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佐賀県武雄市の樋渡啓祐市長は9月17日、同市がこれまでに蓄積してきた各種統計や生データを全公開しIT企業などの利用を可能にすることで、新しい情報産業の創出を目指す考えを示した。TechWaveとの会談の中で明らかにした。同市長によると、行政データの中には個人の特定できるデータはほとんどなく、運用に注意することでプライバシー保護の観点からも問題になることはなさそうだという。
大量のデータを統合、加工、解析することで、新たな情報や知見、サービスなどの価値を創造する事業の総称として「ビッグデータ事業」というキーワードが使われることが増えてきているが、行政はいわばビッグデータ(大量の生データ)の宝庫。これまではプライバシー保護の観点などからほとんどの自治体ではデータの公開に非常に神経質な対応を取ってきたが、同市長は逆に積極的にビッグデータを公開していく考えを示した。
ビッグデータ事業に対する期待が高まっている背景には、データのデジタル化、データストレージコストの低下、解析技術の向上などの要素がある。民間企業の間では、購買履歴、ウェブアクセス履歴などのデータを統合、解析することで、消費者が次に購入しようと考えているものを予測し、広告、マーケティングの効果を高めることが可能になっている。また1社が蓄積できるデータに限界があるので複数社でデータを共有するようなケースも増えてきている。
これまでアクセスが困難と思われていた行政データを自由に利用できるようになれば、新たな事業開発の可能性が大きく広がるものとみられている。武雄市では他の自治体、行政機関に先駆けてデータを公開することで、新たなビジネスモデルのケースを作って行きたいとしている。
自治体がデータを公開し、IT企業が自由に利用できるようになればどのようなことができるんだろう。ビッグデータ事業に乗り出すのは、行政が一番最後になるとこれまで考えていたので、行政データを利用したビッグデータ事業って、実は考えたこともなかった。自治体にどんなデータがあるのかさえも調べたこともない。
でもちょっと考えただけでも、なんだかワクワクしてくる。例えば以前記事にしたインドのIntelicus社。同社はデータ解析ツールを無料で消費者向けにリリースしているんだけど、行政データを消費者が自分で解析すれば、行政の現状をリアルタイムで正確に把握できるようになる。権力者がデータを操作したり、有権者受けのいい提案や表現を使って消費者を欺くことが不可能になると思う。(関連記事:「だれもが政府統計データを解析し情報操作をあばく時代に」ビッグデータ解析のインドintellicus社が無料ツール開発中【湯川】)
自治体行政ってまったく新しいものになるんじゃないだろうか。それと自治体のデータをベースにしていろいろな事業が生まれてくるように思う。
こんなことを書くと揚げ足取りが大好きな人たちから批判を受けそうだけど、彼らがなんと言おうと時代はデータ公開の方向に向かっているんだと思う。大きな潮流にはだれも逆らえない。古い時代の常識で未来を批判していても、何も結果を生み出さないと思う。