iPhoneをシェイクすればTweetが漫画に 「Feel on!」がただ楽しいだけのアプリじゃない理由【湯川】

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 本日リリースされたTwitterクライアント「Feel on!」はiPhoneを振るだけTweetを漫画に変えることのできる楽しいアプリ。だがその楽しさの裏には、実は高い技術と将来性が隠れている。

 一見すると普通のTwitterクライアント。でもシェイクするとTweetが一瞬にして漫画の1コマのようになった。これは楽しい。

 しかしよく見ると漫画のキャラクターの表情が微妙に違う。どうやらTweetの中身に応じて表情が変化するようだ。


 つまりTweetの中身を解析する技術が搭載されているわけだ。このFeel on!を開発した株式会社LisB (エルイズビー)は、日本語入力の伝説的プログラムAtokを開発したジャストシステム出身者が中心になった創業したベンチャー起業。日本語の解析はお手のもの、というわけだ。

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 自動的に140文字の内容を解析してくれるものの、より明確に自分の気持ちにそった表情のキャラクターにしたいときはTweetする際に好みの表情を選択することができる。相手もFeel on!を使っているのであれば、そのままそれが表示されるし、使っていない場合は画像ファイルとして添付されるのですべてのTwitterクライアントで見ることが可能だ。

ソーシャル広告のインフラになるか

 さてこれはこれで非常に楽しいのだが、わたしがこのアプリを高く評価するのは、実は別の理由がある。

 ソーシャルメディアマーケティングは「傾聴」「エンゲージメント」が主な使い方だと言われる。マスメディアのように「情報を伝播させる」という役割はあまり期待しないほうがいい、とアドバイスする人もいる。

 しかしわたしはソーシャルメディアにも「情報伝播」の力があると思う。いやマスメディア以上に伝播力があると思っている。友人の強い勧めは、なによりも購買意欲に影響すると思うからだ。

 ただその友人の「推薦」にうまくコマーシャルメッセージを乗せるのが難しい。キーワードで検索した消費者のメッセージにコマーシャルメッセージを自動的に載せれば、実はその消費者はその商品の悪口を言っていた、ということになれば逆効果になるからだ。なのでソーシャルメディアを商品情報の伝播には使えない、と一部で言われていたわけだ。

 その一方で消費者のメッセージの感情分析がうまくできれば、ポジティブな感情のメッセージを抽出し、そこに商品の情報を添えることができるはず。最近の米国のマーケティング関連の技術の動向を見ていても、この感情分析技術への注目度が高まっているようにみえるのはそのためだろう。

 この感情分析の技術が搭載されているので、このFeel on!というアプリがおもしろいと思うわけだ。さらに言えば、自動的な感情分析に飽き足らなくなったユーザーは、自分でキャラクターの表情を選んで情報発信するようになるだろう。自分で自分の感情を選択するわけだから、非常に正確な情報になる。

 今後はTwitterだけではなく、mixiボイスへの対応するというので、mixiの若い女性ユーザーの間でこのアプリが広く普及すれば、コマーシャルメッセージの伝播に利用可能なソーシャルメディアインフラが誕生するかもしれないと思う。

 ただ難を言えば、端末のスペック次第なのかもしれないが、動作が少々重いように感じる。わたしのようにTwitterを情報収集ツールとして使っているユーザーにとっては、かわいいデザインにしたいというニーズより、数多くのTweetを次々とスクロールダウンで流し読みしたいというニーズの方が強い。なので、サクサク動いて欲しい。でもまあこのアプリの想定ユーザー層が、友人とのコミュニケーションツールとしてTwitterを使っている若い女性だとすれば、この程度の動作感でもいいのかもしれないけれど。

 またユーザーのクリエイティビティが発揮できるように発展しても面白いと思う。選択肢の中から自分の気持ちに合ったキャラクターの表情を選ぶのではなく、自分でキャラクターの表情を指一本で簡単に微調整できれば面白いかも。

 将来的には、感情に沿った商品情報を消費者に喜ばれる形で追加するという仕組みが不可欠。これがなければ長期的なビジネスの成功はない。

 もっと楽しさを追加できるか、関連商品の情報を流す仕組みを持つ企業と組めるか。成否の鍵は、この辺りが握っているように思う。

復興支援のTweetを発信すれば、以下のような漫画になるようだ。

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デイブ・スペクターさんのTweetはこんな感じ。

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孫正義さんのTweetはこんな感じになるらしい。

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