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米Appleが2018年9月12日に新たに発表した新しいiPhone XS/XRシリーズ(参考「80秒でわかるAppleの新iPhone発表2018まとめ、ホームボタンが消えた5.8インチOLED iPhone XSほか #AppleEvent」)で、NFCタグの読み取り機能がOSレベル=ネイティブで使えるようになっていることが明らかになりました。
NFCタグとは、Near Field Communicationの略称で、通信距離10cm程度の近距離でデバイスとNFCタグとの無線通信を行うための技術を指します。
NFCタグを埋め込んだ非接触ICカードとの通信はもちろん、機器間相互通信が“かざす”だけで実現できることからその活用に期待が集まっていました(参考「NFCの定義」)。
Appleは、iOS11から「Core NFC」というNFC対応の技術を採用していましたが、アプリ経由でしか利用できないため普及に至りませんでした。
今回、新iPhone XS/XRシリーズでは、NFCタグにかざすだけでアプリなどの機能が必要なく通信が可能になるということです。Appleの技術仕様のページによれば既存のいPhone Xでも利用できるようになる見込みです。
Apple専用のデータフォーマット
AppleはCoreNFCで独自のNDEF(NFC Data Exchange Format)というNFCデータ交換仕様を定義しており、NFCタグなどにはそれに準じた情報を書き込む必要があります。
公開されているページをみるだけでも、かざすだけで以下のような処理をポップアップで起動することができるということです。
・ウェブサイトURLを開く (HTTP/HTTPS)
・特定の相手に電子メール送信
・特定の相手にSMS送信
・特定の相手に電話を掛ける
・特定の相手にFaceTimeでコールする
・地図を開く
・HomeKit対応アクセサリーのセットアップページを開く
【関連URL】
・[公式] Adding Support for Background Tag Reading
蛇足:僕はこう思ったッス
NFCタグの活用の幅はとても広い。カードの読み取りや、モノや看板などに付与された情報の読み取りといった基本的な使い方だけでも応用の幅は無限大。IoTデバイスとのペアリング自動化やかざして設定なども便利そう。NFCタグをブロックチェーンと連携させて美術品やブランド品の真贋判定に使おうという人もいる。ただ、アプリをインストールしないと使えないという大きな問題があった。普及浸透しなければその魅力を最大化することができないため、OSレベルの対応が求められていた。FinTechなどの普及プロセスと連動した一大ウェーブとなる可能性もある。