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アイスタイルがインドネシアでデジタルマーケッティング会社を設立、その理由と目的は? 【増田 @maskin】


[読了時間: 2分]


 累計1000万口コミを誇る国内最大の化粧品・美容の総合サイト「@cosme(アットコスメ)」を運営するアイスタイルは2012年9月12日、シンガポールとインドネシアに海外現地法人を設立すると発表した。

 シンガポールの拠点は、アイスタイルが東南アジア全域でアライアンスや投資事業展開を行うヘッドクォーターとして100%出資の子会社となり、同社取締役 兼 COO 髙松雄康氏が代表に就任する。

 その展開第一段としてインドネシアに設立する新会社は「PT. Creative Visions Indonesia (仮)」というデジタルマーケティング事業を展開するものとなる。代表者には、博報堂→CA役員→エルゴブレインズ社長→スパイスボックス社長→CCC役員を歴任し、すでに現地で事業を展開している宮田徹氏が就任する。

 アイスタイルでは、2012年5月にアジア事業のHQとして香港拠点を、7月に化粧品メーカーへの輸出入、販売、マーケティング支援 をする上海拠点を設立している。なぜ、東南アジアの第一歩がデジタルマーケティング事業になるのか同社 取締役兼CFO 菅原 敬氏に話を伺った。

インドネシアは「2000年当時の日本のインターネット環境そのまま」


 「東南アジアは生産国から消費国へ変貌している最終で、日系・欧米系問わず、多くのメーカーが参入しています。

 反面、普及率の高いスマホをベースにFacebookなどのSNSが発達しながらもデジタルマーケティングがまだまだ未発達で、それを僕達は「2000年当時の日本のインターネット環境」そのままだ!と捉えらえています。

 ですから今回は、特に化粧品クライアントにこだわらず、東南アジアのインターネット環境急成長の流れに任せて、オールクライアントをターゲットに「ピュアにデジタルマーケティングを追求する」ことに徹し、アドネットワーク、SEO/SEM、デジタルマーケティングソリューション、デジタルキャンペーンにおける各種制作業務を幅広く手がけたいと思っています」(菅原氏)

【関連URL】
・海外現地法人2拠点(シンガポール・インドネシア)設立のお知らせ[istyle 株式会社アイスタイル]

http://www.istyle.co.jp/2012/09/sg_in.html

蛇足:僕はこう思ったッス
東南アジアは、経済成長がますます望める地域として消費財メーカーを中心に世界から注目を浴びている地域。中でも成長著しいインドネシアの (僕が主催したインドネシア勉強会レポート、その他のインドネシアレポート)は、人口2億4000万、インターネットはモバイルとネットカフェベースと普及率もまだまだながら、一時はFacebook利用者世界2位に位置付け、多数のITスタートアップが登場。特に中間層の消費が活発と見られECサイトが急成長、日本IT業界からは楽天やサイバーエージェントベンチャーズなどが参入していた。
ただ一方で未成熟な部分が多く、日本からの参入はノウハウと知識が必要という意見もあり、そういう意味ではアイスタイルの今回のスタンスは適切だと思うし、実力者が代表を務めるとのことで今後に期待したい。
著者プロフィール:TechWave副編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
 8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ネットエイジ等で複数のスタートアップに関与。関心空間、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。TechWaveの活動タグは創出・スタートアップ・音楽・表現・ミディアム・子ども・日本・自然・世界・共感。[生き残るスタートアップ、消えてしまうスタートアップについての長めの雑感] [「イケてる」サービス企画についての雑感、突き抜けるスタートアップについて ]

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