デジタルサイネージとは簡単に言えば、街頭や店舗、公共の空間などで表示されているポスターや案内表示、看板などを、紙ではなく薄型ディスプレーに置き換えたものである。液晶パネル、プラズマパネル、有機ELパネルなど、薄型テレビに使われるような薄型ディスプレーの急速な価格低下を受けて、ポスターの代わりに薄型ディスプレーを使うケースが増えてきているわけだ。
ハイビジョンテレビを見ても分かるように多くの薄型ディスプレーは色や細部の表現力が非常に優れており、紙のポスターと見間違うほどの表現力を持っている。中には紙よりもきれいという評価もあるほどだ。
またディスプレーなので、動画を表示することが当然可能。しかしもともと紙のポスターなどの代わりに設置されるものなので、テレビのように動きの早い動画が必ずしも求めれられているわけではない。例えばファーストフード店の注文カウンターの背面の天井近くにデジタルサイネージのメニューを掲げるケースが米国では増えてきているが、朝食メニューとランチメニューが時間帯によって入れ替わったり、キャンペーン中のお勧めメニューの部分だけ少し動きのある画像になっている程度。デジタル化されたというだけで、あくまでもサインなのである。
アーカイブ2008
「プロファイルパスポート」という経済産業省主導の情報大航海プロジェクトの一環のプロジェクトの記者会見に出た。詳しくはいろんなメディアが記事にしているので、そちらをどうぞ。
簡単にいえば、消費者が意識的、無意識の両方の形で発信する各種情報を集積させて個人の属性を把握し、マーケティングに役立てるという話。
もちろん時代はその方向に進んでいるので、研究開発領域としては間違っていない。
でもアメリカでは、ある程度の枠組みはもう出来上がっていて、ネット企業各社がその枠組みにどうつながっていくのか、ということを検討し始めている段階。
1からそういう枠組み作りが可能かどうかを実験している場合ではなく、完成しつつある枠組みにどう関係していくかを検討するほうが重要なんではなかろうか。
それとも「日本の国益を考えれば、日本の企業だけで枠組みを1から作り上げることこそが重要である」とでも考えているのだろうか。
多くの人が指摘していることだけど、情報大航海プロジェクトって、どうも???な気がする。グーグル脅威論に振り回されているんじゃないだろうか。
わたしが今回のアメリカ取材ではっきりと再認識したのは、1社が強引に市場を独占できる時代は終わったのだということ。多くのアメリカ人エンジニアと議論したけれど、ほとんどの人がその時代の変化を認識していた。
時代が変化したと考えるその根拠は、1つには技術革新が速すぎて規模の大きな企業にとって不利な状況が続いていること。2つ目は、人々がネットを通じて簡単につながれるので、多くの人が反対するような状況を強引に作り出せば、あっという間に反対勢力が形成されてしまうから。インターネットの商業利用があと5年早ければ、リナックスがウィンドウズの独占を阻止していたのではないだろうか。3つ目は、急速な技術革新がパイを急速に拡大させているので、他社の利益を奪い取らなくても参加者全員に利益が行き渡るから。他社を蹴落とそうとするより、他社と手を取り合って進んだほうが実は得るものが多い、ということをみんなが実感できるようになったからだ。
グーグルの人が「グーグルvsマイクロソフトとか、グーグルvs電通とかいう物の見方って間違っている。戦う必要なんかない」というようなことを言うけど、それは本当にその通りだと思う。時代の主導権を握る唯一の方法は、多くの人に多くの便益を与え、多くの人に受け入れられることしかない。強引にユーザーを囲い込んで暴利をむさぼることは、もう不可能な時代になったのだと思う。
先週末に2週間の米国取材から帰国しました。デジタルサイネージ・エキスポとオムニチュア・サミットを中心に取材してきました。非常にエキサイティングな取材でした。取材の結果はもちろん原稿にまとめるつもりなんだけど、だれかに話したくてうずうずしています。
ということで本日から1月間の期間限定で、広告とマーケティングの未来に関する講演を格安の講演料でお受けしたいと思っています。ご興味のある方、ご連絡ください。
追記:早速問い合わせをいただき始めました。ありがとうございます!幾つかご質問にお答えします。社内セミナーもちろん大歓迎。小規模な勉強会でも、マン・ツー・マンでもOKです。原稿、レポートの執筆依頼もOK。今回はスケジュールが合わないという理由以外では断りませんので、過去にお断りしたことのある方でも(その節は失礼しました)、ぜひご連絡ください。内容は、街頭メディアとウェブ解析までが1つにつながった「360度マーケティング」という新しいパラダイムがその具体的な姿を見せ始めた、というお話です。広告、マーケティングは完全にテクノロジーになろうとしています。新たなビジネスチャンスも見えてきています。Omniture Summitに一緒に参加した、あんけいさんも早速エントリーをアップされています。あんけいさんのエントリーを読んで思ったのですが、Googleでさえ追いつけない新しい領域が急速に広がっているような気がしています。単なる勘でしかないのですが・・・。
追記:講演が確定し始めました。参加を希望される方はこちらから。
前向きなブログを書いている人はみんな気づいていることで、ブログを書いていない人に話してもなかなか理解されない真実がある。それは「継続は力であり、継続しているといいことがたくさん起きる」ということだ。
いいことの幾つかの具体例を挙げると、「会いたい人に会えるようになる」というのがあるけれど、出版社から本のオファーがくるというのもある。
今、Life is beautifulの中島聡さんの「おもてなしの経営学」という本を読んでるんだけど、ちょっと気になることがあったのでLife is beautifulの過去エントリーにアクセスしたら、こんな記事があった。「アルファ・ブロガーはなぜ本を書くことになるのか?」
AMN主催のブロガー勉強会が17日(月)の夜に開催されるそうなんですが、僕もほかの3人のブロガーと一緒に簡単なプレゼンをすることにしました。
「ブログ、ポッドキャストをやってても会社から何も言われないのですか?」「本業は何やってるんですか?ていうか会社の仕事しているんですか?」「何の目的でやってるんですか?名前を売ってフリーになろうと考えてるんでしょ」などという質問をよくいただくので、そうした質問にお答えしたいと思います。
とはいっても僕の場合はケースが非常に特殊なんで、会社公認のブログをやりたいと思っている人にはあまり参考にならないかも。
でもブログって本当にいいですよ、ということは伝えたい。ホント、本当にいいですよ!
もうしこみはコチラ。会費3000円ということですが、それは懇親会をワリカンで行うためだそうです。それがいいよね。
PR系ブロガー懇親会の仕掛け人の一人、
エデルマン・ジャパンの矢嶋さんから「ACフォーラム」のことを教えていただいた。メディアの多様化の中で、広告、広報、インターネット、販促という枠組みを超えた新しいコミュニケーションの形を模索するために有志が集まったフォーラムだとか。
最近の取材テーマにぴったんこなんで参加したいところなんだけど、ちょっと忙しくて無理なんで、ご紹介だけしておきます。http://www.ac-f.net/
位置測定技術Place Engineを開発したクウジット株式会社末吉隆彦さんにお話を聞いた。取材したのが1月29日。公開が非常に遅くなりました。すみません。
PlaceEngineといえば、iPod Touch向けに開発を始めたという発表で話題になりました。トーキョードリフトのみなさんも取材に行ったビデオを早速アップされています。
僕の周りでもおかっぱ頭のホンダくんがこのニュースを受けて早速iPod Touchを購入しました。確かに現在地の地図をiPod Touchで表示できれば便利だろうなあ。以前ケータイのGPS機能を使った地図の有料サービスを使っていたことがあったけど、やはり画面が小さくて使いづらい。それに大きな地下街やビルの中では使えなかったり、使えたとしても、地下街やビルのどの部分にいるのかは分からなかった。大きな地下街って結構分かりづらくて、僕は迷子になることが多いんです。
PlaceEngineを使えば、理論的には自分がビルの何階にいるのかまで分かるので、便利になるんだろうなあ。まあそのためには、ユーザーが増えて無線LANのパターン情報が多く蓄積されなければならないんだろうけど。果たしてPlaceEngine目当てでiPod Touchを買ったホンダくんは、満足できるのだろうか。おかっぱ頭のホンダくんからの報告を待ちたいと思います。
【注意】最初のビデオは4分ほどのハイライト版です。ハイライト版はビデオポッドキャストとしても配信しています。そのあとの小さなウインドーのビデオは、ほとんど無編集です。1本10分以内で、今回は4本あります。全編ご覧になりたい方は順番にご覧ください。
ビルコム株式会社の太田滋さんに、これからの広報業務に関するお話をうかがった。広告効果の低迷などの要因で、広報業務の重要性が増す、というのが太田さんの考え。
僕はどう考えているかというと、広報業務の重要性は増すか減少するかの岐路にたっていると思う。太田さんのように、新しい領域へ果敢に挑戦していけば広報業務は企業内でますます重要な位置を占めていくだろう。でも反対に「記者と酒を飲むのが広報の最重要の仕事だ」と考える人がするような広報業務は、今後重要性が減少するだろう。
【注意】最初のビデオは4分ほどのハイライト版です。ハイライト版はビデオポッドキャストとしても配信しています。
そのあとの小さなウインドーのビデオは、ほとんど無編集です。1本10分以内で、今回は3本あります。全編ご覧になりたい方は順番にご覧ください。
広報がマーケティングの中核になるというお話。音声ポッドキャスト向けのファイルです。
ウェブ解析ツール大手オムニチュアの水嶋ディノさんのお話。広告、マーケティングがテクノロジーになっていくのがよく分かる。ビデオ版とテキストはこちら。