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[読了時間:1分]
スウェーデン・ストックホルム在住で、北欧Techというブログを運営している@Kohtanさんから寄稿していただきました。
サービスの詳細はTechWaveの記事等に譲るとして、結論から言うと、既存のビジネスモデルを引きずった残念なサービスと言わざるを得ない。
スウェーデン発でヨーロッパで爆発的な人気を誇るクラウド型音楽ストリーミングサービスSpotifyや、先日紹介したSonyのクラウドサービスQriocityとは、決定的に異なるのが、Amazonの今回のクラウドサービスは結局、自分で購入/所有している楽曲しか視聴できないことにある。SpotifyやSonyのQriocityは、楽曲を自らが保有するという概念をユーザーに放棄させ、クラウドにある膨大な楽曲(Spotify 1000万曲、Qriocity 600万曲)への無制限なアクセスを提供している。
つまり、Amazonは今回、クラウドサービスをリリースしたものの、楽曲単位で購入するビジネスモデルから、Spotifyのような定額聞き放題ビジネスモデルへの転換には至らなかったのである。
おそらく理由はシンプルで、AmazonはEC事業でのmp3やCDの売上の減少を恐れたのであろう。したがって、iTunesでの楽曲販売で大きな売上をあげているAppleのクラウド音楽サービスも、今回のAmazonのようなものとなってしまう可能性が高い。しかし、音楽サービスへの参入が噂されるGoogleは、現在、楽曲販売を行っていないため、SpotifyやSonyのような無制限アクセルモデルを提供できるかもしれないと筆者は期待している。
これからの音楽消費の形は、楽曲単位の購入モデルではなく、クラウドへの無制限アクセスモデルであると、Spotifyが圧倒的に普及している北欧・スウェーデンで筆者は確信している。映像作品に関しては、これまでのようにコンテンツごとの購入やレンタルというビジネスモデルが可能であろうが、音楽に関してはもう消費者はそれでは満足しないであろう。(今回のAmazonのサービスは、映像コンテンツにこそ、その利点が生かされるかもしれない。)
■参考
AmazonがAppleやGoogleよりも先にクラウド上の音楽保存/ストリーミングサービスを開始(Tech Crunch Japan)
米Amazonが音楽クラウドサービス開始(Tech Wave)