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「写って欲しい人がピンボケ・・・残念過ぎる」。デジカメ趨勢の時代であって、残念な写真は一向に無くならない。しかし、シリコンバレー(MountaiView)のスタートアップLYTROのデジカメは、そんな心配は不要だ。なぜなら・・・上の写真のピンボケとなっている主役二人をマウスでクリックして欲しい。そう、LYTROで撮影した写真は、フォーカスを自由に変更できるのだ。これこそデジタルカメラの醍醐味と言う声が現地から聞こえてくる。
LYTROは、光学的技術によって多様な視点の撮影を可能にする。いちいちピントをあわせる必要がなくなるため、カメラの起動から撮影までの時間が非常に短くなるという特徴がある。LYTROは現在、カメラのリリースを準備中だ。
多様な視点からの映像表現が可能になることで、2Dのみならず3Dのアウトプットも実現可能。同社は冒頭に紹介したようなインタラクティブな写真を共有するサービスもあわせてリリースしたい考えだ。
米ブログメディアAllThingsによると、LYTROは、45人の従業員を抱え、すでに2年間で $5000万ドルの投資を受けているという。初期投資家にはインテュイットのScott Cook氏や VMwareのDiane Greene氏などがいるという。これがどれくらいの価格で市場投入されるかが焦点となる。
■ 関連URL
・Light Field camera | Lytro
http://www.lytro.com/
強大なデジタルイノベーションは、いつもハードとソフトとの関係性から生まれている。LYTROの場合は、光照射野技術の発想を、デジタルイノベーションが受け皿となり具現化した製品といえるだろう。こういった構図(ハード&ソフト→技術的革新性)のスタートアップは日本は極端に少ない。これは技術者がいないとかいう問題ではなく、フロンティアを目刺す意思の違いにあるように思う。
どうしてこのようなことが可能かと言うと、スタンフォード大で開発されたLight Fieldと呼ばれる技術を採用しているから。これまでのカメラはすべての光線を1つの光としてとらえるが、実際には光線はいろいろな角度に向いて反射されているもの。
Lytroのカメラは、細かなセンサーを幾つも搭載しており、人や物体が反射する光線の色、方向、強さなどを察知し、1つの写真として合成する。簡単に言ってしまえば、部屋の中に数百個のカメラを設置し、同時にシャッターを押して撮影した数百の写真データを統合しているようなものだ。いろいろな角度からいろいろな場所にフォーカスした写真データが集められているから、静止画として統合したあともクリック1つでフォーカスの場所を変更することが可能なわけだ。
Lytro社によると、年内にも「消費者向けに競争力のある価格帯で」この技術を搭載したカメラを発売する予定という。
コードも書けるジャーナリスト。イベントオーガナイザー・DJ・作詞家。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代は週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーでベンチャー起業に参画。帰国後、ネットエイジで複数のスタートアップに関与。フリーで関心空間、富裕層SNSのnileport、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。“IT業界なら地方で成功すべき”という信念で宇都宮市から子育てしながら全国・世界で活動中。 / ソーシャルアプリ部主宰。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。