て来ている。つまりGoogleがあなたの自宅を常に監視し、行動データを収集する事になるのではないかという将来的な心配に対して、フラストレーションを示している反対行動の一環だ。政府ですら個人情報を傍聴する時代であり、利用者も個人情報のデータ利用に関するポリシーには十分な注意を払う必要がある。The Internet of Automotive. 貴方はどう思いますか?