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▼米では結構売れているみたい
Appleの正式発表によると、4月3日の発売以来28日間で既に100万台が売れたという。iPhoneが100万台を突破するのに74日かかったというから、iPhoneの倍以上のスピードで売れているということになる。(関連記事:iPad発売後28日で100万台突破=iPhoneの倍の速さで記録更新)
当初予測では6月までに130万台売れるという推計があったが、大幅な上方修正が必要になりそうだ。
でもこれはiPhoneの使い勝手のよさからくるAppleブームが背景にあるんじゃないだろうか。iPhoneの衝撃的なすばらしさをiPadにも期待してiPadに飛びつく人が多いのだと思う。
日本ではiPhoneはゆっくりと売れていったけど、本当にいいものってクチコミでゆっくり普及していくもの。ゆっくり普及する製品ほど、本当にいい物だと思う。
なので発売後爆発的に売れているからといって、iPadが必ずしも優れた製品とは限らないと思う。
▼個人的使用感
米国の友人からiPadを送ってもらってしばらく使ったんだけど、画面の大きいiPod Touchというのが今の正直な感想。
iPhone、iPod Touchを使ったことのない人にとっては衝撃的な製品かもしれないけど、使ったことのある人にとっては画面が大きくなっただけのことだと思う。
もちろん画面が大きくなることで、情報の一覧性が増すので見やすくなるけど。(関連記事:iPad入手1週間、外出時に持ち歩かなくなった)
▼コンテンツがすべて
パソコン向けのコンテンツぐらいしかiPadで見れないのなら、iPadって言わばキーボードを取り除いたノートパソコンのようなもの。みんな大騒ぎしているが、それだけのデバイスだ。
本当のiPadの魅力を引き出すのは、ハードではなく、コンテンツである。iPadの成否を決めるのは、iPad向けにどんなコンテンツが載ってくるかなのだと思う。(関連記事:iPadというタブレット型メディアと、アプリになる広告)
iPadはものすごい勢いで売れているので、コンテンツ保持者はほかのどのタブレット型デバイスよりも、まずiPad向けにコンテンツを開発してくるだろう。その点で、iPadは有利だ。
ただ本当にiPad上で利用されるコンテンツにするには、ユーザーに受け入れられるような価格設定と使い勝手にしなければならない。問題は、スティーブ・ジョブズ氏が考える「ユーザーに受け入れられる価格と使い勝手」のイメージと、コンテンツ保持者が考えるイメージに隔たりがあるということだ。iPad上で売れるようにするためには価格を下げろ、と言われても、これまでの価格設定との整合性を考えないとならないコンテンツ保持者は、すぐには首を縦に振れないだろう。(関連記事:iPad発売に向けたコンテンツ提供者との交渉難航=今回はAppleの神通力も通じない?)
▼日本ではコンテンツが出揃うのはまだ先
それでも米国にはスティーブ・ジョブズ氏がいる。Appleのトップ自らがコンテンツ保持者を説得して回っているので、いくらかコンテンツは揃うだろう。
問題は、スティーブ・ジョブズ氏のいない日本である。コンテンツ保持者が自分のペースでコンテンツをiPad向けに開発するのなら、スティーブ・ジョブズ氏が考えるような価格設定、使い勝手のコンテンツにはならないだろう。iPadに合った価格と使い勝手のコンテンツが無数に登場し、iPadのようなタブレット型機器が広く普及するようになるまで、特に日本ではまだしばらくかかるように思う。(関連記事:日本が2年以内に電子書籍元年を迎えることはない)
▼iPad、だれが買うべき?
なので発売同時にiPadを購入することは、あまりお勧めできない。
ではだれが今、買うべきなのか。
買うべき・買ってもいい人
買うべきは、ガジェット好きな人。というより僕がお勧めするまでもなく、ガジェット好きな人は買うと思うけどw。触っていて楽しいガジェットなので、ガジェット好きな人なら買っても損はないと思う。
IT関連、メディア・広告関連の人。時代の大きな潮流をつかむために買ってもいいと思う。特に開発者はiPadを買ってiPad向けアプリを開発してもらいたい。(関連記事:開発者目線でiPadを触って初めて分かった10の事実【時仲】)
iPhone、iPod touchを持っていない人。iPhoneを持っていない人には衝撃的なデバイスになると思う。なのでコンピューターを持っていない好奇心旺盛な親世代にプレゼントするのもいいかもしれない。ただ遠く離れて住む家族には、ビデオチャット機能付きのiPadが開発される可能性があるかもしれないので、もう少し待ってもいいかも。
【5月28日発売決定】
日本でもiPad Wi-FiはオンラインのApple Storeで、iPad Wi-Fi およびiPad Wi-Fi + 3Gは Apple直営店とiPad正規販売店を通じて販売されることが決まった(発表文)。