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元マイクロソフトのTrower氏がロボットベンチャーのHoaloha Roboticsを正式発表【GetRobo影木准子】

 米マイクロソフトに長年勤め、同社のロボティクスグループの責任者だったTandy Trower氏が退社し、ロボットのベンチャー企業を設立していたことを今年4月に発見しブログに書いたが 、そのベンチャー企業「Hoaloha Robotics 」が13日、正式に発表された。「Hoaloha」とはハワイ語で「caring companion(思いやりのある仲間)」という意味で、新会社は「高齢者の生活支援ロボットの技術革新を促進するソフトウエアとサービスの開発に取り組んでいる」。

 新ベンチャーの具体的な商品、事業モデルは依然、不透明だが、Hoalohaのサイトによると、

Beginning with features and functions already commonly included in today’s personal computers and adding autonomous mobility and a few additional components with innovative applications and a human-centric interface design, the Hoaloha design will not only take existing PC experiences directly to the user –wherever they are – , but also open up new ways for individuals to stay connected, informed, and entertained while improving safety and access to remote services.

The Hoaloha application framework will also provide integration of discrete technological solutions like biometric devices, remote doctor visits, monitoring and emergency call services, medication dispensers, on-line services, and the increasing number of other products and applications already emerging for the assistive care market. In addition, because the design is also based on wireless PC technology, the Hoaloha solution will provide a bridge to the existing digital and Web-enabled world.

Finally, at the heart of the Hoaloha design is its ”human-centric” user interface. Designed to leverage and integrate natural interface modalities like speech, vision, and touch technologies, its interface is designed to be socially interactive and easy to use.

 要約すれば、「今日のパソコンの機能に自律移動機能と革新的なアプリケーションを実現するコンポーネント、そして人間主体のインタフェース・デザインを組み合わせることで、Hoalohaのデザインは、個人が他者とつながり、情報を入手し、楽しみながら、安全に遠隔サービスへのアクセスを可能にする」

 「Hoalohaのアプリケーション・フレームワークはまた、バイオメトリック・デバイス、遠隔医療サービス、モニタリング、緊急呼び出しサービス、薬剤管理といった従来は別個のソリューションを統合できるようにする。さらに、Hoalohaのデザインは無線パソコン技術を土台とするため、既存のインターネットの世界との橋渡し役を果たす」

 「Hoalohaデザインの中心には“人間主体”のユーザーインタフェースがある。音声や視覚、触覚といった自然のインタフェース様式を統合できるようにすることで、インタラクティブで使い勝手の良いものを実現する」

 今日のSeattle Timesの記事によると、新会社の社員はまだTrower氏一人で、 あとはインターンとワシントン大学の教授と共同研究を行っている。ハードウエアの会社と協力しながら、これから3-5年後に5,000-10,000ドルの価格で売れるような製品の開発をするのがゴールという。

 この記事の中でTrower氏は、同氏が心に描いているロボットは今のパソコンからそんなに大きな飛躍はなく、「really like a PC on wheels(車輪に乗っかったパソコンみたいなもの)」だと語っている。プラットホームを作ること自体は難しくないが、どんなアプリケーションをパッケージングし、ユーザーインタフェースをどうするかが課題だとし、マイクロソフトを退社前に、こうしたアイデアを幹部に提案したが、受け入れてもらえなかったとも明かしている。

 Hoaloha社は同日、フランスのロボット関連企業であるRobosoftと高齢者支援ロボットの開発で提携することも発表した。Robosoftといえばマイクロソフトとも関係が深く、介助ロボットの「Kompaï」を開発した会社だ。

 私の感想。とっても「PC-centric」な考え方で開発が進んでいるようだが、それでどこまで「売れるロボット」が実現できるのか、非常に興味深い。「車輪に乗っかったパソコン」のままでは売れないと思うが、真に有用なロボットを開発する過程で、これまで培われてきたパソコン技術を最大限に活用するに越したことはないので。高齢者支援ロボットの開発に取り組む動きは日本の外でも急速に進みつつあり、目が離せない。

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