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ヒトメディアと日本たばこ産業(以下、JT)は2015年5月28日、人の成長における多様な支援をする事業を展開するアーリーステージの企業への投資育成を推進する事業で提携したことを発表した。
具体的には、ヒトメディアが子会社として設立した「株式会社ヒトトキインキュベーター(以下HTI)」に対し、JTが増資を引き受け、役員を派遣する。両者は、HTI社を軸に、国内外の企業への投資や育成事業を展開する。代表取締役社長には、ヒトメディア代表の森田正康氏が就任する。
ヒトメディアは2006年12月創業、教育と異文化領域に特化したインキュベーション事業(リリースまま)を主な事業内容とし「教育で世界を良くする」という理念で事業を展開してきた。
JTは、70の国と地域で多様なたばこ銘柄を展開。また、国内を中心に医薬品事業や加工食品事業を展開している。「ひとのときを、想う」というコミュニケーションワードをグループで掲げ、一人一人の豊かさを追求する姿勢を表明していた。
一見、専門領域が異なる両社だが、提携のきっかけは大企業であるJTにおける「新規事業の芽を探す」というテーマがあったからだと森田正康氏は言う。
「JTの会社の規模からして実績がある買収のようなプロセスで、シード投資ができるかというと難しい面があります。一方でヒトメディアは教育というテーマでインキュベーションを力をいれて去年からやってきたが、その実績をもう少し広いテーマで行いたいという考えがあったんです。
その流れの上で、JTグループが掲げる「ひとのときを、想う」というテーマが人の成長に寄与する、つまり私たちが教育事業で考えていることと共通する概念があり、そもそもそのテーマがその領域のイノベーションに投資するという意味だということがわかり合弁を作る話へと膨らみました」(森田氏)
ヒトトキインキュベーターは、ヒトメディアの国内外におけるアーリーステージ投資実績とJTが持つ経営ノウハウをフル活⽤し、ハンズオンでスタートアップ起業をサポートするモデル。
支援先に確定した起業には、ヒトメディアグループが運営するイノベーションサロン「hitomedia the p@rk」の利⽤のほか、エンジニアやバックオフィスの人材も提供する。
投資対象となるのは「基本的に人の成長や雇用の創造、人の時間を短縮するようなものを展開する事業」(森田氏)とのことで、当面「ひとのときを、想う」にフォーカスする。海外事業への支援については、すでにヒトメディアはアーリーステージ投資としてアメリカ母体のFancyや、アジア母体のLangrichなどへの投資経験があるため、ひとまずアメリカ・アジアが中心となる模様。すでにシリコンバレー系ベンチャー2社への支援を検討中だという。
スタートしたばかりのHTIだが、「トラックレコードになるような案件をいくつ出せるか」(森田氏)という点に注目が集まる。
【関連URL】
・株式会社ヒトメディアについて
http://www.hitomedia.jp/
・日本たばこ産業株式会社について
http://www.jti.co.jp/
本提携には、大企業とスタートアップ型事業育成および投資スタイルの連携というテーマがある。JTからはHITに対し、人材が投入される予定で、ゆくゆくはHITのインキュベーションのノウハウをJT社内の新規事業立ち上げに応用してもらいたいという思惑があるようだ。
なお、ヒトメディアのイノベーションサロン「hitomedia the p@rk」は、TechWaveの5周年記念パーティの会場として利用させていただいた場所。刺激的な空間で、非常に優秀なヒトが集まる場所。ここで多様なグローバルスタートアップの知見が集約されたら、すごいことになるな、と感じている。