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[詳説] Windows 8.1 プレビュー版配布開始、大きな進化とその魅力 【@maskin】


[読了時間: 2分]

 米Microsoftは現地時間の2013年6月26日、米国カリフォルニア州サンフランシスコで主催する開発者向けカンファレンスイベント「Build 2013」において、次期OS「Windows 8.1」のプレビュー版の公開を発表した。

 「Windows 8.1」では、ユーザーインターフェイスのブラッシュアップを中心に、クラウド対応の強化、マルチモニターのサポートや仮想キーボードのスマート化、画面分割機能(スナップモード)の改良など全般的に生産性向上のためのアップデートが中心になっている。



UIの改善

 スタート画面は上の通り、フラットデザインをベースにしたタイル形状が基本だが、これまで2種類しかなかったタイルサイズが4種類に拡大された他、グループ毎に整理したタイルの丈夫に見出しを付与できるようになった。

 Windows 8.xのタイルは、ライブアップデートという仕組みで、アプリ内で更新された情報の一部をタイル上に適時更新表示することが可能で、情報ダッシュボードのように使用することが可能。ただ、すべてのアプリがライブアップデートを発信するわけではなかったため、今回のサイズの多様化により棲み分けて配置することが可能になった。

 その他、、Windows 7以下の旧シリーズと共通するUIであるデスクトップモードの左下に、過去の代表的UIである「スタート」ボタンと同じ位置にスタートメニュー画面へジャンプするボタンが設置されるようになった。これは、タッチ対応のデバイスではなく、マウス&キーボードといったスタイルで使用する人のための措置のようで、起動時にデスクトップモードを起動する設定なども用意されている。

 筆者の目をひいたのは、Windows 8.x 最大の魅力的な機能である「スナップ」モードの変化だ。

 これは、画面の左右320ピクセル幅を、別のアプリの表示エリアとして使用するというもので、例えば「メールの内容をみながら、ウェブのBlogCMSで記事を書く」といったことが可能になる。

 今までのスナップといえば、このような雰囲気。主となる画面があり、小さな範囲で別アプリの情報を開くという感じ。

 これがWindows 8.1でこうなった。思いっきり二分割(50%:50%)である。
 正直いってちょっとたじろいだが、実はスナップ表示の横幅が自由に調整できるようになったのだ。

 今回のアップデートで、ウェブブラウザInternetExprolor11のウィンドウもスナップ機能で複数並べることができるようになった。画面解像度が高いディスプレイの場合、2つ以上のウィンドウを並べることもできるようなっているようだ。


統合検索


 
 Windows8.xの使用感の優位性という面で考えると、OSレベルで検索機能や共有機能を提供してくれる点が、第一に頭に思い浮かぶ。

 検索窓でキーワードを入力すれば、ファイルやアプリ内の情報が一括して表示され、それをOSの共有機能を介して特定のアプリで活用するといった具合。

 Windows8.1では、キーワード検索機能が強化され、検索サイトBingとの連携などによりより広範な情報をスタイリッシュに集約することができるようになる。


クラウドサービス「SkyDrive」の深い連携

 これも大きなトピック。Microsoftのクラウドストレージサービス「SkyDrive」が 標準の保存先として選択できるようになった。

 OSのUIにも組み込まれるため、使用頻度が急増すると考えられる。


ヴァーチャルキーボード

 キーボードレスのタブレット端末でキー入力する際に利用できるヴァーチャルキーボードも進化した。

 Windows8のヴァーチャルキーボードは、徹底的に調査したキー幅などが絶妙で、他プラットフォームのそれよりも圧倒的に使いやすいのが特徴。

 Windows8.1では、格段にブラッシュアップされたほか、より小さなデバイスでも快適に利用できるような入力モードも追加された。


これまでのIEとは違うInternet Explorer 11

 Windows8.1にあわせてIE11も発表された。最大の目玉は、ウェブブラウザだけで3Dグラフィックを表現するための標準仕様「WebGL」に対応した点。

 過去、Google Chromeだけ動作、とされたWebGLのデモ (「音楽MIDIデータをウェブで3D再生する「Euphony」 【増田 @maskin】」 http://techwave.jp/archives/51780631.html)を動かしてみたら、問題なく動作した。ちなみに、Modern UIモードのIE11での確認である。

 そもそもMicrosoftはWebGLを筆頭とした標準化技術を批判的態度を取ってきていたので、この動きは非常に大きい。この流れで音声通話やビデオチャットの標準化技術「WebRTC」のこっそり実装がされていればすごい等と思ったのだが、まだそこまでではないようだ。

 また、米Googleが開発する高速かつ安全な通信のための通信プロトコルSPDYプロトコルの最新版「SPDY 3」のサポートも確認できた。



 
 これ以外にもWindows マーケットの刷新やプリペイドカード発行の話、3Dプリンタドライバの対応など多数の発表が行われている。

 先日、「Microsoftは大規模リストラを実施して生まれ変わる」という噂が現地報道で流れたが、Microsoftの変化が感じられる内容だといえるだろう。

 Windows8.1の正式リリースは、2013年後半を予定。それまでどう進化するか注目される。



【関連URL】
・The Windows 8.1 Preview is here!
http://blogs.windows.com/windows/b/bloggingwindows/archive/2013/06/26/the-windows-8-1-preview-is-here.aspx
・Continuing the Windows 8 vision with Windows 8.1
http://blogs.windows.com/windows/b/bloggingwindows/archive/2013/05/30/continuing-the-windows-8-vision-with-windows-8-1.aspx
・Yahoo! JAPANもフラットデザインに変更【@maskin】
http://techwave.jp/archives/yahoojapan_flatdesign.html
・「Surface(サーフェス) Pro」が好きな7つの理由 【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/9reasons_like_surface_pro.html
・Windows 8 アプリが 5万タイトル突破、タブレット市場にくい込めるか? 【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/51784665.html


蛇足:僕はこう思ったッス
Windows8.xは、いわゆるPCサイズから8インチタブレット、そしてそれよりも小さなサイズのデバイスまでもカバーする考えで、そのための配慮が至るところに現れているように思える。そもそもフラットデザインはその為に採用しているわけで、Windows8.1の進化は、来るべきスマートデバイス時代への布石と言っても過言ではないだろう。


著者プロフィール:TechWave 編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
変化し続ける高エネルギー生命体。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてのIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなどほとんど全てのIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ブログCMSやSNSの啓蒙。ネットエイジ等のベンチャーや大企業内のスタートアップなど多数のプロジェクトに関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。活動タグは創出・スタートアップマーケティング・音楽・子ども・グローカル・共感 (現在、書籍「共感資本主義」「リーンスタートアップ」執筆中)。@宇都宮ー地方から全国、世界へを体現中。
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