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京都地域に根ざしたものづくり系スタートアップの試作支援スキームを組み込んだアクセラレータープログラム「Makers Boot Camp」は2017年10月24日、運営するファンド「MBC Shisaku 1号投資事業有限責任組合」の第4号案件として「スマートフットウェア®Orphe(オルフェ)」を製作する株式会社no new folk studio社への出資を発表しました。
ヘルスケアやスポーツ分野へ
モーションセンサーを備えた「Orphe(オルフェ)」はスマートフォン等と連動することで、動きに合わせて内蔵LEDの点灯パターンを変更する機能を備えています。そのためダンスやエンターテインメントといった“計測→反応”の効果がわかりやすい製品として世に送り出されていました。
とはいえ価格は4万4800円とプロの演出装置もしくはハイグレードなファッションアイテムとして認知されていたというのが正直なところ。そこで、今後は “靴とスマホの連携プラットフォーム”=スマートフットウェアとして高度化し、ヘルスケアやスポーツの分野に応用しようと考えており、そこでMakers Boot Campの試作コミュニティのサポートを受けていくという流れになった形です。
すでに当座組の試作開発作業は進行中で、来年2018年1月に米ラスベガスで開催されるCES(Consumer Electronic Show)でOrphe及び開発中の新製品を出展する予定とのことです。
Makers Boot Campがスタートして数ヶ月、グローバル案件を京都の試作コミュニティに繋げるミッションを着実に実行に移しています。目標は「京都をモノづくり・IoTスタートアップの都」にすること。この流れは今後どうなっていくか目が離せなくなりそうです。
【関連URL】
・MakersBootCamp | Darma Tech Labs
http://makersboot.camp
・Boston Biomotion
http://bostonbiomotion.com
・京都にIoTスタートアップファンド、試作支援アクセラレータープログラムと共同展開 @maskin
http://techwave.jp/archives/mbc-shisaku-1st-fund-in-kyoto-25670.html
ニューヨークを拠点に世界中のモノ作りシーンをカバーする関信浩 氏(当記事ファンドのマネージングパートナー)に数年前ばったりスペイン・バルセロナで会ったことがある。FAB10といういわゆるFab系コミュニティの祭典が大々的に開催されていたのだ。世界中からありとあらゆるモノ作り系の人々が集まっていた。まさに学園祭という雰囲気で、至るところでワークショップが開催されている状態。レーザーカッターや3Dプリンターの持ち込みは当たり前。一方で、組み込みデバイスによるプログラミングなど、モノとデジタルの融合が活発に行われていた。性別も年齢も問わず非常に幅広い層が、自然にモノの進歩や変容を受け入れているというのが印象的だった。ここで(おそらく関氏も)感じたのは、もはや工作やDITという文脈ではないというところだ。FABそのものが文化として定着し競争戦略的にも有効である、ということが暗に証明されていたのだ。