単純な「動画」+「広告」に未来はないとしても、表現力ということでは動画ってやっぱすごいから、動画周辺の技術が進歩すれば、動画が広告の重要なプラットフォームのは間違いない。
例えば、このリンク先にあるReebokの動画。動画の中で出てくる製品と連動されて動画の右側のショッピングカートの中身が増えていくようになっている。この動画はブログへの埋め込みも可能なんだけど、このブログに貼り付けると右側のショッピングカートが表示されないので、あえてリンクだけにしました。
アーカイブ2009
一時期YouTubeの対抗馬として注目していた米Brightcoveなんだけど、ビジネスモデルを変更していた。知らなかった。
Brightcoveって、どちらかといえばプロやセミプロのための動画共有サイトって感じで、当時はネタが多かったYouTubeとは一線を画して質の高さを強調している感じがした。メディア業界関係者で「YouTubeはちょっとね」という人は、「これが21世紀のテレビの形かも」とBrightcoveに期待を寄せていたものだった。
でも「良質のYouTube」「良質の動画のマーケットプレイス」という感じのビジネスモデルはうまくいかなかったようだ。
テレビコマーシャル的な「動画+広告」のパッケージングは、少なくともデジタル情報革命の過程のわれわれが今、通過しているこの時期においては成立しない、ということなんだろう。
日本法人の須賀正明さんにお会いする機会があったので、いろいろ意見交換させていただいた。なかなか刺激的で面白かった。
やはり「いいコンテンツには広告がつく」というわけにはいかなかったようだ。一生懸命いいコンテンツ作りにせいを出しているメディア業界の人たちには申し訳ないんだけど、これがこの時点での現実のようだ。
The Next webの Firefox 3.5 is Now the World’s Most Popular Browser という記事から。
ブラウザのブランド別じゃなくてバーション別ということと、マイクロソフトのIEのバーションの切り替え時期という要素を考慮しないとね。IEの新バージョンが今後急速にシェアを伸ばすものと思われ。
でも瞬間風速的とはいえ、ここまで普及してきたってある意味評価に値するかも。
検索の時代からソーシャルメディアの時代になれば、情報は人間関係を通じて流れ出す。
それは当たり前のことなんだけど、Facebookが米Yahoo!と協力体制に入ったり、GoogleがTwitterと協力体制(こっちはどの程度、強い関係かまだ読めないけど)に入ったりしたので、そろそろ来年には情報の流れ方が本格的に変化し始めるのじゃないかと思っている。
【関連記事】
ID戦争勃発?米YahooはFacebookと、 GoogleはTwitterと連携、
TwitterとFacebookの時代がきた、
Facebookの暴走を止めることができるのはTwitter+Googleのみ
まずはどんな風な形になるのかというと、検索エンジンのほうでユーザーの友人関係(followしている人、followされている人)を把握し、その友人の間で人気の情報から上位に表示されるようになるんじゃないかと思う。僕が検索エンジンを設計するなら、そうする。
ニュースを検索するなら、友達の間で人気のニュースが検索結果の上位に表示されるようになる。僕ならIT、Web関連の友人が多いので、IT関連のニュースが上位に表示される。レストランを検索するなら、友人のつぶやきの中に出てきたレストランが上位に表示されるようになるんじゃないかな。
来年中にそうした「ソーシャル検索」機能が実装されるようになっても、僕は驚かない。
Twitterは、データをいろんなところに開放していくことを宣言しているので、いろんなサービスで友人関係をベースにした情報の見せ方というものが出てくるんじゃないかな。
そうなったときの広告、マーケティングメッセージは、どのようなものになっていくんだろう。
ユーザーがつぶやきたい、と思うような情報ってどんなもんなんだろう。多分、お得情報とか、ということになるんだろうか。iPhoneアプリで「本日だけ無料」という情報がRTされて、どんどんバケツリレー式に情報が拡散されていく、ということがあるけれど、そんな感じの情報の出し方っていうものを考えていかないとだめなんだろうなあ。
過去に軽く触れたんだけど、自分でもどのエントリーに書いたか分からなくなってたし、いろんな人から驚きのリアクションをいただいたんで肝心な部分を再掲。
募集のページへアクセスすると「This job is no longer posted(もうこのポジションは埋まりました)」って表示に変わっているけど、11月の末には確かに募集していた。この募集要項の書き方から、次期 iPhoneの目玉の1つは地図になるって思うし、これから位置情報関連のサービスがホットな領域だと思うようになったんだ。
ネタ元は米Softpediaの記事。
僕もその時点で確認したんだけど次のような記載があった。
The iPhone has revolutionized the mobile industry and has changed people’s lives and we want to continue to do so. We want to take Maps to the next level, rethink how users use Maps and change the way people find things.
iPhoneはモバイル業界と人々のライフスタイルを一変させたし、われわれはこの変化を継続させたい。そこで次は地図を次のレベルにまで持ち上げたい。人々の地図の使い方、物の見つけ方を変えるような変化を起こしたい。
[もっと読む…] about 【再掲】Appleが地図のエンジニアを募集(していた)次期iPhoneの目玉は地図だと思う根拠
電子ブック端末は来年から一気に普及するって言ってるんだけど、割と多くの人から「本当っすか」という懐疑的な反応を受けることが多い。そこで僕の主張をもう一度整理しておきたい。
電子ブック端末が来年から本格普及すると思われる理由は2つ挙げられると思う。
1つは、電子ブック端末、もしくは電子ブック端末としての利用が可能なデバイスがめちゃくちゃ多く発売されるから。【参考記事】EeePCのAsutekも、Dellも、タブレットPCデビューか
ビッグローブ、Android端末を利用した「クラウドデバイス」事業を開始へ
2つ目の理由。AppleがタブレットPCを発売するとみられるから。来年の夏前の発表じゃないかって言われてたんだけど、最近は早ければ3月の発売という情報もある。【関連記事】アップル、タブレットMacを3月に発売予定?
で僕がどちらの理由を重要視しているかというと、実は2のほう。自分自身触手が動くかどうか考えても、やはり2で触手が動く。物欲が動く。
なぜならタブレットという形状を求めているのではなく、タブレットPCが提供してくれるであろうエクスペリエンスを求めているから。どんなエクスペリエンスかというと、iPhoneやiPod Touchのように、情報が見たいと思ったときにすぐに見れるというエクスペリエンス。GoogleのChoromeOS搭載のネットブックは7秒という驚異的な立ち上がりの速さを実現するみたいけど、7秒でも遅すぎ、1秒前後で立ち上がってほしい、というような使い方ってあると思う。それを実現してくれたのがiPhoneやiPod Touch。そのエクスペリエンスのまま、もっと大きな画面になってほしいと思うわけだ。さらにいえば、Appleは、iPhoneやiPod Touchのエクスペリエンスを超えるエクスペリエンスをタブレットで実現してくれるのではないか、という期待がある。だからAppleのタブレットを購入したいと思っている。
米Fortuneの記事Next year’s iPhoneから
ネタ元は投資会社Piper JaffrayのGene Munster氏。来年発売の次期iPhoneはこうなる、という予測。
(1)ベライゾンから発売になる。
そうですか、でもあんまり関係ない。
(2)電池が長持ち
ポータブルのMacに長持ちする最新の電池が使われたらしいんだけど、それをiPhoneにも投入することで、一度充電すれば1日以上持つようになるという予測。
(3)おサイフケータイ搭載
日本のFelicaが使われるのかどうかは分かんないけど。
ここから僕の予測。
夏に地図の会社を買ったし、秋には地図のエンジニアを募集したし、次期iPhoneの目玉は地図になると思っている。日本の業界内でもそんなうわさがちらほら聞こえてくるし。
最近このブログのアクセス解析を見ていると、かなりの部分のアクセスがTwitter経由で来ている。検索経由のアクセスを大きく引き離しているのが現状。今後アメーバやグリーのTwitter風ミニブログが普及すれば、同様の影響がかなり広範囲なサイトに出ることは簡単に予想できる。ということは、検索エンジンの上位に表示させるための取り組みであるSEO(検索エンジン最適化)は、その有効性を失いつつあるということなのだろうか。
そんなことを考えていたら、シリコンバレーの有力ブロガーのRobert Scobleさんの2010: the year SEO isn’t important anymore?を書いていたので面白く読んだ。
やはりScobleさんもSEOの重要性が低下していると感じているようなのだが、その根拠が僕と少し違う。彼がそう感じるのは、例えば彼が住むHalf Moon Bayの寿司レストランを検索したところ、SEOをやってそうもない寿司レストランが検索結果の上位に表示されるのだという。SEOに取り組んでなくても上位に表示されるサイトが増えているというのだ。
アメリカのGoogleでは、検索結果のページの真ん中にリアルタイムボックスとでもいうべきTwitterやGoogle Newsの検索結果が表示されるところがあるんだけど、そこはもちろんSEOでどうにかなるものでもない。
でもそれ以上に従来からあるSEOだけではどうにもならないくらいにGoogleのアルゴリズムが進化しているのだと言う。
there’s something deeper going on. Google has built systems that aren’t Page Rank controlled anymore and are giving far better analytics to small businesses than they did a year ago. They know a LOT more about your behavior now other than you clicked on a link, even to the extent that they know whether you called that business or bought something and THAT is changing the skills SEO/SEM types need to have.
より深いことが進んでいる。GoogleはPage Rankでコントロールされないシステムを構築した。1年前に比べ中小企業にとって、より優れたAnalyticsが提供されている。Googleはリンクをクリックするということ以上のことを知っている。どのお店に電話し、何を買って、とかいうことも分かるようになってきている。SEOやSEMの担当者に必要なスキルが変わってきているんだ。
new breed is going beyond just search engines to provide holistic systems that find and track customers not only on search engines like Google and Bing, but on social networks like Facebook and Twitter.
検索結果を最適化するだけじゃだめで、検索エンジンに加えFacebookやTwitterのようなソーシャルネットワークを含むより全体的な取り組みというものが必要になってきてますよ、という話だ。
もちろんこれはアメリカでの話。引き続きTechCrunchのインターネット広告の未来: メディアはもはやメッセージではない,人がメッセージなのだ の解説。
Goldstein氏は、広告代理店、メディア企業、広告主が、それぞれ抱えている課題を指摘している。
まずは広告代理店の課題。
僕は「すべてのメディアはソーシャルメディアになる、コミュニティになる」って言い続けてるんだけど、そうすると「いや、コミュニティって儲からないんだよ」という反論がコミュニティ運営者から寄せられることがある。「コミュニティを運営したことのないお前に何が分かる」という上から目線があったりするんだけど、僕からすれば、こうした反論が出るということは、この運営者が何のビジョンも持たずに運営していることの証拠だと思う。多分、たまたまコミュニティを始めて、たまたまある程度の規模に成長しただけなんだろう。
特に従来型メディア企業の関係者に、こういうタイプが多い。自分たちの仕事はコンテンツを作ること。サイトを作ること。それをどうマネタイズするのかは、広告代理店の仕事、広告主の仕事で、自分たちの仕事じゃない。そう考えるから、ただ広告枠を提供するだけで、それ以外のことに頭を使おうとはしないのだろう。
少なくともFacebookなどの新興オンラインメディア関係者はそんな風には考えない。コンテンツを作り、それをマネタイズする手法まで、自分たちでいろいろ試行錯誤を続けている。