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ところがある程度のフォロワー数を確保している企業でなければ、セール情報配信による高い効果を期待できないのも事実だ。そこでTwitter社自身がセール情報のアカウントを開設し、フォロワー数の少ない企業に代わってセール情報を配信するという事業を始めるもよう。
株式会社ループス・コミュニケーションズの斉藤徹さんが詳しいレポートをあげてくれた。【湯川鶴章】
株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役
斉藤 徹
ツイッターの収益化がさらに加速しそうだ。
最初の収益源は全ツイートにアクセスできるAPI(通称ファイヤーホース)の提供だった。2009年10月のGoogleを皮切りに,Bing,Yahooと立て続けに契約。推定30億円とも言われる巨額の年間ライセンスを獲得し,黒字化に成功した。
続いて2010年4月,ツイッター初の広告サービスとして話題になったPromoted Tweetsを開始,さらに2010年6月には,その付加オプションPromoted Trendsもスタートさせた。
また2010年5月には,企業向けサービスBusiness Centerが実験的に開始されたとMashableが報じている。
【関連記事】
・ ツイッターに新しい収益源,広告トレンド “Promoted Trends (6/12)
・ ツイッターが企業向けサービス,Twitter Business Centerを限定的に開始 (5/12)
・ ツイッターが開始した広告事業,Promoted Adsに関する多面的な考察 (4/14)
・ Twitter社が全ツイートにアクセスできるAPIをベンチャーに開放!その真意を探る (3/2)
そして2日前,さらなる広告系収益源が開始されるとのニュースが ReadWriteWeb(元記事) に掲載された。その名もEarlyBird(米国では開店と同時に来る客をEarly-Bird Customerと呼ぶ)。非公開ユーザーだが,すでにアカウント(@earlybird)は開設されている。
記事によると,このEarlyBirdは限定商品を提供する総合アカウントになるようだ。Dell Outletが2年あまりでアウトレット商品を6億円以上売上げたのは有名な話だが,これはDell Outletが100万人以上のフォロワーを持つことに起因している。
おそらくこのEarlyBirdサービスは,そのような大規模アカウントを持たない企業でも,すぐに限定商品販売やタイムセールができるような有償窓口を提供することにあるのだろう。そしてこれは大きなトレンドになるであろう「フラッシュ・マーケティング」に通じるサービスだ。
【参考記事】
・ Ron ConwayがSV Angelに$20Mを投資–これから伸びる「三大メガトレンド」を語る (TechCrunch, 4/23)
例えば @EarlyBirdElectronics,@EarlyBirdBooks,@EarlyBirdMusic などとの製品別展開や,@EarlyBirdNewYork,@EarlyBirdTokyo などと都市別展開などの応用パターンが考えられ,その意味ではGrouponの競合サービスにもなりうるものだ。
【参考記事】
・ 創業2年で売上300億円超,利益40億円超。ソーシャルコマース”Groupon” 成功の秘密 (5/6)
ちなみに,ReadWriteWeb記者がEarlyBirdについてTwitter社に問い合わせたところ,次のようなメッセージ(太字部分)が返って来たとのことだ。
Carolyn Penner, friendly communication contact at Twitter Inc., said to us by email after publication: “There are interesting things in store for @earlybird. Keep waking up early and you might be the first to find out what they are.”
それにしてもツイッターの収益作戦はよく練られている。ファイヤーホース提供,Promoted Tweets,Promoted Trends,Early Birdと,いずれもユーザーの利便性を高めながら,実に自然に,かつ迅速に収益化をすすめている。このビジネス感覚は大いに見習いたいところだ。
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著者プロフィール:斉藤 徹 (さいとう とおる)
株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役
2005年が創業。国内での企業向けSNS構築分野でトップシェアです。
(ミック経済研究所,アイティーアール社 2008年調査にて)
現在は,企業コミュニティを単体で捉えるのではなく,多様なソーシャルメディアと有機的に結びつけ「クチコミ動線」を設計・構築・運用するコンサルティング・ファームとしての色合いを強めています。
書籍・コラム・ブログは個人活動ですが,ビジョンとノウハウは,ループス社員一同で共有しています。創業テーマである Socialmedia Dynamics を見つめながら,ソーシャルメディアやクラウドソーシングの分野で高い専門性を磨き続けたいと日々励んでいます。(といっても全く堅い人間ではないです。 特に夜は柔らか過ぎと定評です)
Twitterアカウント toru_saito
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これはすごくいいアイデアだと思う。思うんだけど、これだといつまでたっても企業のフォロワーが増えない。Twitterマーケティングの最大の目的は、顧客との関係強化と顧客のニーズ読み取りであるべき。こうした目的を目指さずに、セール情報だけを発信しても仕方がないんじゃないか。金額にもよるだろうけど、場合によってはテレビCMのほうが効果があるんじゃないだろうか。
セール情報も流せてその結果ユーザーとの関係も強化できる、みたいな仕組みならすごいんだけど。
そういう仕組を構築できれば、Twitterって主婦層とかで大ブレークするような気がするなあ。【湯川鶴章】