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グリーはマザーズから東京証券取引所一部に6月8日に上場した。また本社も4月に六本木ヒルズに移転したこの夏、六本木ヒルズに移転予定だ。東証一部上場は「今後何かあったときに資金調達がしやすいように」、六本木ヒルズへの移転は「500人から1000人の企業になるために」と田中良和社長はその理由を語る。今は百数十人規模だから一挙に数倍を目指していることになるわけだ。
何のための資金調達、何のための規模拡大かと聞くと、田中氏は「秘密」というが、CFOの青柳直樹氏は「グローバルがこれからのキーワード」と言う。モバイル、ゲーム、それにコンテンツとプラットフォームの一体、などの面で日本は世界に先行している。そのアドバンテージを活かして海外に進出していきたいという。その話ぶりから、具体的な戦略案は既に存在すると見た。近い将来にグリーは大きな賭けに出るのではないだろうか。
グローバル戦略の詳細も「秘密」(田中氏)だが、中国、米国にオフィスを構えて「一緒に世界を目指す仲間を探している」ようだ。
どのような形の事業で世界的な会社になろうとしているのか。田中氏は言う。「ゲーム会社を目指しているわけじゃないが、純粋なSNSだと世界展開しづらい。そこでおもしろいゲームをテコに世界を目指す。過去にも成功したゲーム会社の例もあるので、ゲームという切り口でなら世界展開しやすい。今後も日本発でプラットフォームはできないわけじゃない」。
モバイルのゲームのプラットフォームとしては、米AppleがiPhone上のソーシャルゲームのプラットフォーム「GameCenter」事業に乗り出した。グリーの世界展開の前に立ちはだかるのではないか。青柳氏は言う。「過去にもKDDIと協業でお互いに伸びてきた。各国の状況を判断しながらうまいやりかたがあるはず」。KDDIとの協業のような形をAppleとの間でも模索できるかもしれない、ということだ。
さて読者のみなさんは、インタビューのビデオを見てどのように思われただろうか。わたしはグリーが既に明確な戦略を持っているような気がする。田中氏が「秘密」とはっきり言うその言い方には、方向性が定まらない自信のなさはない。
資金を調達し、事務所を拡大する背景には、大きな勝負に出る用意が整い始めたということがあるのではないだろうか。
10分程度の短い動画インタビューですので、ご覧下さい。
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