前回に引き続き、パネル討論会のもようをポッドキャストで。
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共に突き抜ける
7月10日に行われた第3回時事通信テクノロジーセミナー「爆発するソーシャルメディア」のパネル討論会の模様をポッドキャストでお送りします。このパネル討論会では、ツイッターを利用した情報の双方向のやりとりが非常に面白く、多くのブログで取り上げていただきました。ざっと挙げるとこんな感じ。
「めちゃくちゃよかったんですがー 特にパネルディスカッション。いままで参加したなかで一番かと」
「あんな面白いパネルは未体験でした。セミナー自体がUGCでしたね」
「新しいセミナーの形を見た気がします」
「今まで参加したどのパネルディスカッションよりも面白かったです」
「ものすんごく 面白かったです」
「なんかニコニコ動画みたいなセミナーだw」
「もしかしたら セミナーのあり方が変わる歴史的場面に居合わせているのでは」
creazy photographというブログは、このセミナーに関する長文のエントリーを上げてくれています。またツイッターのログが残っています。ログを読みながらポッドキャストを聞いてもおもしろいかもしれません。
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先日の時事通信テクノロジーセミナーでtwitterを利用し非常に好評だったわけだが、その際に何人かが「twitterってマスメディア的なものと融合させることができるのではないか」という感想を書いていた。1対多のマスメディア的情報発信を補完する形でtwitterのような情報の双方向の場を提供することが、放送と通信の融合の1つの形になるのではないか、というようなことなんだろう。
多くの人がそうした考えを持つということは、世の中でだれかが既に取り組んでいると考えて間違いない。
ということで、出ました!佐賀新聞が運営する全国高校総体支援サイトに、twitter型サービス「タイムログ」がのっかりました!
ラジオ番組とのコラボなども企画中らいし。スゴすぎ!
twitter系サービスって2ヶ月ほどでみんな飽きるんじゃないかって言われてたけど、まだまだ利用者が増えているみたいだし、ひょっとすると広く普及するかも。
以下、発表文をコピペします。
佐賀新聞社とナノティが、コラボレーション
青春・佐賀総体の応援サイト「そーたいっ!ひびログ」をオープン
佐賀新聞の特設サイトとミニブログ「Timelog」が相互連携株式会社佐賀新聞社(本社:佐賀県佐賀市、代表取締役社長:中尾清一郎、以下佐賀新聞社)と、ナノティ株式会社(本社:静岡県焼津市、代表取締役社長:服部達也、以下ナノティ)は、7 月 24 日、同 28 日に佐賀県で開幕する「2007 青春・佐賀総体(全国高校総体)」の、キャンペーンサイト「そーたいっ!ひびログ」のサービスを開始しました。
同サイトは、ナノティが提供するミニブログサービス「Timelog」をベースにし、高校総体バージョンとしてカスタマイズ。佐賀新聞社が展開する、「青春・佐賀総体 熱烈応援サイト」との、シームレスなコンテンツ連動を図り、ニュースコンテンツとユーザーが書き込む高校総体情報(CGM)が共存する情報サイトを目指します。
サイトでは、「がばい応援」「勝手に速報」「がんばる宣言」「おすすめ情報」という、基本タグを用意し、さらに競技毎のタグなどで、書き込みをカテゴライズできるようにデザインしています。さらに、Twitter 系のサービスなどでお馴染みの、人工会話ロボット「酢鶏」(協力:LINKTHINK)も参加、佐賀総体バージョンとして、佐賀弁での会話を繰り広げます。
利用には、無料会員登録が必要ですが、佐賀新聞社が提供する SNS サービス「ひびの」と、ナノティが提供するTimelogの会員は、既存パスワードでのログインが可能になります。
告知を頼まれましたので・・・。デジタルジャーナリズム研究会が下記のようなイベントを開くそうです。実は僕も同研究会の討論会に1度出席しました。非常にレベルの高い議論が交わされていて、びっくりしました。ほんとはもっと積極的に参加したかったのですが、討論会はいつも週末に行われていて、家族至上主義のユカワとしましてはなかなか難しかったわけです。
本も出たそうで、いろいろな意味で1つの区切りになったような、ならないような。
「メディア・イノベーションの衝撃」刊行記念シンポ
「検証:ポピュリズムか集合知か ネット選挙の行く末」情報ネットワーク法学会・デジタルジャーナリズム研究会では、「メディア・イノベーションの衝撃 爆発するパーソナル・コンテンツと溶解する新聞型ビジネス」の刊行を記念して、シンポジウム「検証:ポピュリズムか集合知か ネット選挙の行く末」を、現在行われている参議院選挙の投開票日翌日の7月30日午後6時30分から上智大学で行います。
ブログやSNS、ポッドキャストや動画共有サイトYouTubeなどの登場により、選挙が大きく変わろうとしています。2005年夏の郵政解散選挙は
「ネット選挙」と呼ばれ、ブログとの関係が注目されたきっかけになりました。先ごろ行われた都知事選挙ではYouTubeに政見放送がアップされ話題にな
り、アメリカで行われている大統領選挙ではSNSやTwitterが重要な役割を果たし、YouTubeを活用した討論会も開かれています。いまや無視できなくなりつつある選挙とインターネットの関係について、参院選の結果も踏まえつつ、可能性や問題点、新聞・テレビなどの既存メディアとの違いなどについて議論する予定です。
モデレーター(司会)は、上智大学新聞学科橋場義之教授
パネリストは、ジャーナリスト・佐々木俊尚、駒澤大学グローバルメディアスタディーズ学部山口浩准教授、ブロガー藤代裕之です◆アジェンダ◆
・ネット選挙の可能性、問題点
・マスメディアの選挙報道の問題とネットの関係
・広がるマスメディアのネットで上での取り組み
・ネット「世論」の影響力と存在感を増すミドルメディア
・政党のネット活用術と広報戦略
・集合知は成立するのか(予測市場、Yahoo!みんなの政治など)
・アメリカのネット選挙と日本の展望などを予定しています。
◆会場◆
上智大学四谷キャンパス7号館14階特別会議室
受付開始は午後6時からです。◆参加費◆
500円(会場費として。大学生・大学院生は無料)◆メディアイノベーションの衝撃について◆
「メディア・イノベーションの衝撃」(7月23日発売)は、昨年5月にスタートした研究会の連続討論をまとめたものです。ジャーナリスト、研究者、ブロ
ガー、マーケターら延べ30人以上が参加して60時間以上にわたり、インターネットの登場によるメディアの変化、Google登場の意味、集合知やネット
世論の操作などについて討論したものです(FPNメンバーの一部も討論に参加しています)。
岩手の猛者、上路(じょうじ)健介氏は、フラッシュ技術者として日本のトップレベルに入る。それでも上路氏はITの最先端で戦おうとはしない。最先端の開発競争の中で勝ち残った技術や仕組みを、おしゃれに、使いやすく改良し、より多くの人に喜んでもらうのが自分の使命だと考えているからだ。
確かにWeb2.0と呼ばれるような画期的なサービスが次々登場しているが、果たして社会の何%の人がそうした最新のサービスを使いこなせているのだろう。最新の技術革新の恩恵を受けているのはわずか一握りのパワーユーザーだけで、社会の大半の人はいまだにその便利さ、楽しさを享受できないままなのではなかろうか。
マスコミ人として、マスと呼ばれる社会の大半の人たちにITの便利さを届けられる立場に自分はある。上路氏はそう考えて、自分なりの「放送と通信の融合」を仕掛けてきた。 これまで「KIKERUツールバー」「話題連動型広告」など、放送局向けに幾つかのサービス、仕組みを開発してきた。アイデアはまだまだある。
先日、幕張メッセで開催された「Interop」では、上路氏の講演は満席となり、講演後には放送局や電機メーカー関係者らが名刺交換のための長蛇の列を作った。その後、上路氏のところには無数の協業話が寄せられているという。
岩手放送という1企業の枠を超え、マスコミ業界のIT化もけん引するようになった上路氏。今後の活躍から目が離せない。
「インターネットの発展に寄与するWeb人」に贈られるというWeb広告研究会が主催する
「第5回 Webクリエーションアウォード」の一次審査に上路氏がノミネートされた。こういう人こそ受賞してもらいたいと思います。
次世代広告テクノロジーのアマゾンでの予約受付が始まったんだけど、もう既に76位になっている。見本刷りさえ、まだ僕の手元に届いていないというのに・・・。すごい・・・。
ネット業界の暴れん坊、猪子寿之氏率いるチームラボから「チームラボ、今度は、iPhoneに対抗します」と過激な(笑)発表文が送られてきた。この発表文は、猪子さんが自ら書いたに違いない・・・。
いつも応援して頂き、ありがとうございます。チームラボの猪子です。
チームラボは、ケータイのインターフェイスを革新させます。
今回、au Design projectから、チームラボがactface(アクトフェイス)
[リズムとプレイ]というケータイの新しいコンセプトモデルを発表することになりました。7/31(火)18:00~19:00には、私、猪子が、坂井直樹さんとのスペシャルトークショーを行いますので、是非とも足をお運びして頂ければと思っています。
7/31 (火) ~9/2 (日)原宿のKDDIデザイニングスタジオにて、展示
http://www.au.kddi.com/au_design_project/
アップルから、iPhoneが出て、ケータイだけは日本が進んでいると言っていたことが、もはや過去のもののように聞こえます。
ウォークマンのような、世界中が、ワクワクするようなものは、日本から出てきていません。きっと世界中の人は、日本には未来のヒントがないのではないかと思い始めるかもしれません。
そんな未来が、来ないよう、日本から、新しい概念のケータイを世界に向けて、提案できればと思っています。チームラボは、インターフェイスを革新させます。
もちろん、iPhoneも、インターフェイスを革新させました。
それは、世界中の人々が、驚嘆したほど、新しく、かっこいいものでした。チームラボは、iPhoneとは、真逆の革新をします。
それは、きっと、日本からしか出ないような革新、それでいて、世界に届くような革新。
そして、それこそが、日本が、まだ世界の未来を創れるんだと思えるヒントになると思っております。
チームラボは「花紅(ハナクレナイ)」(動画サンプルはこちら)という、水墨画の和の世界にスヌーピーが登場する非常にアーティスティックな作品を手がけるほど、優れたデザイン能力も持ち合わせている。でもiPhoneの真逆の革新って、どんなんだろう?
小川浩さんの近著「フィードがグーグルの世界制覇を阻止する―ウェブからリアルへの逆流が始まった」を読んでます。まだ読み終わってないんだけど、感じたことをメモしながら読み進もうと思う。
「グーグル脅威論」があまりに強くなりすぎたので、反対に「グーグルもまだ入ってきていない領域がある」という感じで反論しているのが、僕の「爆発するソーシャルメディア セカンドライフからモバゲータウンまで グーグルを超えるウェブの新潮流 [ソフトバンク新書]」(ソフトバンク新書)であり、小川さんのこの本でもある。僕は、「現在のグーグル検索エンジンはクローズドなソーシャルメディアの中には入ってこれないし、ケータイの領域ではそれほど強くない」と指摘し、小川さんは「フィードはグーグルにとっては非常に検索しづらいトラフィックである」と主張する。
まあ今後の展開の予測としては、小川さんも僕も似たり寄ったり。「これからはソーシャルメディアの時代だ」「これからはフィードの時代だ」という一見異なる予測は、実は同じ予想図を違う断面で切り取っているだけに過ぎないのだと思う。
ただ僕の本と比べての大きな違いは、小川さんがウェブをこれからも情報収集の主流ツールである、という観点から本を書いているところ。これは佐々木俊尚さんの一連の本も同じ。
いえ、決してそれが間違っていると言ってるわけではありません。その通りこれからも主要情報収集ツールであり続けるでしょう。そしてその観点でウェブを語ることも、今まで通り重要だろう。
僕はただ、情報収集に前向きな働き盛りのビジネスマンの視点も大事だが、それ以上に「表現し、評価され、集う」ためのツールとしてもインターネットの利用がさらに進むのだと主張しているわけです。効率よく情報収集する人のためのネットでもあるが、効率なんてクソくらえ、ゆるーく楽しくやりた~い、という人のためのネットという側面が急拡大しているのではないか、と思うわけであります。
まあ、真面目なお2人と、ふざけた湯川という性格的な違いもあるのかもしれませんが(笑)。
まだ全部読んでいないのに、もう書評を書いてしまいました(汗)。
追記:「ブログやSNSはフィードに置き換わっていく可能性が高い」P147
ほんとにそうだろうか。確かに情報感度の高い人は、RSSリーダーを使っているけど、世間一般にはRSSリーダーの利用率はまだまだ少ない。RSSリーダーやマイページがもっと普及しない限り、ブログ、SNSがフィードに置き換わる可能性は低いように思うが・・・。小川さん、コメント欄に反論ちょうだい。
追記:この本には小川さんの「フィードでやったるでー!!」感が満ち満ちていて、自信たっぷりの断言が読んでいて気持ちいい。でもところどころ「ほんまにそうなるんかいな」という読後感があるのも、まあ事実。
追記:小川さんからの返事が来た!その一部を以下にコピペ。
「RSSリーダーやマイページがもっと普及しない限り、ブログ、SNSがフィードに置き換わる可能性は低いように思うが・・・。小川さん、コメント欄に反論ちょうだい。」とあるので、アンサリングしてみる(笑)。しかもFeedで。
僕自身はFeedリーダーとか、Feed検索というようなサービスが世に広がっていくということを言っているのではなく、RSS/AtomのようなXMLベース、時間情報を持ちセマンティックなデータ記述方式による言語が作るトラフィックをフィード、と呼んでいる。従って、現時点でのBlogやSNSのように、HTML、あるいはXHTMLベースのトラフィックのうち、相当量をFeedが
奪っていく、とは思っている。ただしそれは、アプリの形をしているものではない。インターネットが、ゴーファやFTPなどからWebに移ったように、
Webもまた、ある部分はFeed にとってかわられるところがある、と考えている。全部置き換わると言っているわけではなく、WebよりFeed
が優れているところはFeed が使われるようになる、そういうバランスの取り方をしていく、と思っている。
なるほどで、サービスの話をしてるんじゃなくて、記述形式の話をしてるんだね。そういう意味では確かに、これからはフィードの時代になる、というのは納得。
また、セカンドライフに代表される、ネット上のコミュニティで楽しむことを否定はしないし、今後もさまざまな形でそれらは存在すると思う
が、僕自身はあまり興味がない。実際にひとと話し、表情をみて、体全体から感じる質感を大事にしたいし、それを楽しんでいる。セカンドライフの中でスー
パーカーに乗るより、リアルな世界で軽自動車に乗る方がまだ愉快だ。少なくとも僕は。その意味で、僕はネットをリアルに活かすためのより良い手段を提供することを仕事にしたいと思っている。
これも自分の志向、立ち位置をはっきりしていて、いいのではなかろうかと思います。
先週、小川浩さんのイベントで紹介してもらったオリックス生命の「まっすぐな気持ち」というサイト。(急に音が出るので、職場でアクセスする際には注意が必要です。)
「母から息子へ」と「妻から夫へ」という2編のショートムービーが載っているんだけど、どちらも見ているとウルウルなってくる。ホント、いいなあ、こういうの。歳を取ると涙腺がゆるくなるんだろうか、涙もろくなっている>自分。
ITの潮流を探るのもいいんだけど、こうした人の琴線に触れる仕事、人に感動を与えることにできる仕事をしたいなぁ。
企業のためのRSSマーケティング 宣伝・広報・販売の現場で使えるフィード活用術
監修が、尊敬するインフォバーンの小林弘人さんじゃなかったら読まなかったと思う。RSSの実務書なんで、自分には関係ないかなと。
以前小林さんにお話をうかがった際に、「シンジケート」という米国のカンファレンスがおもしろい、とおっしゃってた。そのカンファレンスの講演者にほれこんで小林さん自らがアプローチし、日本向けに書き直してもらったのが、この本。
小林さんがほれ込むだけあって、実務書としては完璧。RSSマーケティングに乗り出そうという企業には最適の書だと思う。最新の情報も盛り込まれているし。小川浩さんの開発したmodiphiのことも載っていた。スゲッ!
ただやはり現状はRSSの利用というとRSSリーダーを通じた利用が主流。そのRSSリーダーってパワーユーザー以外の人にはちょっと敷居が高いのではなかろうか。RSSなどのフィードがウェブの血液のように広く利用されるようになるのは間違いないので、早めに取り掛かるという手はありかもしれないが・・・。
でもマイページやカジェット(ウィジェット)がもっと一般に普及したあとに、マイページやガジェットに情報を配信するパイプとしてRSSはどうよ、という感じの話を著者から聞きたいところ。そういう意味では、少し早過ぎる出版のような気もする。