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魚の体内に取り込まれたプラスティックを人間がそのまま有害物質と共に食べてしまっているという衝撃の事実が話題になりました。釣り糸が湖を汚染していたり、環境や生物へのダメージは甚大です。そこで石油由来ではなく、自然界の物質を使ったプラスチックが注目を集めています。
上の写真にあるスマートフォンのケースや糸、布などはすべて植物由来原料だけを使って作られたバイオプラスティックです。
強度は十分過ぎるほどあります。プラスチックやポリエステルのような石油由来の素材は燃えやすかったり、染色しにくいという問題がありますが、この植物由来プラスティックは燃えにくく、藍染めなどの染料とも相性がいいものです。
ポリ乳酸と添加剤で100%を実現
これを開発したのはバイオワークス社。大阪大学 宇山浩教授の研究成果を事業化して2015年に設立されました。
バイオワークスは、植物由来プラスティックの原料として使われるポリ乳酸に着目。とうもろこしのデンプンから作られるポリ乳酸は、強度が低く、結局石油由来の成分を混ぜて出荷するため植物由来100%は実現できていない状況ですが、バイオワークスでは独自の添加剤を開発し、それとポリ乳酸を混交させることで100%のバイオプラスチックを実現しました。
三宅禎輝 氏は「プラスチックのリサイクルはほとんど行われておらず、焼却するしか処分する方法がありません。マイクロプラスチックが人間の体内に蓄積されるという多くの問題があります」と話します。
「一方でポリ乳酸は20年前から存在しており、多くの企業がポリ乳酸を使ったバイオプラスチックの開発に乗り出したのですが、うまくいかず撤退したところがほとんどです。我々は研究を続け、独自の添加剤(全体の5%)を加えることで自然界で分解される100%植物由来のバイオプラスチックを実現することに成功しました」。
バイオワークスは2017年1月、「大阪大学ベンチャーキャピタル」(参考:大阪大学が100億円の投資ファンド、国立大設立のVC第一号 【@maskin】)から1億円の出資を受けるなど、事業化に向けて前進を続けているところです。
【関連URL】
・バイオワークス
http://bioworks.co.jp
これだけ問題視されているのにもかかわらずプラスチックが減る様子ない。実際、戦後から急速に生産量が増え続け、現在も増加傾向にあるといわれています。ところが、フランスでは2016年にプラスチックの食器の使用を全面禁止すると発表したり、サントリーが植物由来のプラスチックをアメリカのベンチャーと開発するなど、大きな動きも出ているのが現状です。バイオワークスによると「普通のプラスチックよりは金額は若干高くなる」とのことだが、強度や不燃性、染めやすさなどのアドバンテージも多く、これらを導入する企業や組織が増えてくる可能性も十分ありそうだ。