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サイバーエージェントグループの100%子会社でカップリング事業を展開するマッチングエージェント社は2018年1月5日、同社の主力アプリ「タップル誕生」の会員数が300万人を突破したと発表しました。 AndroidもiOSもマッチング系アプリでの売り上げは国内最大。会費は男性のみ月額3900円(複数月契約で割引あり・追加有料オプションあり)。男女比率は公開されていませんが、有料会員を全体の5分の1程度だと仮定しても、ストアの手数量を差し引いても10〜20億円規模の売り上げ誇ることになります。
今回、サイバーエージェントマッチング事業ユニオン(カップリングユニオン)リーダーであり、マッチングエージェント代表 代表取締役社長の合田武広 氏にこの1年の成長と今後の抱負について話を伺いました。前編に続き、後編をどうぞ。
残るサービス・消えるサービス
サイバーエージェントグループのマッチング事業を束ねる「カップリングユニオン」(参考「サイバーエージェント4本目の柱を目指す「カップリング事業」横断組織統括リーダー 合田武広 氏の戦い @maskin」)が立ち上がったのはちょうど1年前。
この一年を振り返ってみれば、タップル誕生がこの一年の伸びは会員数(売り上げも比例して)1.5倍や1.8倍というパフォーマンスを出している一方で、サイバーエージェントのマッチング事業の横断組織「カップリングユニオン」の中にはサービス終了に追い込まれるものも出てきている状況でした。
「タップル誕生は伸びました。ただ、一方で新規の難しさを感じた1年でもありました」(マッチングエージェント代表 代表取締役社長 合田武広 氏)。
「例えば、ゲーム事業を展開するアプリボット社が新たに手がけた顔認識人工知能技術を使ってマッチングをする「Qunme(キュンミー)」は、サービス開始の2016年9月からおよそ1年ほどでサービスを終了することになってしまったんです。そこで感じたのはマッチングアプリはゲームとは違うんだな、ということでした。
彼らは運用で伸ばしていけると考えていたんですがそれがうまくいかなかったんです。やはり、マッチングアプリのようなコミュニティサービスはユーザーが聞いたときに「あ、俺、これつかってみたい」と思わせるような世界観が大事だなと改めてわかったんです。
一方でカップリングユニオンなかで比較的うまくいっているのは、すれ違った人と出会える「CROSS ME(クロスミー)」や顔のパーツなどのタイプで好みを選べる「mim」のように、聞いててわかりやすい世界観があるものにはユーザーがついてくる印象があります。
マッチングサービスはどうしても似てきてしまう部分があり、カップリングユニオンではCROSSMEは知っていてタップル誕生は知らない、という人も顕在化していることから、それぞれがそれぞれの市場を切り開いているとは思うのですが、まだまだという状況。今後はプロモーションの手法もそうですし、事業のてこ入れもしたい。それぞれの事業でしかできないことをもっとやって市場を広げていきたいと思うんです」(合田氏)。
カップリングユニオンの進む道
合田氏率いるカップリングユニオンの方向性を示す一つの取り組みが、すれ違いの出会いを演出する「CROSS ME(クロスミー)」の取り組みです(参考「すれ違いを恋のきっかけにするマッチングアプリ「CROSS ME(クロスミー)」、 国内初となる新機能 同じ空間にいる人同士がマッチングする「CROSS ME SPOT」の提供を開始」)。
「これはセクションエイトが運営するバー「The Public stand」の全店舗(銀座店、渋谷店、六本木店、歌舞伎町店、恵比寿店)に、スマホが反応するBeaconを設置して、近くに通り過ぎると「お店にこんな人がいます」といった通知が届くなどの期間限定の取り組みです。タップル誕生は趣味でつながるサービスですが、場所でつながるサービスである「CROSS ME(クロスミー)」ならではの道といえます。こうした取り組みを幅広く、かつポイントの規模を大きくしていきたいと考えています」(合田氏)。
“クラブ” じゃない。等身大の普通の出会いという世界観
会員数が300万人を突破した「タップル誕生」は少なくとも月に5500人以上がカップル成立しているといいます。
名実ともに日本のマッチング市場で存在感を出し始めたサイバーエージェントの「カップリングユニオン」。このような実験的ではあるが刺激的な取り組みも、過去の“出会い系”の文脈とは全く異なる形で受け入れられ始めています。
「まだまだ、日本ではマッチング事業は“怪しいモノ”という印象が拭えていないと思います。しかし、変化は生まれています。だからこそ、マッチングという体験をもっとカジュアルにしていきたいという理念を突き通したい。それがノンバーバル(非言語)のデザインで直感的にボタンを押せるような世界観だったり、本当は使いたいんだけどどんなサービスかわからなくて一歩を踏み出せない人に対する訴求であったりします。
大切なのは、よくメンバーにも話すのは、クラブのような敷居が高い場所ではないということです。出会いや恋愛は特別なものではなく、もっとカジュアルに有意義なものにしたいと思うんです。タップル誕生で言えば、10人に1くらいが知ってもらいたい。ユーザー規模は3倍いや5倍、1500万会員にはいきたいですね。」(合田氏)。
【関連URL】
・タップル誕生 – 趣味でつながる恋活サービス
https://tapple.me
・CyberAgent COUPLING UNION – CAグループが運営するマッチングサービス
https://couplingunion.com
蛇足:僕はこう思ったッス
タップル誕生における月間カップル成立数は5500人以上という数字がでているが、実はこれは導線的には非常に深い場所にある退会手続きを申し込んだ数だけにとどまっているという。その手続きに「彼女ができたので退会する」という項目があるのだとか。ただ、これは退会し、データを削除するところまでやる手続きであり、月額課金を止めただけで、退会処理を止めていないユーザーもかなりの数に上るを見られている。それだけ多くの人が有料会員でなくなってしまうなんて!と個人的に思うだが、よくよく振り返れば、彼らが学生時代に手がけた「FaceMatch」はまさにそこまでをカバーしたサービスだったことを思い出した。