「グーグルからサイトを見えないようにしようと思う」マードック氏
オーストリアのメディア関連ニュースサイトmUmBRELLAによると、メディア王ルパートマードック氏が同氏が率いるニュース・コープのサイトからグーグルのクローラーを締め出す考えを示唆したという。
Asked by Sky News political editor David Speers why News hasn’t therefore made its sites invisible to Google, Murdoch replied: “I think we will.”
スカイニュースの政治専門の編集者に「じゃあいっそのことgoogleからサイトを見えないようにすればどうですか?」と聞かれたらマードックス氏は「ああそうすることにしよう」と答えた。
ニュースの有料化を進めようとすればグーグルのクローラーの締め出しは当然ありだと思うので、特に驚くような話でもないのかもしれないけど、やっぱり世界のメディア王がこう発言したということは記録に残しておきたい。
コンテンツビジネスに関して今は二つの考え方が対立しているように思う。フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略を書いたクリス・アンダーソンのような考えと、マードックのような考え。
IT潮流では、この対立する考えをお持ちのお二人に来ていただき、徹底的に対談していただくことになりました(大嘘。)
マードック 広告じゃ儲からないし、有料化しないとやってけないよ。
アンダーソン 時代は変わったんです。情報は無料になるんです。
マードック 情報が無料になれば、クソ情報ばかりになるぞ。質のいい情報がなくなってネットはバカと暇人のものになってしまうぞ。
アンダーソン だいじょうぶです。ほとんどの情報を無料にすることで、人々の知恵が結集され大きな価値を生むことになります。
マードック そうなるかどうか分からないのに、いい加減なことを言うな。お前は預言者か。それに情報が無料になったら、いい情報なんて出てこなくなるぞ。
アンダーソン だいじょうぶ。一部の優良な情報には対価が支払われるようになりますし、情報発信を始めた人々に対する新しい広告やマーケティングが収益を生むようになります。
マードック なりますって、いい加減な予測はやめろって言ってるんだ。そんな方法で儲かっている例なんてないんだろ?
アンダーソン まだないです。でも絶対現れます。
マードック だからいい加減なことを言うなって言ってるんだ。何万人という従業員の生活がかかってるんだ。そんな当たるも八卦、当たらぬも八卦みたいな意見を鵜呑みにして、経営はできないんだ。
アンダーソン あなたにはこのビジョンが見えないのですか?
マードック おれは合理的、科学的に思考したいだけだ。お前のような霊能者みたいなことを言うやつを信じるわけにはいかないんだよ。
なんだか結局、僕が日ごろメディア業界関係者と交わしている議論になってしまったような気が・・・(笑)。
まあこの2つの考えがあって、しばらくは衝突するんだろうけど、振り子が右に振れたり左に振れたりしながら最後は真ん中でとまるように、何年後かにはだれもが「ああメディアビジネスは結局こうなcっちゃうんだね」と合意するようになるんだろうなあ。
僕は今までのような情報だけのコンテンツは果てしなく無料に近づき、各種機能を搭載したコンテンツはマバイルのアプリ市場などの環境の中でなら有料課金でも成立すると思っている。