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世の中には多種多様なデバイスやサービスがあるが、あらゆる人間の創造物に共通して言えることは、小さな夢に全身全霊を投入したものには、世代や価値観を超え愛される資格があるということだ。思いが強ければ強いほどいい。
例えば23日に販売が開始されるユビキタスエンタテインメントの新デバイス「enchantMOON」。
「なぜ月(MOON)なのか?」という筆者の問いかけに代表取締役CEO 清水亮 氏は「サターンロケットを見たことありますか?」と言う。
人類初の月面着陸を成し遂げたアポロ計画で使用された打ち上げロケットである。
「米ヒューストンのNASAで実物を見たんですよ。本物が展示されているんです。
そこで驚いたんですよ。その小ささに。もちろん、巨大な物なわけですけれど、想像よりもずっと小さい。
このサイズで月までいっちゃう奴がいるのか!と僕の中で相当な衝撃だったわけです。
その思いがenchantMOONという名前に影響を与えています。たかがコンパクトなハードウェアであるけれど、人間の思い一つで月にいったように、人間の可能性を拡張する道具になりうるんじゃないかと思ったんです」(清水亮 氏)。
ペンと指で創造する自分だけのハイパーテキスト空間
起動直後からペンと指を駆使する必要がある。
ある種のストイックさがあるが、いきなり表示される真っ黒なキャンバスにペンや指を走らせると、それは無限の可能性をもたらす洗練された道具としての世界観を感じることができるだろう。
たとえば、事前に告知されていた「カメラ機能」。画面に丸なり多角形なりの図形を描いて、その中にカメラとかけばそのエリアがカメラのビューエリアとなる。
撮影した写真はそのまま画像として保存され、その上にサインを残したり、ウェブから情報をスクラップして引用したり、ウェブなどと連携するなどのことも簡単。
enchantMOONに保存されたあらゆる情報をリンクすることも簡単。手書きの文字は自動で認識され、そのままenchantMOON内の情報やウェブをキーワード検索することもできる。
デバイス内の情報のリンクについては、リンクをたどった際の挙動をプログラムすることができる。例えば、リンク先に飛んだら、ペンの太さや色をかえるといった処理だ。これはenchant.jsベース、つまりJavaScriptレベルで処理するもので、画面のようにブロックでプログラミング可能だったりする。
さらに、こういったプログラミングはリンクのみならず、当然enchant.jsのゲームはもちろん、enchantMOONの基礎動作などにも適用可能で、自分なりにカスタマイズした機能性のあるハイパーテキスト空間を構築することが可能なのだ
先日のenchantMOON紹介記事で、アランケイ氏がイメージした「ダイナブック」のことについて述べたが、今日説明を受けたecnhatMOONはそれを超えていた。マイコン世代のプログラマーが描き続けた未来を、彼は遂に超えてしまったと言えるだろう。
清水氏は「いずれは家電であるとか、オーディオ機器をプログラミングする端末のような可能性も考えたい。エアコンの調整機能をenchantMOONでプログラミングして、エアコンにそれを転送するような」と語る。
enchantMOONは、いよいよ4月23日販売開始。当日夕方東京都内で説明会を開催するとのことで、興味のある方は公式サイトを参照していただきたい。
【関連URL】
・UEI、enchant.jsをベースとした独自開発のデバイス「enchantMOON」を一般発売、予約は4/23で価格は39800円 【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/51787173.html
・enchantMOON ; The Hypertext Authoring Tablet
http://enchantmoon.com/
全然普通じゃない。スタートボタンもないし、いきなり使用許諾画面でペンが必要で、その後、起動しても真っ暗。ただ、そこにペンを走らせ、手で触れ、その挙動にワクワクする。際限の無い知的興奮。自分で描き、考え、構築して、自分の創造物となるデバイス。僕が小学生くらいの子供だったとしたら、間違いなくはまったとおもう。それに、子供にiPadやiPhoneを与えてYouTueb漬けになるくらいなら、この端末を喜んでプレゼントしたいと思う。39800円という金額について、清水氏は「過去、PlayStation2で発売し、売り切れ状態になったことがある」という。遊び道具として、同じ金額ならenchatMOONを買うべきだと思う。このデバイスには未来があると思う。
変化し続ける高エネルギー生命体。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてのIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなどほとんど全てのIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ブログCMSやSNSの啓蒙。ネットエイジ等のベンチャーや大企業内のスタートアップなど多数のプロジェクトに関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。活動タグは創出・スタートアップ・マーケティング・音楽・子ども・グローカル・共感 (現在、書籍「共感資本主義」「リーンスタートアップ」執筆中)。@宇都宮ー地方から全国、世界へを体現中。
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