というのは、夏野さんの意見。Yahoo!の松本さんが、「ここは書いてください(笑)」というので書きます(笑)。
まず夏野さんは、理由を次のように述べている。
「僕はiPhoneは大成功だと思う。今まで日本のケータイ業界の中で、海外から入ってきたちょっと個性の強い、いわゆる純正のキャリアのケータイとは違うケータイ端末が、何十万台かは知りませんが、この規模で売れたことはこれまでなかった。もっとすごいのは発売後もうすぐ一年。モデルチャンジしないで先進機能の端末を売り続けられるというのは、日本のケータイでは初めて。すごいことだと思う」。
松本さんによると、「台数は言ってはいけないことになっている。スティーブ・ジョブズに(秘密保持契約に)サインさせられているので。恐らくYahoo!内で知っているのは僕だけ。社長も知らないと思う。でも今回キャンペーンを打ったおかげで、急激に普及率が伸びているというのは事実」。またソフトバンクとしては成功とみなしているようで、「(昨年ぐらいから販売制度の見直しで買い換え期間が長くなり、その結果)日本の機種は差別化がだんだん難しくなってきて、チューニングしたという程度の端末しかここしばらくでていない。その中で、iPhoneは先進的な機能を幾つか搭載しているし、先進的なユーザーを取り込んでいる非常にいい端末になっている。ソフトバンクとしてはアッパーなユーザーをつかまえるための最も重要な武器として展開している。ソフトバンクとしては成功といえるぐらいの数は出ている」という。
成功かどうかは、最初の予測をクリアしたかどうかにかかってくるんだけど、ソフトバンクの関係者が「ソフトバンクとして成功といえるぐらいの台数が出ている」というのなら彼らにとっては、成功なんだろう。もちろんその成功ラインに到着するまでには、大幅値下げというキャンペーンを打たなければならなかったけど。iPhoneの目的が、(1)収益を上げる(2)先進的ユーザーをつかまえる、の2つにあるならば、(2)は達成した。(1)はまあまあというところか。
一方「iPhoneは最初非常に脅威を感じたけど、まあそれほどでもなかった」と競合社の人が話しているのを聞いたことがあるので、競合社にとっては最初の予測を下回ったということになる。
当事者、競合者、関係者の意見を総合すると、まあまあの結果ということになるのかなあ。
ところで、このパネルの中で「iPhoneでもフルブラウザはだめ」と夏野さんが一刀両断したのは面白かった。僕も同じように感じていたからなんだけど。「iPhone向けにHTMLを用意しているサイトはいいが、フルブザで普通のサイトにいくのはとても、とても。フルブラウザ幻想を持っているキャリア関係者は多いが絶対無理だと思う」。はっきり断言するのは気持ちよかった。やはりサイト側で画面の大きさの違う3機種(パソコン、iPhoneのような画面サイズのモバイル機器、ケータイ)向けにそれぞれページを作っていくことになるのだと思う。