わたしの会社に対する帰属意識が薄れてきたのは、いつからだろう。10年ほど前は自分のアイデンティティの中核をなしていたのが、自分の職業であり、自分の会社だった。同僚と酒をくみ交わしジャーナリズムに関する議論を繰り返すことが、何よりも楽しかった。
今は同じ会社の人や業界関係者と飲みに行くことはほとんどない。昼食もほとんど毎日一人で食べる。仕事で修羅場を一緒にくぐり抜けた先輩や仲間は、一人また一人といなくなり、会社に友と呼べる人がほとんどいなくなった。
どうしてこうなったのだろう。よく分からない。自称「大物ジャーナリスト」に幻滅したからなのかもしれない。ジャーナリズムを語ることに興味を失ったからからなのかもしれない。
アーカイブ 7月 2008
やっと書き終えた。フー。
コード名「広報本」「広告本」の2冊です。
「広報本」は時事通信社出版局から秋口に出版されます。正式名は未定です。テレビ局や新聞社の広告収入が低下し始めるなどメディアがいよいよ激変期に突入しそうな兆しなんですが、その中で広報担当者はどうするべきか、ということがテーマです。
江戸川大学の濱田先生、ネットイヤーの石黒さん、ニューズ・ツー・ユーの神原さん、プラスアルファの鈴村さんとの共著です。僕は編著者。生まれて初めて編集者の真似事をしました。いやー編集者って結構大変な仕事ですね。
自分自身工人舎を買って結構満足しているし、EeePCより工人舎のほうが絶対にいいって書いたんだけど、EeePC901ってすご過ぎる気が・・・。ひょっとしてもう少し待ってからミニノートを買ったほうがよかったのか。そういえばどこかの雑誌にミニノートは夏以降ATOMが出てから買ったほうがいいって書いてたっけ。
本日より、2、3日、EeePC901を使い倒す予定。会社のサイトの企画でiPhoneレビューが結構評判よかったということで、引き続き、いろいろなガジェットのレビューをすることになった。iPhoneの次はミニノートということで、HP、EeePC、工人舎、D4と実機を試すことになった。なんていい仕事なんだ。なんていい会社なんだ。というより担当の土屋くん、ありがとう。
で、ちょっと触ってみた感想はというと、ちょっとヤバイ。EeePCの問題点だったディスクの容量のなさがある程度改良されているし、見た目も結構おされになっている。
会社のサイト上で連載しているiPhoneコラムですが、3本目がアップされました。
湯川鶴章のコラム「iPhone、一般ビジネスマンにとって、その価値は?」
第3回 猛暑の中、iPhoneの地図アプリを試してみた
こんなくだけた原稿でも会社のサイトに載せてもらえるんだ。ちょっとびっくり。
笑福亭鶴瓶さんがよく「おもろくなりたい!」と絶叫していた。僕も単調な毎日は耐えられないほうなので、何かおもしろいことはないか探している。仕事も、とにかくおもしろことをしたいといつも考えている。で、「デイリーポータルZ」のウェブマスター林雄司さんのインタビュー記事を読んで、感動しました。こんなふうになりたい。
なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか? (瀧口範子著)を読んだ。
瀧口さんとは10年以上もおつきあいさせていただいている。なので僕自身は、懐かしい友人からの近況報告という感じでこの本を楽しく読めた。
でも一般的読者はこの本から何をつかむべきなのだろうか。何を学ぶべきなんだろうか。
シリコンバレーは、世界中の他の場所とは明らかに異なる雰囲気、ルール、考え方で支配されている。そのことはこの本を読めば明らかだ。
しかし「へーそうなんだ」ということ以外に、この本が伝えるシリコンバレーの現状から、われわれは何を得ればいいのだろうか。
得ることは何もないのではなかろうか。得るものがないと思えるほどに、日本とシリコンバレーは明らかに大きく異なる。どちらも2008年の「今」を進行中であるにもかかわらず、まるで歴史の違う時代を生きているような錯覚にさえ陥る。
しかし確実にシリコンバレーは21世紀の、情報化時代の産業の中心地になりつつある。21世紀の世界の産業がシリコンバレーを核に回っていくであろうことは、ほぼ確定したのではないだろうか。
一時はシリコンバレーのような先端技術の集積地を日本に作ろうと考える人たちがいた。日本だけではない。世界中の先進国が自国版シリコンバレーを作ろうと躍起になった。しかし、シリコンバレーと肩を並べるような成功事例は一つも出てこなかった。
シリコンバレーは、先端技術の「太陽」になったのだ。世界中の優秀な人材や資金、知識は、すべてこの太陽に引き付けられ始めたのだ。
太陽は1つでいい。だからどの先進国も自国版シリコンバレーを作れなかった。
シリコンバレー的なものを自国に作れないのであれば、どうすればいいのだろう。
インドや台湾、中国は、シリコンバレーという太陽を核に回る惑星のような地位をつかんだ。シリコンバレーという太陽とともに、インド、台湾、中国は成長していくのだろう。
日本はどうすればいいんだろう。
日本の戦略が見えてこない。
ということで会社のサイトに原稿を書きました。あくまでもnon-techie向けということで、はてブで評価されることは絶対にないだろうなというような記事ですが・・・。
湯川鶴章のコラム「iPhone、一般ビジネスマンにとって、その価値は?」
第2回 家族との週末で大活躍、ただし電池切れに
窓際社員としては少しでも社に貢献できてうれしい。いや、ほんとに。
発売されても見送るとか、日本でiPhoneはお勧めできないとか、いい加減なことばかり言ってましたが、本日、発売日に入手しました。
といっても買ったのではなくて、会社がソフトバンクから取材用に借りたもの。だれが記事を書くのかということになり、僕に白羽の矢がブスリと。(実はうれしかったりして)
その代わり、2週間ほどに渡って何本か書かないといけないようです。
「ガジェット好きな人向けではなく、一般ビジネスマン向け原稿を」といわれたので、こんな原稿になりました。ガジェット好きな僕なのに、これはちょっと難しいリクエストであります。
それで動画なんかも撮られてしまって、会社のニュースサイトに僕の顔写真が出ていたり、暑い中、むさくるしい顔を出して申し訳ありません。動画何本あるんだろう。だれが僕の顔ばかり見るというのか。
追記:ゲッ今見ると9本もアップされている!
メディアとはコミュニティのことである。
もう何年もそう考えてきた。コンテンツが格納されたデータベースを核に人が集い、集った人が発信する情報がコンテンツの付加価値なる。集った人に対しては、ウェブだけではなく、紙やケータイ、リアルのイベンドなど、あらゆるものでリーチする。リーチできるものはすべてメディアとなり、メディア上では広告、物販、課金、寄付のうち、もっとも適したマネタイズ手法が展開される。そう思ってきた。
メディアを紙や電波、ネットのみととらえ、コンテンツは販売するもの、という発想から脱却しない限り既存のメディア企業に未来はない、と業界関係者を相手に主張し続けてきた。残念ながらほとんど理解してもらえていないのが現状かも知れないけれど。
昨日「クラウドコンピューティングは連携の時代へ」というエントリを書いて、MarkeZineに「クチコミマーケは専門業者に委託すれば吉とでる!?」という記事を寄稿した。両方の記事を書きながら、こうした話の周辺にビジネスチャンスが結構あるんじゃないかと考えていた。
アマゾン、グーグル、salesforceなど提供するクラウドコンピューティングというのは、いわばOSのようなものになるのだろうな、と思う。security、reliability、scalebilityなどの共通機能部分は、すべてプラットホーム提供事業者に任せておいて、その上で自分の得意領域のシステムを作り、安価なSaaSとして提供する、というのが、これからのビジネスモデルの1つになるのだろう。