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熱気あふれる「MOVIDA Demo Day 2nd」 レポート (後編) 【増田 @maskin】 #mjstartup


[読了時間: 2分]

 「MOVIDA Seed Acceleration Program」参加スタートアップの中から選抜された8チームのプレゼンテーションイベント「MOVIDA Demo Day」の後編4チームのサマリーをお伝えする。 (前編はこちら)

洗練されたビジネスモデルと優秀なチーム


 前編を終えて感じたのは、多くのチームが深くプロダクトの可能性を追求し、ユニークな商品になっているという点。ビジネス展開については、チームによって差があるものの、ある程度の具体的数値をベースに思案しているため現実感があった。というわけで、後半4チームのレポートをどうぞ。

「Beatrobo」


サービス

米国に設立した会社で5名で運営。カセットテープの時代のように、音楽を渡しあう機会がなくなってしまった。「beatrobo」はその文化をネットで実現するソーシャルプレイヤー。友達の聴いている音楽で新しい曲と出あう。現代版ミックステープである「プレイリスト」をロボット化して、そのロボットが他ユーザーの場所に移動するなどして交換し、互いに聴いて楽しむ。スマホに挿入することでプレイリストのみを交換できる「beat plug」も準備。iTunesやSpotifyなどとは別のレイヤーで、プレイリストに課金する。ユーザー、10%日本、90%海外。

ビジネス
iTunesの商売とは別のレイヤー、コンピレーションアルバムといった部分をビジネス化する。楽曲を販売せず、有名人のプレイリスト(robo)を販売するビジネス。音楽市場は、2010年で日米で4億枚のCDが購入されていることから、ユーザーがアーティストの商品を購入をする潜在市場を予想する。マーケット拡大は「イベント」「レーベルタイアップ」、アスリート提携やファッションブランド提携mバーのマスターのプレイリストなども販売できる。beatplugの販売&タイアップ販売の可能性もある。

「ciatr」


サービス
映画に詳しい人から、オススメの作品を教えてもらうこと。それは理想だが、そういったクチコミに触れることは少なく、適切な視聴情報は記録されていないことも多々ある。映画は毎月60本以上公開されている。それに対応すべく簡単に、綺麗な映画の記録をすることができるサービスを作った。女性らしいかわいいレビューが必要。自分の好みにあったような人からレビューを受け取る。国内最大の映画情報プラットフォームとなる。

ビジネス
CGMのレビュー特化は唯一の存在である。すでに1万以上のレビューが集まっている。単に記録したのが48000件もある。観たいは4500年、レビューされた作品は3000件以上。映画好きは記録を残すという仮説は成立しつつあり、コアユーザーへのテコ入れを軸にSNSなどでの波及効果を作用させ、映画館でのイベントなどを開催することで100万のライトユーザーを獲得したい。収益は、映画館や配給社のオフィシャルアカウント。情報提供や送客、イベント開催。デザインカスタマイズなどのユーザー課金も検討中。

「smart memory」


サービス
今回のDemo Day 唯一のハードウェア。スマホとスマホをつなぐデバイス。記憶シェアしたり、音楽プレイリストをシェアしたり、公開したくない情報を目の前にいる人に共有したい。しかし渡すのが大変。それを解決するのが「smart memory」。データを表すガジェットをつかんで自分のスマホから相手のスマホに乗せ渡すだけ。iPhoneからAndroidといったマルチデバイス操作も可能。データ送信はクラウドを介して高速に行われる。ガジェットなので不正アクセスなどの心配は無い。

ビジネス
25mm-30mmのキューブ状でデバイスは完成している。周辺機器コーナーに展開する。販売初期段階では、ユーザーに無料で提供するなどしてテストマーケティング、キャンペーン、アクセサリーブランドとのコラボなどを展開する。アプリSDKを組み込み機能化して提供する形も可能。競合は、BluetoothやNFCだが、smartomemoryの手軽さや対応デバイスの範囲の広さは比較にならない。アプリでbumpやzeetleもあるが、やはり認証や認識の問題がありsmartmemoryが優位。仕組みや原理については非公開。

「ShareWiz」


サービス
社会人向け学習サービス。学習してもその成果が目に見えないので、「ShareWiz」がそれを可視化する。達成感を感じながら学習する。知識マップから学習を選択、テスト(選択、記述、穴埋め)を通し達成度を確認、その達成度が可視化されていく。問題はユーザーの投稿も可能。無料のサービスで、来年からアフィリエイト・広告販売・事業提携などで収益を立てていく。学習管理システムの販売も視野に入れている。PCよりもタブレットがフィットする。直線型の学習ではなく、シナプスが連鎖的につながるネットワーク型学習を提案する。

ビジネス
セミナーの先生がハブとなり教材を拡散するなどの効果があり、そこを活用して学習者のネットワークを構築していく。学習達成とその共有の波及効果を活用。BtoBのサービスをやりたいが、まずはBtoCでコンテンツを増やしつつある程度の規模を確保してから展開。社内ラーニングでナレッジマネジメントをする話もある。現在は基本システム/ASPの開発に注力。

【関連URL】
・「MOVIDA Demo Day 2nd」 レポート(前編) 【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/51767499.html
・孫泰蔵氏監修「僕たちがスタートアップした理由」は IT起業家およびその予備群に向けたモチベーション持続本だった 【増田 @maskin】

http://techwave.jp/archives/51764650.html

蛇足:僕はこう思ったッス
プレゼンテーションイベントとしては、とてもレベルが高かった。どのチームもプロダクトがある程度の完成度に達し、具体的数値を元にトライ&エラーを繰り返ししている印象だった。中には、まだまだ という内容もあったが、サポート次第でより良くなると思った。
著者プロフィール:TechWave副編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
 夢を叶える技術者。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてのIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ネットエイジ等で複数のスタートアップに関与。関心空間、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。活動タグは創出・スタートアップマーケティング・音楽・子ども・グローカル・共感 (現在、書籍「共感資本主義」執筆中)。書籍情報・ 詳しいプロフィールはこちら


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