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渋谷の雑居ビルにあるトランスリミット社のオフィス。
居酒屋やラーメン屋がひしめく周囲の混沌さと反比例して、“世界に通用するプロダクト” の創造に真摯に取り組む彼らの心地良い緊張感がこの空間を埋めている。
彼らは2014年1月この地に集い、世界に通用するプロダクト開発にフォーカスし続けている。
一作目は2014年5月にリリースされた「BrainWars」は1200万ダウンロードを突破(2015年4月時点)。2015年7月5日にリリースした2作目「BrainDots」が8月6日、1000万ダウンロードを突破した。いずれも広告ゼロ、営業活動なども行っていない。
2本目「BrainDots」は最速ペース、前例のない成長パターン
1か月で1000万ダウンロードは、世界全体を見ても前例が少ない。
直近で世界ゲームアプリ市場でトップクラスの売上を誇るミクシィの「モンスターストライク」をみれば、1000万ダウンロード突破までにおよそ9か月(2013年10月10日~2014年7月19日)を要している。同じく、ゲームアプリの世界トッププレイヤーであるコロプラの「白猫プロジェクト」が累計1000万ダウンロードを突破したのは47日後だ。パズドラも1年以上(2012年2月から2013年3月)要している。それぞれのタイトルで、対応プラットフォームなどの条件が同じわけではないが、各社試行錯誤しながら成長してきていることがおわかりいただけるだろう。
一方、トランスリミットの処女作である「BrainWars」では、2014年のリリースからおよそ5か月で500万ダウンロードを突破している(当時の記事)。これはinstagramの成長パターンを超えており、日本のアプリでいえばジャンルは異なるがLINEと同じペースとなる
そして2作目の「BrainDots」は、これらは凌駕する勢いで成長していることになる。
ここで見過ごしてはならないのは、“どのように成長したか?” という点だ。トランスリミット社が、これまでのアプリスタートアップとはっきり違うのは「まんべんなく世界を攻略している」という点にある。
それぞれの国や地域のユーザーに目を向ける
前作「BrainWars」のカバー範囲は150か国以上。北米を皮切りに多く国ストアでフィーチャーされ、さらに多くの国でトップランクを獲得している。総ダウンロード数は5月時点で1200万と、数千万クラスのアプリと比較すればまだ先があるが、重要なのは世界中の多くの国と地域でファンを獲得している点にある。
最新作「BrainDots」では、リリース直後から複数の国と地域でトップランクを獲得。どの地域で火が着いた、と断定できないほど、まんべんなく世界の主要地域で成長している。
これは前作「BrainWars」からの送客効果があるのか?そんな疑問を代表取締役社長 高場大樹 氏にぶつけてみた。
「それもありますが、自然増がほとんどです。100以上のストアでフィチャーされ、BrainWarsではあまり目立った成長ができなかったロシアや韓国でも火がついています」(高場氏)とのことで、まさに世界中でファン層を獲得して、同時多発的に成長を遂げているということがわかった。その理由は、トランスリミット社が製品開発のコンセプトとして掲げる非言語以外に、ゲームのカルチャーを丁寧に伝えようとする姿勢などがあるようだ。
「私達のタイトルは非言語をコンセプトをしているため、どの国や地域の方でも理解し遊べるようになっているという点が大きいとは思いますが、今回のBrainDotsでは15言語にまで対応を拡大しています。翻訳も業者に頼むのではなく、友人に直接お願いをしているので、文化的な部分を上手に伝えてもらえていると思います」(高場氏)。
プロトタイピングに徹することの意義
BrainDotsは、日頃、新たなゲームコンテンツの模索するプロセスの中で、発掘されたアイディアだったという。
「おもしろいアイディアは、まずプロトタイプとして作ってみるんです。実際プレイしてみて、潜在的な魅力をさぐり、次はデザインを適用していったり、少しずつ完成像を追求します。
BrainDotsの場合は、始めは横スクロール型でした。対照的な二つのボールというデザインを見い出した時、これはいける!と感じました。離れた場所にある異なる二つの存在、男と女にも見えるかもしれません。そういった隠喩的な要素も取り入れつつ、現在のような立体的なプレイスタイルへと進化していったんです」(高場氏)。
プロトタイピングで企画を進めるスタイルは、日本で成功したものの筆頭にあげられるのはLINE。企画書などはなく、手でさわりながら試行錯誤をしていくスタイルは、言葉や文化を超越した普遍的な価値を創造するのに不可欠なものとなっているといっても過言ではないだろう。
さらに代表取締役社長の高場氏はそもそもエンジニアであり、共同創業者であるCTO 工藤琢磨氏 と椅子を並べて処女作を開発していた。二人はサイバーエージェントグループでアメーバピグの海外版「Ameba Pico World」で世界に挑戦して多数の壁に直面した経験がある。それらの要素が非言語であり、国や文化を超越する原動力になっており、世界同時多発で成長するきっかけになっているようだ。(脳を鍛える対戦アプリ「BrainWars」のデモを見てきた、間もなく公開 【@maskin】)
「余裕で黒字」ブレない彼らの今後
そんなトランスリミット社だが、すでにBrainWarsの開発は終了し、現在は運営のみの状態となっており、残りのリソースはほぼBrainDotsに投入する様相だ。
直近のBrainDotsは、まもなくイベント機能が実装され、グローバル感がより強くプッシュされるようになる。 さらに、シード出資を受けているLINE向けのゲームも数名のチームで開発が進められている。
トランスリミット社としてはすでに「余裕で黒字」の状態、今後2~3年で上場という目標には意外と早く到達するのかもしれない。
【関連URL】
・BrainDots
http://translimit.co.jp/services/braindots.html
・非言語戦略の成功明らか、物理演算ゲーム Brain Dots が10日間で100万ユーザー達成 【@maskin】
http://techwave.jp/archives/braindots-reaches-over1million.html
高場社長は「3000万ダウンロードいけば、、、」と言っていたが、前例や世界拡散の動きを見ると(感覚的にだけど)7000万ダウンロードあたりを突破すると思っているっす。