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シリコンバレーのベンチャー企業、Neato Roboticsが新しい掃除ロボットを発売した。掃除ロボットといえば、日本でもおなじみのアイロボット社のルンバ。このルンバに初めて、対抗馬が出現したのだ。新掃除ロボット「XV-11」を購入し、使ってみた。
結論から言うと、とってもいいです!
我が家ではこれまで、2年前に購入したアイロボットの「ルンバ410」を使っていた。これも大好きだったのだが、複数の部屋が仕切りなくつながっている今の家に引っ越してからは使いにくくなってしまった。
我が家でXV-11のほうが使いやすい理由は大きく2つある。(なお、ここで注記しておくべきことは、ルンバ410というのは古い低価格のモデルで、日本では売られていない。XV-11は399ドルであり、本来なら、ルンバのもう少し上級機種と比較するべきなのだろうが、上級モデルと比較しても以下の理由は通用すると思う。)
1. XV-11はレーザレンジファインダという部品が搭載されていて、レーザーで部屋のマップを作りながら部屋をカバーするので、障害物を検知でき、ルンバのようにバーチャルウォールなどを使って移動区域を制限する必要がない。部屋を「ルンバ化」(ルンバが掃除しやすいように、家具を再配置したり、床に落ちたモノを拾ったり)する必要がなく、気軽にスタートボタンを押せる。
2. 掃除機本体の掃除が楽。ルンバはブラシにからまった髪の毛をむしり取るのがとても面倒で、つい手入れを先延ばしにしてしまう。
以下の動画で、レーザレンジファインダの威力が分かる。なお、レーザーのほか、家具などにあたったことを検知するセンサーが前方バンパーについている。
XV-11の動き方を見ていると、子供のころにした「塗り絵」を思い出す。塗り絵の上手な女の子は、まず絵の輪郭をきれいになぞってから、中を塗る。それと同様に、ロボットも壁、家具といった掃除すべきスペースの輪郭をまずなぞり、それからスペースの中を直線で行ったり来たりしてカバーする。
XV-11とルンバの経路の比較は以下の写真が分かりやすい。これは同社を今年1月に訪問した際に見せてもらった写真だ。左の2枚がNeatoのXV-11、右がルンバの動き方。
Neatoの日本における発売計画は未発表だ。Neatoにするか、ルンバにするかを決めるのは、生活空間と使い方によるだろう。部屋を1つ、ないしは2つずつ掃除すれば良いのなら、100ドル以下で買えるルンバで十分(日本では低価格バージョンは未発売だが)。また、ペットがいるお宅は、米国の人気ロボット・ブログBotJunkieが指摘するように、ルンバのローラー・ブラシのほうが、カーペットに落ちた抜け毛をきちんとピックアップしてくれそうだ。
個人的には今後、普段の掃除はXV-11に任せ、何かをこぼしたり、スミを重点的に掃除したい場合だけ普通の掃除機を使う予定だ。
アイロボット社が2002年にルンバを発売してから8年。同社が一生懸命、マーケティングに励み、「掃除ロボット」という商品を一般家庭に浸透させてきた段階で出現したライバル。これによってさらに掃除ロボットの市場シェアが広がるのか、またアイロボットがどのような対抗策を打つのかが注目される。
GetRobo(http://www.getrobo.com)発行人
日本経済新聞社で13年間、記者として働く。うち1997-2001年の4年間は同社シリコンバレー支局勤務。現在はシリコンバレー在住のフリーランス・ジャーナリスト。コンシューマー向けロボットの開発・市場動向に最大の関心があり、この分野の米国を中心とした海外における最新情報を「GetRobo Blog」などで発信している。
Robotics is the next big thing!