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「beauty is in the Eye of the beholder – 美は見るものの目に宿る」。
出会い系サービスの大手米Tinderは2016年10月13日、出会える確率を最大化するアルゴリズムをアプリ内に実装したと発表した。公開前の実験では、マッチ率が12%向上したという。
Tinderは次々に表示される交際対象の写真を見て、その第一印象から「Like」「Super Like」「Nope」を選択していき、互いに「Like」した人同士だけが直接チャットができるというもの。結構ドライだが、直感は重要だということか。
Tinderは「Nope」された写真を分析。以下の要素がNopeされる確率を高めるという。
・笑顔じゃない(Not smiling)
・お顔が隠れているかほとんど見えない(Covering your face, even a small portion)
・グループ写真(In a group of people)
・帽子をかぶっている(Wearing a hat)
・サングラスを着用している(Wearing any kind of glasses)
(まあ、この内容じゃ印象悪くなりますね、、)
そこで、Tinderはさらに調査を進め、各ユーザーにとってベストな写真 – どの角度で、どんなポーズがいいのか -を知ることができるアルゴリズム「Smart Photos」を編み出した。
「Smart Photos」機能をオンにした時と、オフにした時の違いは明白。下のスナップショットはTinderのプロフィール画面だが、左はこれまでのポートレートで左上の写真が第一印象投票に使用されるもの。右は「Smart Photos」をオンにした時のもの。最も「Like」されやすいものがハイライトされている。
5000万ユーザーの中からベストケースを発掘
実際は「Nope」のパターンは、ユーザー毎に全く異なる理由で行われる。ただ、5000万人はいるというユーザー一人一人に「Like」の確率を調査していってもキリがない。
そこでTinder開発チームが選択したのが「バンディットアルゴリズム」だ。以下は、彼等がその仕組みを表現するために使用したイラスト(よくある説明図のデフォルメ)。沢山のスロットマシーンの中からどれが一番良いパフォーマンスを出しているかを調べようとしている(Machine Learning LeadのMike Hallさんの記事)。
ただ、全てのアームでスロットを回すわけにもいかず、一体、どのアームを操作して、どう調べていけばいいかを判断しながら最適解(ここではLikeされる写真)を得られるかということに適したアルゴリズムが「バンディットアルゴリズム」ということになる。Tinder「Smart Photos」はこの調査プロセスで「最も出あえる写真」を導き出すことに成功した。ロジックとアルゴリズムがあれば膨大ユーザーとデータからより有益な価値を創造することができるということか。
【関連URL】
・Introducing Smart Photos – For The Most Swipeworthy You
http://blog.gotinder.com/introducing-smart-photos-for-the-most-swipeworthy-you/
「Smart Photos」は2016年1月に開催されたTinderの社内ハッカソンで生まれたアイディアらしい。Tinderには機械学習チームがあり、彼等の成果。ユーザーとデータがある組織での機械学習チームの有効な動きといったところか。「バンディットプログラム」は、サイト内のバナー広告の効果などにも活用できるため、さらに成果を生んでゆきそうな予感。