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米ソーシャルゲーム大手のZynga Game Networkがソフトバンクから1億5000万ドル(約137億円)の出資を受け、ソフトバンクとの合弁会社「ジンガジャパン」を設立することになったことは、先に報じた通り。ジンガジャパンは、米Zynga同様にコンテンツプロバイダーとしてSNSにゲームを提供する立場に主軸を置くのか、それとも自らソーシャルゲームのプラットフォームを目指すのだろうか。
この件に関しては、実はほとんど情報がない。なので完全な憶測でしかないのだが、ソフトバンクはジンガジャパンを通じて、ソフトバンクの携帯電話サービス上でモバイルのソーシャルゲームのプラットフォームを作る可能性があるように思う。つまりグリーやモバゲータウンと競合するようなプラットフォーム事業に、ソフトバンクとジンガジャパンが参入しようとしている。そんな気がする。
そう考える根拠を並べてみたい。
(1)ZyngaはFacebookともめた経緯がある。
メディアパブは次のように伝えている。(関連記事:メディア・パブ: 破竹の勢いのZynga、仲良しだったFacebookとの関係が険悪に)
FacebookとZyngaは仲睦まじい関係と思われたのだが、最近は険悪な空気が漂い始めているという。やっぱりお金が絡んできたためか。 TechCrunchの記事によると、Facebookはバーチャルグッズの販売でFacebook Creditsの使用をZyngaに押しつけており、またその手数料の割合(Facebookの取り分)でもめているようだ。力を付けてきたZyngaとしては、Facebook一辺倒ではなくてもっと自主的にビジネス展開を繰り広げたいのだろう。ZyngaのFacebook離れを促す出来事も起こった。一本調子で増え続けていたZyngaのMAUが、今月に入って、以下のように2週連続、前月比でマイナスとなった。主要タイトルのゲームが軒並みアクティブユーザー数をかなり減らしてしまったのだ。
この背景に、ゲームの通知機能をFacebookが遮断したためと憶測されている。そこでZyngaはFacebookへの依存を軽減するために、独自(自前)のソーシャルゲームネットワークZinga Liveを準備しているようである。
(2)Appleがモバイルのソーシャルゲームプラットフォーム「game center」をiPhone上で展開
PC上のソーシャルゲームのプラットフォームは、FacebookなどのSNSが独占していているが、日本以外の地域はモバイルのソーシャルゲーム市場はまだ手付かずの状態。しかも今後ITの主戦場はPCからモバイルに移行することは間違いない。そこでAppleはモバイルのソーシャルゲームプラットフォーム「game center」を自ら運営しようとしている。(関連記事:モバゲータウンの前に立ちはだかるAppleゲームセンター【湯川】 : TechWave)
Appleのこうした動きを見て、ソフトバンクの孫正義氏はどう考えるだろうか。
(3)発表文の中の文言「いつでもどこでも」「ビジョンを共有」
今回の出資、合弁設立に関する発表文の中に次のような箇所がある。
インターネット・移動体通信事業と、ソーシャルゲームのそれぞれのリーディングカンパニーであるソフトバンクとジンガが手を組みサービスを提供することで、多くの新しいユーザーが、いつでもどこでもソーシャルゲームを楽しめるようになります。
この「いつでもどこでも」という文言から、モバイルの領域でソーシャルゲームを展開するつもりであることが分かる。
また孫正義氏のコメントとして、次のように書かれている。
「われわれは、ジンガとソーシャルゲームに関して同じビジョンを共有しており、両社で強力なチームを作ることを楽しみにしています。」
(1)からジンガのビジョンは自らがプラットフォーム運営者になることではないかと思う。また(2)のAppleの動きを見て孫氏もApple同様にモバイルのソーシャルゲームのプラットフォームを作りたい、と考えても不思議はない。もしそうであるのなら、両社は同じビジョンを共有していることになるわけだ。
つまりソフトバンクは、グリー、モバゲータウンに対抗するようなソーシャルゲームのプラットフォームを作ろうとしている。そうわたしは思うのだが、果たして。