iPhoneは電子秘書に進化する=AppleがSiriを買収【湯川】

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 「ロマンチックなイタリアンレストランを探して」、「今日の天気は?」ー。iPhoneに向かって声で命令するだけでタウン情報サイトや天気予報のサイトを検索してくれるサービスを開発した米ベンチャーSiriがAppleに買収されることが明らかになった。米有力ブログScobleizerが最初に報じた。買収金額は2億ドル前後と推計されている。Siriの機能は今後iPhoneに取り込まれ、iPhoneは電子秘書として進化していくことになりそうだ。

 どんなことができるのかはSiriが製作したビデオを見るのが一番分かりやすい。


 使用されている技術は音声認識、自然言語処理、場所情報処理などなのだろう。GoogleもiPhone上で音声で検索できるが、Googleは自社で持つデータベースの中から検索するのに対し、Siriは他社のデータベースの中を検索するのが特徴。利用促進を目的にデータベースの一部を他社製アプリに解放するサービスが米国では増えているが、Siriはこうした動きをいち早く取り入れて人気を集めた。音声での命令を認識したあとに、複数の他社データベースの中から最適なものを選び出すところが、Siriの技術の優れた部分だと思われる。Siriのサイトをみれば、「What Siri can do today」として次の図を表示している。「今できること」ということなので、今後もいろいろなサービスを取り込んでいくのだろう。1つ2つのサービスを取り込むアプリは他にもあるが、数個を取り込むアプリはない。比較的多くのサービスを取り込めるところがSiriの技術の特徴だろう。

 またGoogleの音声検索は非常に精度がいいが、検索できるのは単語やフレーズのみ。Siriのような自然な質問を処理する機能はない。この自然言語処理には非常に高度な技術が必要とみられる。

 engadgetによると、Siriは米国防総省の研究・開発部門DARPAの出資を受けて60以上の大学や研究組織が関わった超大型エージェント研究プロジェクトの成果を基に開発されたサービスらしい。(関連記事:DARPA出資の学習型エージェント、iPhoneアプリに登場(engadget)

 AppleはPlaecebaseという地図の会社も買収済みだし、iAdというモバイル広告の仕組みも開発中。Siriを買収することで競合Googleに先んじてモバイル機器を使ったローカル広告市場を一気に手中に収めたいのだろう。(関連記事Tech Wave : 【再掲】Appleが地図のエンジニアを募集(していた)次期iPhoneの目玉は地図だと思う根拠Tech Wave : Appleのモバイル広告iAdは売上最高47億ドルに=米アナリストが推計【湯川】

 日本向けのAppStoreやiTunesStoreにはSiriは登録されておらず、日本では利用できないみたい。

 今後Appleが日本向けのiPhoneにSiriの機能を搭載する可能性は十分にあるが、データベースを解放するためのAPIと呼ばれる技術仕様を公開する風潮が日本でも広がらないのなら、利用価値はあまりないだろうけど。

 ただiPhoneがSiriの機能を搭載するとなると、日本のサービス事業者も大急ぎでAPIを公開する可能性はある。だって競合するサービスがAPIを公開しiPhoneの専属サービスみたいになれば、iPhoneからのアクセスはすべてそちらに流れちゃうだろうから。

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