「ブログをやっていて一番よかったことは」と聞かれると、迷わず「すばらしい人たちと出会えたこと」と答えるようにしている。住太陽(すみ・もとはる)さんは、そんな会えてよかったと思える人物の一人である。
見た目は暴力団関係者かヤンキーの兄ちゃん(失礼!)。こちらがちょっとドキドキしながら話すと、非常に温和な話し方をする。気弱にも映る。
で、「なんだコイツ。ヘタレ(大阪弁で度胸のない人のこと)か」(失礼!)と思っていると、芯の通った発言に驚かされる。
しばらく話しているとそのまっすぐな人間性に心動かされてしまう。2度会っただけだが、すっかりファンになってしまった。尊敬していると言ってもいい。
その住さんが、第19回堺自由都市文学賞を受賞した。小説など書いたこともない住さんが、である。高校卒業後、職を転々とし、「職業は?」と聞くと、「なんでしょうね。自分でもよく分からないんです」と答える風来坊のような住さんが、である。いや、さまざまな体験を経た住さんだからこそ、受賞できたのだろう。
住さんのmixiの日記で、文学賞に応募したこと、1次審査を通ったことを知ったとき、なぜか「住さんなら絶対に受賞するだろうな」という確信に近い思いを抱いた。
そして予想通りの快挙である。
「洗濯屋 他人の垢で 飯を食い」。自虐の川柳を口にし、鬱々(うつうつ)と過ごすクリーニング店の二代目。父は手仕事を守り続けるが、需要の落
ち込みと格安店に客を奪われ、先が見えない。そんなある日、客の一言に希望を見いだす。「ええ仕事や。腕のいい店には、いずれ客が戻る」
(中略)
「人生は想像もつかない展開を見せる。希望はある。だからあきらめず、固定観念にとらわれず」。自らに重ねて語る言葉は、書き続けたいという小説のテーマでもある。「人を取り巻く環境は、とらえ方次第で明るくも暗くもなることを伝えたかった」と言う。
僕も住さんのように、人に希望を与える仕事をしたいなあ。
進め!住太陽!!
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