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米Forbes誌の取材に対するSkypeの副社長(VP)のNeil Stevens氏の回答が興味深い。同氏は「もし思い通りのものが完成すれば、Windows Phone向けSkypeアプリは、ハードやソフトの制限がなければモバイル機器でここまでSkypeができるという可能性を見せることができるだろう」と語っており、Windows Phone向けに斬新なアプリを開発する考えであることを明らかにした。またFacebookに関しては「複数の製品を共同で開発する計画がある。われわれはFacebookのコミュニケーション戦略のキーパートナーになるだろう」と語っており、Facebookとも強力なスクラム体制を組んでいることを明らかにした。
MicrosoftがSkypeを85億ドルの巨額の資金で買収すると発表したのが5月。その後6月に、米国政府はこの買収を承認したが、ヨーロッパでは独禁法の観点からの検討が続いている。ヨーロッパで正式に承認されるまで製品開発などで具体的に動けないものの、年内にはヨーロッパでも承認されるだろうという前提で両社の間では既に協議が進められているという。
Skypeのアプリは、iPhoneやAndroid上でも無料でダウンロード可能。ただ同氏によると、iPhone向けアプリは、iPhoneのビデオプロセッサーやiPhoneの連絡帳機能にアクセスを認められなかった。Android向けアプリではスマートフォンの連絡帳データにはアクセスできたが、ビデオプロセッサーを使うことができなかったという。(注:このほどAndroid向けSkypeアプリもようやくビデオ通話が可能になった。関連記事:「Android」版Skypeがアップデート、ビデオチャットが可能に – CNET Japan)
SkypeがMicrosoft傘下になることで、こうした制限なく思い通りのサービスをWindows Phone向けに開発できるとしている。Stevens氏は、「アプリと感じないような電話機の一部のようなアプリを開発したい」と語っている。
またMicrosoftの持つオンライン広告の仕組みを利用して、その場で広告主の通話が可能な広告などを開発していきたいとしている。
一方でFacebookとも次々と各種サービスを共同開発していく考え。Facebookから一般電話や携帯電話へかけることのできる仕組みや、複数のユーザー間でのビデオチャット機能、Skype通話が可能なFacebookアプリなども順次リリースしていく意向。Facebookはこのほどメッセージング専用のモバイルアプリをリリースしたが、そのアプリの中にビデオチャットのプログラムが隠されていることが明らかになっている。これがSkype機能であることは間違いないだろう。(関連記事:Google+のHuddle対抗:Facebook、単体で使えるグループSMSアプリ「Messenger」発表 – ITmedia ニュース)、Facebook’s Messenger app hides a dirty little secret: Video conferencing | 9to5Mac | Apple Intelligence)
Facebook、Microsoft、Skype連合の動きが気になっている。主戦場がPCからモバイルに移行する中で、iPhoneを持つApple、Androidを持つGoogleという2大勢力に対し、Facebookがどう動くかに興味があるからだ。Facebook、Microsoft、Skypeが関連する記者会見は動画があれば必ず見るようにしているし、記事は片っ端から読んでいる。
Facebookが「すごい発表」と煽った7月のFacebook・Skype協業の発表でも、両社幹部がMicrosoftに関してどう語るのかを注意深く聞いていたが、FacebookのMark Zuckerberg氏はMicrosoftを単なる友好的な取引先の1社としかみなしていないような印象を受けた。特に3社でスクラムを組んでApple、Googleに対抗する、という感じでもなかった。
しかしそれはZuckerberg氏だけの態度で、どうやらMicrosoft、Skypeは、対Apple、対Googleとの戦いにFacebookとの関係を最大限有効に利用しようという考えのようだ。