訪日消費15兆円に向け インバウンド観光客行動分析で攻める、ナイトレイの強みは統合ダッシュボード @maskin

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日本国政府が掲げる“2020年までに2000万人”という目標を大きく超えて、2016年の訪日旅行者数は2404万人、訪日消費は3.7兆円(出典:観光庁)と言われています。2020年にはその額は15兆円に達するという見方が濃厚です。

日本で使うお金は当然宿泊費や食費、交通費などに消費されるわけですが、その40%ほどが買い物に使われることがわかっています。しかし、一体彼らはどのようなルートで旅行し、どんなお店を好み、何をSNSでシェアしているのか、その行動は明らかになっていませんでした。

それを可能にしたのがナイトレイの「inbound insight」というサービスです。各ソーシャルメディアのデータを収集し、どの国の人がどこに集い、どんな行動を取っているのかを把握するというものです。


例えば、外国人旅行者はどこに行っているのか?およその統計値はあるもののその実態はなかなか知り得ることはできません。しかし、ナイトレイの「inbound insight」のSNS投稿データを解析するとはっきりとその傾向が見えてくるんです(「共同調査レポート「インバウンドレポート」(2016年1-3月期)」)。

「inbound insight」は基本料金無料で、地図上でのヒートマップ表示や人気エリアランキング、行動データのグラフ化などの機能が利用できます。

解析ダッシュボードには追加(有料)で機能を足すことができる仕組み。また、経済産業省やヴァル研究所、株式会社三菱総合研究所といったデータを所有する企業に積極的に働きかけ、人気のある施設を発掘できる「優先施設診断プラン」や各種データと行動データを連携させられる「訪日消費データプラン」「駅データプランβ版」「将来予測プラン」など、インバウンド旅行者の行動分析を統合的に行えるサービスへと進化を続けています。

ロケーション行動分析一筋6年の集大成

ナイトレイは2011年5月、ネットエイジ出身者の石川豊 氏が創業した位置情報データの解析を標榜したスタートアップ企業です。当初からソーシャルメディア上に投稿される位置情報データを分析することにこだわり、ツールを作り続けてきました。

起業直後はシンプルなマッピングツールに始まり(位置情報ソーシャルマーケティング始まる。チェックインを集約して可視化する「T-rexa(トレクサ)」ベータが公開 【増田(@maskin)真樹】:注意)サービスはすでに終了)、2013年には解析対象となるデータ量も拡大しメッシュ分析なども可能となり、地域経済の活性化などに大手企業と導入されるようになりました(GPS情報が付与されたソーシャルメディア4000万件をエリアマーケティングに活用、スタートアップのナイトレイが開発 富士通も採用【@maskin】)。

大きく注目を集めるようになったのが昨年2016年の「ポケモンGO」の世界的ヒットです。日本でも都心やもちろん、日本全国でユーザーが現れたのを受け、ナイトレイは時系列でその様子を分析できるツールをリリースし大きな話題を呼びました。

ポケモンGOで日本に何がおこったか?「PokemonGO 解析マップ」 powered by ナイトレイより 【@maskin】

インバウンド観光旅行者の行動を解析するツール「inboud insight」がリリースされたのは、訪日外国人旅行者が急増し「爆買い」という言葉が話題となった2015年です。それから、およそ1年半で利用企業が4400社を超えたといいます。

「業界ですが、1つは大手コンビニや化粧品メーカーなど店舗や商品があって、直接訪日外国人と対面している企業で、2つめは博報堂などインバウンド対策に必要となるソリューション(プロモーション、決済システム、多言語化、人材作用、コンサル、リサーチ等々)の提供企業です。自治体や観光協会なども一部顧客に入ってきます」(ナイトレイ CEO石川豊氏)

こうしたデータ提供や分析サービスは、それぞれの企業にフィットする形まで落とさないとなかなか利用されないもの。ナイトレイはどのようにして成長してきたのでしょうか。

「それぞれの会社でそれぞれの課題やニーズがあり、今は「inboud insight」だけの強みを活かしつつそれらに対応しながら導入企業の拡大を進めています」とナイトレイ CEO石川豊氏は話します。

シリーズA資金調達でアクセルを踏む

ナイトレイの強みは「inboud insight」を筆頭とした、行動分析のダッシュボードにあるといえそうです。ソーシャルメディアの情報を主体に、さまざまなデータを誰もがわかりやすく分析し表示できるようにする、そんな優れた表示エンジンと操作系がある強みです。かつ、さまざまなデータホルダーに積極的に働きかけ連携することで情報の価値を高めるサイクルが出来上がっています。

あと必要なのは、いかにこのツールを活用する事例を増やせるか。

そんな、ナイトレイは2017年2月27日、ニッセイ・キャピタルおよびSMBCベンチャーキャピタル、レジェンド・パートナーズを引受先とした第三者割当増資を実施し、総額1.3億円の資金調達を実施したと発表しました。

この資金調達はまさに開発営業のリソース増強を目的としています。顧客の課題を吸収し、使えるコンテンツや機能を開発する。 利用企業が増えるほど力を増すナイトレイのしくみがいよいよ回転速度を上げていくことになりそうです。

【関連URL】
・Nightley Inc. | 株式会社ナイトレイ コーポレートサイト
http://nightley.jp

蛇足:僕はこう思ったッス
maskin-bit-2016 「inbound insight」で注目しているのが、株式会社ドコモ・インサイトマーケティングが提供する「モバイル空間統計」を活用した「統計データプラン」。なんとこのデータ、NTTドコモの携帯通信網が得たデータを詳細に得られるというもの。これを「inbound insight」ダッシュボードでの統合環境でブラウズできるようになるという。複数のデータを連携させれば、新たな事実が浮き彫りになるのは必至。各種位置情報系データを統合的に活用できるダッシュボードの強みは、時間が経つにつれ価値を帯びるのは間違いなさそう。

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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