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マインドパレットは2012年8月27日、アジアを中心に世界で人気となった写真アプリ「Snapeee」を全面リニューアル。バージョン2.0としてアプリを公開した。
「Snapeee」は当初から「日本のカワイイ」を世界に浸透させる考えがあり、日本発の文化であるプリクラ風のデコ機能に注目が集まったが、今回のリニューアルで「日本的なかわいさを、原点に帰って追求する」(マインドパレット 代表取締役社長 小林佑次氏) 方向で大きく舵を取る形となった。
“日本的なカワイイ” を見据えた前進
kobo Touch (ブラック) |
「Snapeee」は、2011年5月12日にiPhone版からリリース開始。日本発ながら海外でじわじわダウンロード数を増やし、日本のアプリスタートアップブームの火付け役となったアプリの一つ。
現在、利用者の80%がアジア圏で、台湾・香港・タイ・中国・シンガポールを筆頭とした8つの国でiTune App Store 無料ダウンロードで1位を獲得しており、世界に向けた新展開が期待されていた。
「Snapeeeリリース当初は、プリクラ風素材や原色系のテイストを多用することで、海外で認識されている「日本的なかわいい」を提示し、多くのユーザーを獲得することができました。
ただ慣れてくると、プリクラ風とはちょっと違うかわいさを求めて写真をアレンジし始めるという傾向があったので、このタイミングで当初から一番獲得したい日本の10代後半から20代の女性に受け入れられやすい方向にシフトし、これこそが日本的なかわいさだということを海外に提示したいと考えました」(小林社長)。
「Snapeee」がリリースされた2011年5月以降、多数の写真アプリが登場した。Snapeeeユーザー自身も写真加工技術がぐんぐん上達しているほか、それと並行して多くのモデルさんなどが「日本的なかわいい」のお手本になることでSnapeeeの方向性変更の要因になっていった。
Snapeeの未来
今回のリニューアルで、Facebookのウォール的な位置付けとなるプロフィールボードが追加され、単に写真を共有するだけでなく、自分の場所として写真を蓄積するアイデンティティ表現の場として変化した。また、アプリ内のアクティビティによってポイントが蓄積されるようになる。これはSNSとしてのSnapeeeを活性化させるための潤滑油として機能させたい考えだ。
さらに、公式アカウントやタイアップ展開も少しずつスタートする、現在はPEACHJOHNや松竹株式会社「映画ひみつのアッコちゃん」などのアカウントが随時更新予定。
「Snapeee」はUIを含めたシンプルさが大きな売りとなっていたが、このリニューアルにおいて、現在の日本の文化を切り取ると共に、Facebookや競合アプリの浸透によりユーザーベースが変容したことにあわせてより高度な方向で進歩した。FacebookやLINEが歩む方向と似てたいる面もあるが、そもそもSnapeeeは描く絵が異なるのも事実。
小林社長は語る「バーチャルなデータだけでなく、国を超えてリアルなかわいいコンテンツまでやりとりされる場にしたい」。創業から一貫して主張し続ける彼のビジョンは、果たして写真アプリという枠を打ち破れるだろうか。
【関連URL】
・Snapeee
http://snape.ee/ja/
・ソーシャルアプリ、Webコンテンツの企画・開発|株式会社マインドパレット
http://mindpl.co.jp/
・日本発だからこそ世界で戦える!「Snapeee」世界展開加速 マインドパレットがグリーと伊藤忠テクノロジーベンチャーズに第三者割当増資を実施【増田(@maskin)真樹】
http://techwave.jp/archives/51711413.html
・日本発だって世界と戦える! ソーシャルプリクラ「Snapeee」がアジアで躍進 【増田(@maskin)真樹】
http://techwave.jp/archives/51664596.html
・みなさん大変です! 「Snapeee」でiPhoneがソーシャルプリクラになっちゃいました【増田(@maskin)真樹】
http://techwave.jp/archives/51662121.html
Snapeeeは、LINEと同じようにリリース当初に関心を持たれなかった。そんな逆境の中、「日本のかわいいを世界へ」というビジョンを掲げつつも、当初からスマホネイティブという考えを持ち、着実に世界への一歩を踏み出した。
Snapeeeは、写真共有アプリという位置付けでカテゴライズされ続けているが、機能や素材云々で比較することができない長期的ビジョンがあるのを忘れてはならない。小林社長は、今回のリニューアルを「そういった多様な展開をするために必要だった」と言う。技術畑でありながら、マーケティング分野へ関心を持ち、野心的に進歩し続ける彼らの今後に注目して行きたい
8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ネットエイジ等で複数のスタートアップに関与。関心空間、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。TechWaveの活動タグは創出・スタートアップ・音楽・表現・ミディアム・子ども・日本・世界・共感。