キーワード広告を超えた!米RockYouのソーシャルアプリ というエントリーで紹介したRockYouとソフトバンクが合弁会社を始めるんだってさ(発表文)。ハードからOS、OSからブラウザ、ブラウザからSNSと、IT企業の主戦場が移行してきているんだけど、いよいよ日本でもSNS上で動くソーシャルアプリの市場が主戦場になるんだろうか。
ソフトバンクはケータイの待ち受け画面上にもソーシャルアプリを展開していくことを考えているんだろうなあ。
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キーワード広告を超えた!米RockYouのソーシャルアプリ というエントリーで紹介したRockYouとソフトバンクが合弁会社を始めるんだってさ(発表文)。ハードからOS、OSからブラウザ、ブラウザからSNSと、IT企業の主戦場が移行してきているんだけど、いよいよ日本でもSNS上で動くソーシャルアプリの市場が主戦場になるんだろうか。
ソフトバンクはケータイの待ち受け画面上にもソーシャルアプリを展開していくことを考えているんだろうなあ。
内容は、拙著「次世代マーケ・・・」の内容を要約し、少々加筆したようなもの。マス広告市場がいつ崩壊するのかを考えるより、新しい広告の形を考えたほうが生産的ですよ、というような内容になってます。
記事はこのリンクの先にあります。
ケータイの中心はアジアだ
と、よく言われるけれども本当にそうなのだろうか。
ケータイ産業と言っても幾つものレイヤーに分かれる。
まずは、ハード機器としてのケータイ端末の製造業のレイヤー。
このレイヤーで圧倒的に強いのがフィンランドのノキア。米調査会社IDCによると、2008年10ー12月期の世界市場シェアの39.1%を取得している。ただ前年同期の40.4%から1.3ポイントのダウン。一方で2位の韓国サムスンが18.3%(前年同期比4.3ポイント増)、LGエレクトロニクスが8.9%(同1.7ポイント増)と、じりじりと追い上げている。日本のメーカーは世界市場での存在感はほとんどない。
一方でその上のレイヤーであるOSのレイヤーでは、オープンプラットフォーム化の動きが盛んだ。主なものはLiMo、symbian、アンドロイドなど。特にアンドロイドはグーグルが無料で提供するOSなので、開発費の高騰に悩む端末メーカーの多くが採用する可能性がある。日本でも今年後半にはアンドロイド搭載の端末がお目見えするのではないかといわれている。
このOSのレイヤーでも特にアジアが特に強いわけでもない。
では「ケータイの中心はアジアだ」といわれるのは、なぜなのか。
1つは、アジアでのインターネット利用は、相対的にPCよりもケータイを通じたケースが多いらしい、ということ。そしてその傾向が続けば、巨大な人口を抱える中国を核にアジアがケータイの中心になる、という論理だ。恐らく発展途上国のユーザーにとってパソコンはやはり高額なのだろう。コストパフォーマンスを考えれば、パソコンより日々の生活に直接メリットがありそうなケータイに軍配が上がる。そして普及したケータイをベースに、インターネット利用もケータイを通じて広がっていくということなのだろう。
IVS 2008 Fallのパネル討論会に参加したクッキー・パンダのリチャードさんによると、例えばインドネシアのケータイユーザーとPCユーザーの比率は5対1だという。
また中国モバイル検索大手YichaのBin Liuさんは、「ユーザーの多さはパワーの大きさになる」と言う。アジアでのケータイユーザーの多さが新しい動き、新しいサービスを生む、と言うのだ。例えば、中国ではケータイ向けウイルスが登場している。そしてケータイウイルス専門のセキュリティ事業者も登場している。NetGという会社だが、ケータイ専門のセキュリティ事業者では世界最大だという。ケータイユーザーが多い中国だからこそ、こうした新しいサービスが世界に先駆けて成立するわけだ。
ケータイの中心がアジアだといわれるもう1つの理由は、世界に類を見ないアプリケーションが特に日本で真っ先に普及しているからだ。i-modeや写メールもそうだし、最近では米mahaloのジェイソン・カリカナスさんが「日本って名刺にまでバーコードが印刷されていて、それをケータイで読みこんでいるだぜ!」ってポッドキャストで興奮気味に語っていた。電子マネーやGPSを搭載したケータイも、日本ほど普及している国はない。こうした先進性という意味で、アジア(というより日本だが)が世界のケータイの中心、ということになる。
つまり最初の問いの答えとしては、アジアはあるレイヤー(先進性、ユーザー数、将来性など)では世界の中心ともいえるが、別のレイヤー(ハードやソフト)ではとても中心とは呼べない、ということになる。
もちろんいろいろなレイヤーごとにリードするプレイヤーが異なるというのは当然だとしても、どのレイヤーが、収益性、成長性という意味で最も重要なのか。どのレイヤーがケータイという事業分野の核になるのか。花形になるのか。
パソコン産業の中核部分は、以前はハード機器のレイヤーだった。しかし技術革新の中心がソフトウエアのレイヤーに移動すると、ハードはコモディティ化し、収益性、将来性ともに多くを期待できない事業領域になってしまった。そしてさらなる技術革新が、産業の中核部分をソフトからインターネットのレイヤーに移動させた。そしてそのレイヤーで力を持ったグーグルが各種コンテンツ事業を無料で提供することで、戦場をコンテンツから広告、マーケティングのレイヤーに変えてしまった。
そのグーグルがケータイ向けOSを無料で配布し始めた。これによりケータイの事業領域の中でも、主戦場がソフトから1つ上のレイヤーに移行するのではないかと思う。つまりコンテンツ、サービス、さらには広告、マーケティングのレイヤーに移行するのではないか、ということだ。この辺りは、まだ自分の中では仮説であり、これからの取材を通じて本当にそのような変化が起こっているのかを確かめていきたいと思う。
もしこの仮説が本当であれば、世界のデジタル情報革命の主戦場は、アジアのケータイという領域になり、その領域の中でもコンテンツ、サービス、さらには広告、マーケティングのレイヤーになるのではないだろうか。つまり日本のモバイル向けの広告、マーケティングというビジネスが、世界をリードし、世界に貢献できる時代になろうとしているのではないか。そんなことをうつらうつら考えている。
注目はケータイ向け広告、マーケティングの技術革新を進めている日本企業。そしてその日本企業のアジア戦略である。そこを今後の取材の中心にしたいと考えている。
インフィニティ・ベンチャー・サミット(IVS)のLaunch Padがベンチャー企業の登竜門としての地位を固めつつあるように思う。僕も会社のサイトにこんな風に特集記事を書いたし、英語のでもブログを書いて世界に向けて情報を発信しておりますです。
そのIVS、次回は5月下旬に札幌で開催されるが、IVSではLaunch Padに挑戦するベンチャー企業、大手企業の研究開発部門を募集中ということで、告知のお手伝いをします。
それともう一件。Japan Blog Awardsのエントリーが本日正午までということで、エントリーしたい人は急いでください!
「次世代マーケティングプラットフォーム」の中にも登場してもらったManoloさんも寄稿しているというデジタルサイネージの専門ブログ「www.dailydooh.com」。ご参考まで。
告知を頼まれましたので・・・。
2009年3月11日(水) 14:00~16:45、東京のヴィラフォンテーヌ汐留 会議室4+5で。
僕も講演します。定員60名と割と小規模なんですぐ埋まってしまう恐れあり。応募者多数の場合は抽選するそうです。
詳細はコチラ
「次世代マーケティングプラットフォーム」は僕のこれまでのメディア探求の集大成だと本気で思っていて、それなりにいいものができたと思っている。ただそれでも印税収入はそれほど多くなく、アメリカ取材の経費もあるし、著述業で独立するのは簡単ではないなあ、とつくづく思う。じゃあ何のために本を書き続けるんだろう・・・。
この本を出してよかったことは、多くの人に読んでもらえて、そして評価してもらえたことにつきる。本を出して以来、非常に多くの人が「意見交換したい」と連絡してきてくれるようになった。ほとんど毎週だれかが訪ねてきてくれる。新しいネットビジネスに挑戦したいという熱い思いを持った人からの連絡なら、まず断らないことにしている。そうした人たちを勇気付けることができるのであれば、それが何より自分にとってうれしい。そして自分もプラスのエネルギーをもらえるような気がする。それが、本を出した最大の報酬かもしれない。
ほぼ3年ぶりにケータイを買い換えて思ったことは、大画面ケータイの画面を横にしてPC向けウェブにアクセスしても十分使えるようになったな、ということ。
解像度が上がった、画質がよくなった、ということをウリにしているケータイを見ても触手が動かなかった。あんまり関係ないと思っていたのだが、画質の向上ってすごいことだったんだと気づいた。画質向上のおかげで細かな文字が非常にくっきりと見やすくなった。大型スクリーンを横表示にしてPC向けウェブページを表示すれば、ページの横幅をほぼカバーできる。スクロールダウンだけで、見ることができる。これは非常に便利。
もちろん完璧に表示できないページがあったりするんだけど、パソコン向けページを完璧に表示したいのであればやはりパソコンで見るしかない。出先でウェブをちょっと確認したり、自宅でくつろいでいてパソコンを立ち上げるのが億劫なときなど、横表示ケータイで十分役に立つようになったと思う。
これまでパソコンやPDAを持ち歩かないと、どこか落ち着かない感じがしたものだが、ようやくケータイだけでも安心して外出できるようになった。
よく使うサイトのほとんどはケータイ画面用に最適化されたサイトを用意してくれていし、そうでない場合は、jigブラウザがやはり便利。
jigブラウザの一番いいところは、ケータイブラウザの定額制だけで利用できることだと思う。
ケータイブラウザの定額制は上限が4500円くらい。それにフルブラウザを使うと定額の上限は6000円くらいになってしまう。フルブラウザをがんがん使うと1500円ほど料金がアップしてしまうわけだ。
ところが、jigブラウザはフルブラウザとみなされない。jigブラウザの利用料は月600円だから、900円ほど得ということになる。年間で1万円を超える話だから、これは結構大きい。
あと、ケータイ画面上でカーソルを自由自在に動かすのって結構大変だけど、jigブラウザならカーソルを完全にリンク上に持ってこれなくても、すぐ近くまできた状態でボタンを長押しすると一番近くのリンクに移動してくれる。こうしたちょっとした気遣いが、さすが長年この領域でやってきた会社だと、感心。
jigブラウザのサイトには「データ圧縮による高速通信・高速表示」と書いてあるが、確かに内臓フルブラウザよりも早く表示されるような気がする。
スマートフォンの定義も難しいんだけど・・・。ちょっと前ならウィンドウズ系OSが載っていることがスマートフォンの定義みたいなもんだったし。
ここでは便宜的に、PCサイトビューアやフルブラウザと呼ばれるタイプのブラウザしか搭載されていないモバイル電話機器、ケータイブラウザが搭載されていない機器のこと、と定義する。またフルブラウザ、ケータイブラウザの双方が搭載されていても、あくまでもウリは、PC向けサイトを小さな画面向けにうまく変換して表示するフルブラウザの機能であれば、それもスマートフォンということにしよう。ウィンドウズモバイルなどのソフトが搭載されている機器はもちろんのこと、iPhoneもスマートフォンということになる。
で、一方のケータイの定義だが、ここでは便宜的にケータイブラウザのほうががメインツールになっている機器としておく。グーグルのアンドロイド搭載機器でも、ケータイブラウザが充実していてi-modeやEZwebなんかのケータイ用サービスが利用できるようなものならケータイ側に入れる。同じアンドロイド搭載機でも、フルブラウザに力を入れていてケータイ向けサービスがうまく利用できないのであればスマートフォンということにしたい。
こう分けた上で、今後どちらが優勢になるのか、という疑問がある。パソコン向けインターネットの世界をモバイル機器でも利用できるようになるという方向で進むのか、パソコン向けネットとは別の形で進化してきたケータイ向けネットの世界にパソコン向けサイトが入ってくるという形で進むのだろうか。
僕は後者だと思う。モバイルネットの世界は、スマートフォンよりケータイが主流のまま進んでいく。「日本はそうだけど、アメリカはやっぱりスマートフォンでしょ」という意見もあるけれど、僕はアメリカでさえケータイが主流になっていくのだと思っている。
その理由は、すべてのサイトはPC画面に最適化したサイトと、モバイル機器に最適化したサイトの少なくとも2つを持つようになるから。いずれそうなると思うからだ。
つまりモバイル機器のほうでパソコン向け画面をモバイル向けに変換するのではなく、サイト側が異なる画面を用意するようになる。
テクノロジーの進化によって、デバイス側が1つのページを自らの画面に合わせて最適表示できるようになったとしても、サイト側は人手をかけてでも少なくとも2種類の画面サイズに合わせた情報の形を提供するようになる、と思うわけだ。楽観的テクノロジー信者の湯川にしては珍しい予測だと思われるかもしれないけれど、次の2つの理由でそうなると考えている。
1つ目。サイト運営者は、世の中に情報を発信したいからこそ、サイトを構築している。発信する情報がうまく伝わるように、ある程度の努力は惜しまない。簡単にモバイルサイトを構築するツールが普及してくれば、ほとんどすべてのサイト運営者は、PC向けサイトと平行してモバイル向けサイトも運営するようになるだろう。
2つ目。どれだけテクノロジーが進化しようが、1つのページに搭載できる情報には限度がある。2回タップしたり、ピンチしたり、すばやくなぞったりすることで、画面操作がどれだけ簡単になろうと、スクロールダウンという1つの操作だけですべての情報を入手できるほうが断然便利。PC向けページがモバイル向けに6分割されて「(1/6 続く)」となっているリンクを押していかなければならないページなんて、読んでられないよ、ほんとに。
この2つの理由から、日本でもアメリカでもヨーロッパでも、ケータイが主流になる、と考えている。コンテンツを最適化できるモバイル機器が主流になるのではなく、モバイル機器向けにサイト運営者がコンテンツを最適化した上で配信することが主流になる、と思う。
iPhoneもフルブラウザの操作性がウリなんで、スマートフォンという見方が今のところ主流なんだけど、iPhoneの画面の大きさに最適化されたサイトが多くなってきているし、iPhoneのApp StoreではそれこそiPhoneの画面の大きさに最適化されたコンテンツが山のように登場してきている。この小さな画面に最適化されたコンテンツの山が、iPhoneの最大のウリになっているのであれば、iPhoneは上の定義によるとケータイに属することになる。
長期的には、みんなケータイになっていくんだ。
なぜこんなことを考えるようになったのかというと、実は昨日、2年半ぶりの機種変更したのだが、どの機種にすべきかここ数日ずっと考えていたから。もちろんiPhoneは選択肢の1つだったんだけど、小さな画面に最適化されたサービスで、自分が使いたいものは圧倒的にケータイに多かった。YouTubeやApp Storeのアプリなどに魅力を感じるのならiPhoneに軍配が上がったのかもしれないが、モバゲータウンや地図ナビ、timelog、エルカミノリアル、ニュースカフェなどなど、自分にとって大事なサービスはケータイのほうが充実しているんだ。
もちろんiPhoneのブラウザには魅力を感じたんだけど、jigブラウザがすごいという話を、東銀座界隈で自転車に乗っている信金マンのようなあの人、210円のもりそばが食べられる立ち食いそば屋でばったり会ったあの人のブログを読んで、横画面ケータイとjigブラウザというコンビネーションで行くことに決めました。
それで値下がりした少し前の機種を購入。ソフトバンクの923SH。「辞書」「地図」のハードボタンもついているし、地図はデジタル磁石がついていているのでケータイを向けた方向が上に表示される。歩数形も意外に便利。海外でも使えるし、bluetooth、お財布アプリもついている。自分のライフスタイルにかなり合った機種になっているので、大満足です。信金マンのような社長さん、ありがとう。
予定表の中に行き先の住所などをコピペしてるんだけど、これがケータイの地図サービスと連動されていればいいのに、と今朝思った。オンラインサービス同士の連携がもっともっと進んで欲しいなと思います。それだけ。