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ホンダ技研工業が運営するミクシィアプリ「Ole!Ole!CR-Z」が17日、総ユーザー数で60万を超え、ミクシィアプリ全体でトップ10入りした。
これはホンダが投入するハイブリッド型スポーツカーCR-Zのプロモーション用アプリで、利用登録を済ませ、かつニックネームに「CR-Z」という文字列を加えることで、CR-Z(1台)などが当たるキャンペーンにノミネートできるというもの。キャンペーンは3月31日まで。18日20時現在、登録ユーザー数は63万人を越え、ランキングは9位と日々成長を続けている。
このアプリ、単に「抽選に応募できる」だけということであれば驚くに足らないかもしれないが、ニックネームに商品名を追加するという大胆な条件下で、急速にユーザー数を伸ばしていることに注目が集まっている。目玉のCR-Zは1台なので、当選確率はかなり低い状態にもかかわらずである。
その秘密は「支援」という機能にあった。マイミクと協力しあうことで、当選倍率が変動するという仕組みが投入されているのである。当選確率を高めたいユーザーは、ニックネームにCR-Zを挿入し、マイミクにこのアプリの利用を勧める。マイミクがアプリを利用したり、ニクネームがCR-Z化すると確率は変動する。支援ボタンを押すと相手にサイコロボーナス(ふった数が確率に加算)が付与される。このように“支援”という軸で、互いの倍率を高めていく仕組みになっている。
筆者の場合、現段階で513倍。マイミクのアプリ利用率は20%で、ニックネームにCR-Zを含めているのはそのうち半分。毎日誰かしかの支援を受け、こちらからも支援を実施している状態。さらに、ここ最近は「一緒にCR-Zの当選倍率を高めましょう」というマイミク追加依頼が後をたたない。3月31日のキャンペーン終了に向け、勢いは日に日に増している印象だが「プレゼント目的」とはいえない雰囲気がある。みんな支援のためにアプリを使用している。相互支援がこのキャンペーンの本質といってもいいだろう
このようにソーシャルグラフを活用しニックネームまで変えてもらうという大胆な手法は、日本国内ではもちろん、海外の事例をみても見られないのではないだろうか。この成功は、他のPRでも踏襲する流れが生まれるのは必至だ。遂にソーシャルアプリがバイラル型PRで活用できる時代が来たのである。
(憶測に過ぎないが3月1日にソニーが公開したミクシィアプリ「みんなのフォトライフ」は、Ole!Ole!CR-Zに影響を受けたのではないか?と思われる要素が多々見受けられる。)
しかしながら、この企画を担当した、本田技研工業 営業開発室 マーケティング戦略ブロック 主任 原寛和氏は「実は、こんなに利用者が増加するとは思ってみなかった」という。今となってみれば、この企画に込められた多数の試みが功を奏したことがわかってきているが、一体、その「仕掛け」とな何だろうか?
というわけで、原氏へのインタビューを別エントリーでお伝えする予定なのでご期待ください。
[公式 Ole!Ole!CR-Z (要mixiログイン)]
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1990年より執筆およびネットメディアクリエイターとして活動を開始。
週刊アスキーを初め、日経BP、インプレス、毎日コミュニケーション、ソフトバンク、日経新聞など多数のIT関連雑誌で活躍。
独立系R&D企業のマーケティング部責任者の後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの立ち上げに参画。
ネットエイジでコンテンツディレクターとして複数のスタートアップに関与。ニフティやソニーなどブログ&SNS国内展開に広く関与。
現在、複数のメディア系ベンチャー企業にアドバイザー・開発ディレクターとして関与。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。
書き手として、また実業家として長年IT業界に関わる希有な存在。twitter:maskin詳しいプロフィールはこちら。
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