「Firefoxは競合ではない」Chrome開発者が語る 【増田(@maskin)真樹】

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maskin

Editor In Chief at TechWave.jp

1990年代初頭から記者としてまた起業家としてITスタートアップ業界のハードウェアからソフトウェアの事業創出に関わる。シリコンバレーやEU等でのスタートアップを経験。日本ではネットエイジ等に所属、大手企業の新規事業創出に協力。ブログやSNS、LINEなどの誕生から普及成長までを最前線で見てきた生き字引として注目される。通信キャリアのニュースポータルの創業デスクとして数億PV事業に。世界最大IT系メディア（スペイン）の元日本編集長、World Innovation Lab(WiL)などを経て、現在、スタートアップ支援側の取り組みに注力中。

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[読了時間:1分]

　Firefoxを開発するMozillaの資金源の多くがChromeを開発するGoogleからのもの…しかし、ブラウザ競争が激化する中で “Googleは、Chromeの競合であるMozillaとの関係を継続しないのではないか” という憶測が流れたこの問題。結局、今後3年間、契約は継続することが決まったようだ(しかも増額という噂)が、“なぜ、競合に?” という疑問を感じている人も少なくないようだ。

　そんな中、GoogleでChromeプロジェクトに参加している開発者 Peter Kasting 氏が (Senior Software Engineer, Chrome UI team)この件に関しコメントした。

「ChromeとFirefoxは “素晴らしいウェブ” のために一緒に邁進している」

　同氏の発言は、米TechCrunchでお馴染みApple系ライター MG Siegler氏のブログparislemonに書かれた 「 Pay To Stay」に反論する形で投稿された。

　MG Siegler氏は、さまざまな憶測を並べながら「競合に金を出している」と結んでいるが、Peter Kasting 氏は「Googleの目標はシンプル。できるだけ早く、ウェブを前進させること。Mozillaは、多大なリソースをかけ、素晴らしいオープンソースのウェブブラウザを開発し、Chromeとは異なる設計で、異なる顧客に先進的なウェブ体験を与えている。だからGoogleとしても重要なプロダクトなのだ」と延べている。

　「共にウェブを前進させるパートナーだからこそ、十分な開発リソースが確保できるようにする」とまで言ったPeter Kasting氏。「結局、Google検索に誘導しているじゃないか」という批判や「1997年にMicrosoftがAppleに $150Mを投資した事例」など様々な意見が出ているが、確かにウェブはまだ進化の過程にあることを思えば納得できないこともない。

【関連URL】
・Peter Kasting – Google – Time for a small rant. Since I work on Chrome,
https://plus.google.com/114128403856330399812/posts/9dKsD7Mi7JU

蛇足：僕はこう思ったッス
Mozillaは、NCSA Mosaic、Netscape時代からの付き合い。マーク・アンドリーセン(現HP取締役)氏が1993Netscapeを立ち上げた直後くらいにウェブの進化について聞いたことがあるが、記憶しているのはシェアや機能どうこうではなく「ウェブそのものをもっと普及させ生活に浸透させることが大切」といったような壮大なビジョンを持ったれていた点。投資にはテクニカルな面も含まれるわけで、こうした投資スタンスを性善説で説明することに反論する人は必ずいると思う。一つ言えることはFirefoxが今後も進化するということ。僕はそれだけで嬉しい。やっぱり競争があるところに進化や成長が生まれると思う。

蛇足：オレはこう思う

　Googleって長い間、少なくとも表向きには「ビジネスは戦いだ」的な思想とは無縁のように活動していたんだけど、最近はGoogle Labを廃止するなど、営利企業的な一面も見えてきたと言われることが多い。僕自身も、最近のGoogleの経営陣がどのような思想なのかは正直つかみきれていない。

　ただ普通は、契約更新の期限までに契約がまとまらないときは、契約の条件面でもめていることが多い。一方が「増額してあげるよ」っと言っているのに、期限までにまとまらなかったって考えづらい。「いやあ、うっかりして期限が切れたことを忘れてたよ」。んなこともありえないw。

　マスキンはやはり善人だなあ。性善説的に受け止めるんだ。僕は、なにか大人の事情があったのかなと思ってしまう。

　でもFirefoxが今後も進化することがうれしい、競争はウエルカム、という考え方には、同意。（湯川）