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渋谷の外れにあるSPBS(SHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERS)。編集機能と書店を兼ね備え、制作から販売までを同じ場所で行う「本屋」として知る人ぞ知る存在です。
そのSPBSが、古書の売買「Share the Book」を始めたのが9月1日。単なる古本販売と異なるのは、売りたい人は自己紹介とともにその本に対するコメントを添えてSPBSに預ける点。その情報は、上の写真の通り、本のカバーに貼られ店頭に並びます。
買う人は本そのものだけでなく、前のオーナーのストーリー(ヒストリー)もシェア出来るわけです。気になる本を手にとって「誰のどんな本」かを確認するも良し、あるいは出品者を基準に選ぶのも、本との新しい出会いに繋がるかもしれません。
9/1のスタート時には、作家や編集者など業界で名の通った人に限って本の引き取りを開始。作家の川上未映子さんをはじめ、TechWave読者に近い所では、兼松佳宏さん(greenz.jp)、嶋浩一郎さん(編集者/博報堂ケトル)、松島倫明さん(『FREE』の編集者)なども参加しています。
最初に並べた本は順調に売れているそうで、10/1から出品募集を一般にも拡大しました。
お店の方に話を伺うと、添付するコメントとしては、本の内容紹介でなく、その本に関する個人的な想いや経験を添えてもらえると嬉しいとのこと。
本を実際に店まで持参する必要がある(郵送不可)点やコメントシートの入力など、少しハードルの高さはありますが、「想いと本をシェアする」というコンセプトに共感する人は、是非預けてみてはどうでしょうか。もちろん最初は買い手として来店するのもいいと思います。
・本と想いをシェアする本棚 “Share the Book”スタート!(出品方法などについて)
・Shibuya PUBLISHING BOOKSELLERS
・『Share the Book』のフェイスブックページ
実際に書店へ足を運んでみました。出品する本を実名入りで紹介するからか、不要な本を預けるというより、海外の小説や文芸批評、アート本など、「いい本」「レベルの高さを感じさせる本」を出している印象でした。
普通に書店に並べられる本であればジャンルを問わず受け付けるとのことだったので、私も昨年読んだソーシャルメディア関連やビジネス関連書を出品。少しは敷居を下げるのに役だったかもしれません(笑
また、メッセージとは不思議なもので、もしある人がこの書店に並んだものと同じ新刊本に対し、同じコメント(紹介文)をオンライン上や実際の書店で書いたとしても、その言葉も書籍も単なる「コピー」。
でもここで添えられたコメントは、モノとしてのその本自体に寄り添っているようで、メッセージにも本にも特別の価値を生み出しているように見えました。
写真家、広義の編集者。TechWave副編集長
技術やビジネスよりも人に興味があります。
サービスやプロダクトを作った人は、その動機や思いを聞かせて下さい。
取材時は結構しっかりと写真を撮ります。
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