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東日本大震災を契機に、SkypeやViberといったIP電話アプリを使用するようになったという声を聞くようになった。一般電話や携帯電話網が通話規制となっても、インターネット回線を利用して通話するIP電話ならその影響を受けず通話ができる。ただ、通話する人同士がそのアプリのアカウントを事前に取得しておく必要がある。“携帯電話の番号しか知らない相手” の場合、結局、通話ができないまま終わることも多いのが現実だ。
そんな中、創業3年目は「スマートフォンに注力」と公言し、携帯電話番号ベースのコミュニケーションにこだわり続けていたネイバージャパンはだまっていなかった。同社は10月4日、チャットツール「LINE(ライン)」に無料電話機能を搭載した。Wi-Fiのみならず、3G通信でも通話ができる。
IP電話の使用に特別な手続は不要。本日公開されたアップデート版(version1.3.0)をインストールすれば、これまで登録してきた友達にそのまま電話をかけることができる。グループでの通話はできず、1対1の通話に限定。この機能追加に伴いアイコンも変更されている。
使用してみて感じたのは軽快さ。IP電話アプリはどれも接続に時間がかかったり、アプリ自体が重かったりするが、サクサクと呼び出しがかかり通話も直ぐに始めることができる。IP電話にありがちな若干の遅延はあるが、話に支障が出るほどのレベルではない。また、ノイズが乗っているように思えたので「音質を犠牲にして軽快さを優先したのでは?」と感じたのだが、逆に音質向上チームを編成してその部分は手ぬかりが無いように注力しているとのことで今後に期待が持てそうだ。
好感が持てるのが、UIがこれまでのチャットベースから自然と融合されている点。チャットの流れの中に着信履歴などが流れるため見逃がしもない。このままボイスメモなどが可能になれば、Jumvoのような非同期コミュニケーションも可能になりそうだ。
今回のアップデート(v1.3.0)にはもう一つの目玉がある。それが絵文字やイラスト機能だ。チャットでの表現を拡張するための演出系素材が追加されている。また、先日は、APIを活用したbotとして、チャットのグループに友達として含めることで文字を翻訳してくれるサービスなども投入している。
ネイバージャパン 事業戦略室長 舛田淳氏は「LINEは、弊社のスマートフォン展開における唯一のグローバル戦略を持つ最重要アプリです」と説明する。
国内のAppStore無料ランキングで1位を獲得しただけでなく、クウェートやサウジアラビアといった中東地域でも1位を獲得。韓国やアメリカ、アジア、欧米圏でも利用者が急増しています、サービス公開から3か月(9月18日現在)で年内の目標値であった100万ダウンロードを達成、1日あたりのチャットメッセージ投稿数も100万券を突破。利用者の7割が女性で、リアルな友人との対話に使用されているということがわかっています。
これからも、リアルでクローズなコミュニケーションをより拡充することを第一に前進し、キャリアもデバイスも超えたグローバルメッセンジャーとして成長させたい。最終的には、コミュニケーションプラットフォームとして、この上にアプリケーションやサービスが乗っていくことも視野に入れています。(舛田淳氏)
LINEは、年内目標を300万ダウンロードに底上げし、10月中にはウェブブラウザ版、PCアプリ版の公開を予定。さまざまな施策で我々を楽しませてくれそうだ。
【関連URL】
・LINE(ライン)- グループコミュニケーションサービス
http://line.naver.jp
・App Store – NAVER LINE
http://itunes.apple.com/jp/app/line/id443904275?mt=8
・Android – NAVER LINE
https://market.android.com/details?id=jp.naver.line.android
筆者の周りの非IT系知人にLINEを進めると登録してくれる率がとても高い。 携帯電話番号をユーザーアカウントとするからなのだろうか。実際100人までグループチャットができる点など便利という声もある。コミュニケーションが多様化にするに従い期待値も高まりそうだ。舛田氏のいうプラットフォーム化が実現すると色々なことが考えられる。
ところで色々な条件で使用テストをしようと思ったのだが、意外な盲点。相手も電話対応版にアップデートしていないと通話できないのだ。当然だ。ただステータスアイコンでは判別できず、闇雲にコールするしかないようだ。
8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代は週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーでベンチャー起業に参画。帰国後、ネットエイジで複数のスタートアップに関与。フリーで関心空間、富裕層SNSのnileport、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。“IT業界なら地方で成功すべき”という信念で宇都宮市から子育てしながら全国・世界で活動中。emacs使い。イベントオーガナイザー・DJ・作詞家。 / ソーシャルアプリ部主宰。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。