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ZDNetに、iPhone向けFlashアプリ変換ツールを開発再開したアドビ–アップルとの雪解けは進むかという記事が掲載されている。
AppleがAppStoreのアプリ審査基準を改訂しAdobeのFlashアプリ変換ツールを使って開発したアプリの登録に道を開いたことを受け、Adobeが同ツール「Packager for iPhone」の開発を再開したというニュースだ。
記事自体は、課題は多いもののFlashにとってはいいニュースだというような結論になっており、記事の見出しにあるような「雪解け」が進むかどうかという点については言及していない。
そこで僕が代わりに言及させてもらおう。
「雪解け」は絶対にない。
なぜAppleがFlashを排除しようとしているのか。別にスティーブ・ジョブズ氏がAdobeのだれかに嫌がらせを受けて、その仕返しをしているわけじゃないんだ。w
ジョブズ氏は、これまで世間一般の認識よりも早く「次にくる技術」に焦点を当ててきた。そして信念を持って「次の技術」にすべてのリソースを充ててきたんだ。(関連記事:信念をもってFlashを排除=ジョブズ語録@D8【湯川】)
そしてジョブズ氏がFlashの次の技術として焦点を当てているのがHTML5。この件に関しジョブズ氏の考えはちょっとやそっとでは変わらないだろう。
ではなぜ今回、Appleが審査基準を改訂したのだろう。
恐らくそれは独禁法対策である。AppleがFlashを事実上締め出したことに関し米国政府が独禁法に関係する予備調査を始めたとされており、Appleは本格調査を避けるために問題の基準を改訂したのだと思われる。(独禁法関連でAppleが調査対象に?=NY Post紙【湯川】)
もしそうであるならば、これからAppleが積極的にFlashを利用していくとは到底思えないない。AdobeのFlash変換ツールを用いて開発したアプリが一部AppStoreに並ぶかもしれないが、Flash搭載のウェブページがiPhone、iPod touch、iPadで完全な形で見ることができないという状況は今後も間違いなく続くだろう。そしてその一部ウェブページが見られないということこそが、一般ユーザーにとって非常に大きな問題なのだ。
つまり今回のAdobeがツールの開発を再開したことで、大多数の一般ユーザーには何の変化もないだろうし、業界関係者にとってもそれほど大きな変化はないだろうと思う。