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米紙Wall Street Journalは、米政府が独占禁止法関連でAppleに対して予備調査に乗り出す可能性があると報じた。同紙が複数の関係者の話として報じたところによると、米司法省と連邦取引委員会(FTC)の間で、どちらの機関が調査を担当するのかをめぐって協議を始めたという。AppleがiPhone、iPad向けアプリの開発言語を限定し、Adobe製の開発言語であるFlashを事実上締め出したことなどが問題視されているもよう。New York Postが最初に報じたもので、Wall Street Journalが別の関係者から確認を取った形だ。(関連記事:独禁法関連でAppleが調査対象に?=NY Post紙)
問題視されているのは、iPhone、iPad向けアプリ開発者向けの合意書に新しく盛り込まれた条項で、Appleが認める開発言語以外で開発されたアプリを禁止しているほか、Apple認可の開発言語以外で開発されたアプリをiPhone、iPad向けに変換することさえも禁止している。認可言語の中にFlashは含まれていない。
この条項の追加を受けてAdobeは、iPhone向けツールの追加開発への投資を中止したほか、Appleを提訴する準備を始めたとする一部情報もあった。
またFTCはモバイル広告に関するAppleの動向にも関心があるようで、Wall Street Journalによると、あるモバイル広告会社の幹部は、 2、3週間前にFTCから連絡を受け、モバイル広告の仕組みやAppleと開発者の合意書の内容や、合意書が事業に与える影響などに関して質問を受けたという。
同紙は、Appleの競合社やアプリケーション開発者からの告発を受けて米政府が動き出したとしている。
また、政府の調査がまだ予備段階であることから調査を避けるため、AppleがiPhoneのソフトウェア開発者キット(SDK)を変更する可能性があるとする関係者の話を伝えている。
(関連まとめ記事:FlashめぐりApple、Adobe対立)