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米ネット広告の7割がモバイルに=「パソコン向け広告は枯渇」米Borrell社【湯川】

 マスメディア広告からインターネット広告へのシフトが急速に進んでいるが、米調査会社Borrell Associatesによると米国ではネット広告が今後、モバイル広告へとシフトし、2014年にはモバイル関連がインタラクティブマーケティング費全体の7割を占めるようになるという。

 モバイル広告の可能性は早くから指摘されているが、ここまでの急拡大の予測はこれまでになかった。

▼「パソコン上の消費者向け広告市場は枯渇する」

 Borrellが近く発表するモバイル関連の報告書からの予測として米AdvertisingAgeが報じたところによると、位置情報をベースにしたモバイル関連の支出は2009年の3400万ドルから2015年には40億ドルにまで膨れ上がるという。広告、販売促進、イベント、調査などを含めるとモバイル関連の費用は2014年には560億ドルとなり、インタラクティブマーケティング費用全体の70%に達する見通しという。

Borrell, in fact, projects in its upcoming mobile report that location-based mobile spending will hit $4 billion in 2015, up from $34 million in 2009. Including ad spending with promotions, events and research, Borrell estimates mobile as a whole will dominate U.S. interactive marketing spending as soon as 2014 with 70% share, or $56 billion.

 ここまでモバイルに急速に傾注するとはにわかに信じられないが、BorrellのKip Cassino氏は「これまでポイント・オブ・パーチェスと呼ばれていたものもモバイル広告と呼ばれるようになってきた。モバイルは店舗の延長だ」「パソコン上の消費者向け広告の需要は枯渇する」と語っている。

“The demand for stationary computers is going to dry up on a consumer level,” Mr. Cassino said.

 要は、広告、販促、サイネージ、チラシといった分類ではなく、位置情報に基づくマーケティングメッセージの配信をすべて「モバイル」という定義にするということらしい。Twitterも位置情報配信が可能になったし、Facebookも位置情報関連の機能を4月に発表するとみられている。こうした位置情報に関連するマーケティングメッセージをスマートフォン、タブレット機器、小型ゲーム機、カーナビなどを受信することがすべて「モバイル」という定義に入るため「ほとんどすべての広告マーケティングがモバイルベースになる」という考え方のようだ。

 ただ実際に位置情報に基づき地域を定め、その地域内にユーザーが入ればメッセージをモバイル機器などの配信するという4ヶ月間の実験を行ったところ、79%のユーザーが特定の店舗の再訪率が高まったと答えており、65%のユーザーが実際に購買に至ったという。位置情報をベースにした広告マーケティングが大きな可能性も持っていることは事実だろう。

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