ブロガー名刺がほしいなとずっと思っていたんです。このブログも実名だし、あっちこっちで顔出ししているんで、別に匿名の名刺は必要ないんですが、なんか自分の会社の名刺が堅苦しく感じてて、いやだなと思ってました。ブログ関連のイベントに行けば、ブロガー名刺をもらったりすることも多くなってきたので、そろそろ作りたいと思ってました。
ネットでブロガー名刺と検索すれば、前川企画印刷さんのことが出てきたので、僕も作りました!
トラックバックを遅れば100枚1000円。僕はカラーにしたので1300円でした。
今はこの名刺を配りたくて仕方がない。なんかすぐに参加できるブロガーイベントないかなあ。
アーカイブ2009
メディア業界は今後、こう進むべき、という話。今まではあまり社外で話してこなかったんだけど、うちの会社は別の戦略が必要な段階に入ってきたし、メディア業界にはこの提案が役に立つ社もあるかもしれないと思って公開することにしました。やはり大きな意味でメディア業界にはお世話になってきたので、がんばって進化しようとしているメディア人の追い風になれば、と思っています。先日、某地方紙へ行って心ある人たちのがんばりを見て、できれば力になりたいと思うようになりました。
コラムへのリンクはここ。
twitterに代表されるようなRealTeimWeb(関連記事)がパラダイムシフトを起こす可能性があると考えています。まだ可能性だけの段階なんですが、実際にパラダイムシフトを起こせばメディア、広告、ネット業界のビジネスに大きな影響を与えるわけで、前もってその可能性を調べておく必要があるのではないかと思います。
そこで時事通信では以下のようなセミナーを企画しました。
決して、「twitterで儲けましょう」というような内容ではありません。もっと大きな潮流を学ぶ勉強会にしたいと思っています。実際に、わたしはtwitterよりfacebookがRealTimeWebの中核になるのではないかと考えています。
【お知らせ】
時事通信社では、「『リアルタイムウェブ徹底研究』出張セミナー」を実施します。
概要は以下の通りです。
対象
オンラインメディア企業、オンライン広告会社、その他ウェブ関連企業、ベンチャー企業
セミナー内容
潮流の解説。リアルタイムウェブ関連の欧米企業の動向。
日本企業としての対応策の提案
形態
出張セミナー。湯川鶴章編集委員を御社に派遣します。
開催プラン例
出張セミナーは3回で1セット。一回目は30人ほどを対象に概論の講演。2回目は、その一週間後に現場担当者数人を対象にした小規模なもの。3回目は、2回目で出たフィードバックをベースに、さらに掘り下げた情報について議論する小人数の勉強会的なもの。
費用
上のプランの場合、3回1セットで50万円プラス経費(必要な場合は旅費など)となります。
詳細はご相談ください。
お問い合わせは デジタルメディア事業本部 加瀬林まで media@grp.jiji.co.jp
【第3回】グーグルとDr.Emailで文章を確認
前回はtwitterで頻繁につぶやくことで英語脳になる、という話をしたが、今回はそのつぶやく際に便利なツールを幾つか紹介しよう。
▼つぶやく前にグーグルで検索
twitterでつぶやく前に、フレーズごとグーグルで検索する癖をつけたい。グーグルで検索すれば、実際にそのフレーズで合っているのかどうか、参考例が一瞬にして出てくる。
この際にグーグルは日本語版ではなく英語版を使おう。iPhoneでグーグルにアクセスすると日本語版が自動的に表示されるが、日本語版のページの下にgoogle.com in Englishとあるので、そこをクリックすれば英語版が表示される。
わたしはグーグルを多用するので、画面下の「+」マークをクリックして、「ホーム画面に追加」を選択し、ホーム画面にグーグルの日本語版と英語版の両方を
アイコンとして表示させている。そしてちょっと自信のないフレーズに関しては、フレーズごとグーグルの英語版ですぐに検索できるようにしてある。
▼日本人は冠詞が苦手
多くの日本人は、英語の冠詞が苦手である。米国でESL(英語を母国語としない生徒・学生の英語補修制度/English as a Second
Language)の教師に聞いたことろ、どうやら他の外国人に比べ日本人は冠詞の間違いが最も多いのだそうだ。日本語には「a」「the」のような冠詞
がないので苦手なことは分かるのだが、他の外国人にはそれほど問題でないということは少々驚きだった。
それはさておき、「図書館へ行った」とつぶやくときは「I went to library」なのだろうか、「I went to a library」なのだろうか。それとも「I went to the library」なのだろうか。図書館は1個、2個と数えることができる物なので、やはり「a」が必要になるような気がするが、確か「学校に行く」という表現は「I go to school」だった。「a」が不要なのだ。
でも「I go to
school」は、単に「学校という建物へ行く」という意味ではなく、「学校へ勉強しに行く」という意味の慣用句だから「a」は要らないというような話
だったような気がする。図書館へは勉強しに行ったのだが、慣用句ではないから「a」か「the」が必要だろう。中学で「初出はa、2度目以降はthe」と
いうように習った記憶がある。図書館のことをつぶやくのは今回が初めてなのだから、やはり「a」か。
読者のみなさんは、このように迷ったことはないだろうか。そんなときはグーグル英語版でぜひ検索していただきたい。
試しに検索窓に「I went to
library」というフレーズを入れて検索すると、「I」「went」「to」「library」を含むページのリストが無数に表示される。ざっと見て
みると、見出しなどでは「I went to library」というのはあるが、本文中に出てくるフレーズとしては「I went to the
library」が圧倒的に多い。実際にページにアクセスしてみると、文章の初出であっても「the」がついていることがわかる。
▼図書館の冠詞が「the」になる理由
実はわたし自身、学生時代にこの表現で一度アメリカ人の友人から間違いを指摘されたことがある。その友人への手紙の中で「I went to a
library」と書いたら、次にその友人に会ったときにその手紙を見せてくれて「I went to the
libraryが正しいんだよ」と教えてくれた。
「でも文章の中で
libraryという言葉が出てきたのは初めて。theをつけるのは2度目以降じゃないのか」と聞いてみた。彼はなんとか違いを説明しようとしてくれた
が、結局うまく説明できないようだった。そして「とにかくこういう場合はtheなんだよ」と言い放った。彼にとっては、あまりに当たり前過ぎることなん
で、うまく説明できなかったのだろう。
このことがあってから「初出はa、次以降はthe」というルール以外の別のルールがあるのではないかと思い、冠詞に注意を払うようになった。
今でも残念ながら冠詞の使い方を完璧に理解しているとは言いがたいのだが、ぼんやりと分かってきたのは「I go to
school」というような単に「行く」ということ以上の意味(この場合は「勉強しに行く」という意味だが)を持つ慣用句の場合は冠詞が省略されることが
ある。「I go to
church」も同じだ。教会という建物へ行くという意味ではなく、礼拝に行くという意味で使われるので「a」や「the」が省かれるのだ。
そうした別の意味を持つ場合を除き、単純に建物や場所へ行くという意味の場合、その物が数えることができる場合には必ず冠詞がつく。そして冠詞は、自分と相手が同じ物を想定している場合は「the」になるのだ、ということだ。
「図書館へ行った」ということを同じ大学の友人に言えば、相手は大学の図書館を想定する。だから「the」なのだ。
家の近くに公共図書館があり、家族や近所の人に「図書館へ行った」と言う場合は、みんな近くの公共図書館を想定する。だから「the」なのである。どの図書館かを示ししているかを共に認識しているから、「その」図書館でいいわけだ。
ところが東京のような大都会で、図書館を探し、見つけた場合はI found a
libraryとなる。「とある」図書館ということを強調したい場合はaになるのだ。「とある」という意味を強調する必要がない場合は、図書館に限っては
theとするほうが一般的だと考えていいだろう。
▼つぶやきはDr.Emailで書く
わたしは米国で通算20年間生活した。20年も住んでいたのに「英語ができません」と言うのもちょっと恥ずかしい。そこで堂々と「英語をしゃべれます」
「バイリンガルです」と公言している。しかし実は、スペルや文法はからっきしだめである。細かいことが苦手という性格的なものがあるのかもしれないが、ほ
んとうにひどいものだと自分でも思う。
そこで英語で文章を書く上でスペルチェッ
カーは欠かせない。gmailなどのパソコン上のメールサービスにはスペルチェッカーが付いているので、パソコンで英語を書くときにはそれを利用している
が、iPhoneで英語の文章を書く際にはDr.Emailという115円で購入したアプリを利用している。
iPhoneの基本ソフト自体に簡単なスペルチェック機能がついていて、正しいスペルを提案してくれるときもあるが、どういうわけかすべての単語について提案してくれるわけではない。そこでスペルに自信のない単語はDr.Emailを使って確認するようにしている。
またDr.Emailには文法チェック機能がついていて、文章を書き終わってgrammarボタンを押すと、問題がなければCORRECT、間違っていれ
ばWRONGと表示される。WRONGの場合は、問題の箇所に「?」マークが表示されるので、その部分の表現を考え直し、CORRECTと表示されるまで
いろいろな表現を試せばいい。
▼状況に合った「つぶやき」を引き出せれば「英語ができる」ということ
iPhone的英語勉強法
無料で生きた英語を勉強しよう
【第2回】twitterで英語脳になろう
▼ちょっとした時間のすき間に英語でつぶやく
ネット上にtwitterというサービスがある。twitとは「つぶやく」、という意味。文字通り140文字内で自分のふとした思いつきを「つぶやく」というサービスだ。
それで?
それだけだ。
わたし自身、多いときで一日に数十回つぶやくが、「何がおもしろいの?」と聞かれると、何がおもしろいのか自分でもよく分からない。「twitterには
まっている」と言う周りの友人たちに何がおもしろいのかを聞いても、ほとんどの人が「さあ、よく分からない」という。それでも流行っている。ものすごく流
行っている。あまりに多くの人が同時に使うので、サーバーがダウンすることも珍しくない。
つぶやく内容はなんでもいい。「お腹すいた」でもいいし、「うちの上司ときたら」という愚痴でもいい。「今、下のスタバでお茶してます」という現状報告でもいい。
さてそのtwitterを使って英語で発信するというのが、非常に効果的な英語学習法になる、とわたしは考えている。「I am hungry」「my
boss makes me mad」「I am downstairs at Starbucks having
coffee」などと、ことあるごとに英語でつぶやくのである。1日に10回以上、英語でつぶやくのを半年も続ければ、英語で考えることが習慣づけられ
る。気がつけば、英語で考える癖がつく。英語脳になるわけだ。
また別の利用方法
もある。わたしは英語のブログを読んでいて、「この表現を覚えたいな」というフレーズに出会えば、それを何度か「口でつぶやく」という練習したあと、
twitterで「文字でつぶやく」ようにしている。こうしておけば、過去の自分のtwitterの「つぶやき」だけを表示させて復習することも可能だ。
「こんなふうにつぶやきたいんだけど、何と言えばいいんだろう」というときは、適当に自分で英作文するよりは、native
speakerが何と言っているのかを調べるべきだ。関連するキーワードや、その類義語でtwitterを検索したり、googleのブログ検索を使って
検索し、native speakerがどんな表現を使っているのかみて、それをほとんど借用し、一部変更して、「つぶやく」のがいいだろう。
また時間のあるときは、できるだけnative
speakerのつぶやきを読んでいこう。流し読みしていると、以前「何と言えばいいんだろう」と思ったシチュエーションにふさわしい「つぶやき」に出く
わすことがある。こうした生きた英語の表現をメモし、自分のものにするのである。
英語を学ぶ上で、単語を適当に並べて自分なりの文章を適当に作っていては絶対にだめだと思う。間違った表現になったり、変なニュアンスになってしまう。大
事なのは、native
speakerのつぶやきそのものを覚えること。このシチュエーション(場面、局面)にはこのつぶやきという具合に、シチュエーションとつぶやきをパッ
ケージにして覚えてしまうことが英語上達の秘訣である。
▼まずはtwitterにアカウントを開設してみよう
さてそれでは実際にtwitterのアカウントの開設から、使い方、iPhoneで利用できるtwitterアプリの具体的な説明をしよう。
インターネットには英語学習に最適の教材が無数に存在する。しかもそのほとんどが無料で入手できる。またネット上では、外国人と英語で直接コミュニケー
ションできるし、友人になることだってできる。こうした環境を利用したインターネット時代ならではの英語の勉強法を紹介したい。タイトルにあるように
iPhoneを使った勉強法を中心に書いていくが、iPhoneがなくても十分に勉強できるような方法を紹介していきたい。
わたし自身iPhoneを愛用しているのだが、つくづくiPhoneというのは英語の学習に最適なツールだと思う。なぜそう思うのかというと、(1)モバ
イル性(2)英語入力の簡単さ(3)英語圏のサービスの利用のしやすさ-の3つの要素を満たしているからだ。それぞれあとでもう少し詳しく述べるとして、
まずわたしが考えるインターネット時代の英語学習法について説明したい。
▼強い目的意識がなくても英語はできるようになる
「英語を身につけたいのであれば、強い目的意識を持って学習すべきだ」という意見をよく耳にする。外国語をマスターするには、長期間に渡って努力を続けな
ければならないので、そのためには強い目的意識が必要だ、ということなのだろう。でもそれってインターネットが普及する前の話ではないだろうか。
ネットが普及する前までは、日本に住む多くの日本人にとって英語は日常の生活とあまり関係のない存在だった。しかし、今ではネット上で英語の新聞記事を読
めるし、英語のラジオ放送を聞くこともできる。英語の動画も非常に多く存在する。ネットを通じて英語のnative
speakerとも友人になれるし、海外旅行などで知り合った外国人の友人ともネット上で友人関係を維持できる。日本にいながら、外国生活の一部、「擬似
外国生活」を体験できるわけだ。
そしてこの「擬似外国生活」を自分の生活の一部に取り入れることが、英語を上達させる早道だと思う。またたとえ一時的に英語が上手になった人でも、生活の一部に英語を取り入れなければ英語はすぐにだめになる。
これは本当にそうだ。言語は使っていなければ、あっと言う間にレベルが下がってしまう。わたしは19歳から40歳まで主に米国で生活したのだが、帰国後
10年近くたった今、自分の英語力はかなり低下した。本当にその低下のスピードに驚くばかりだ。約20年も米国で生活したわたしでもそうなのだから、国内
で勉強しただけの英語力ではなおさらそうだろう。
そうならないためには、「擬似
外国生活」を維持することが重要なのだと思う。日本語の生活と英語の生活を同時並行的に保つことで、英語は身につく。生活の中に「擬似外国生活」を取り入
れることがインターネットを通じて可能になったし、そうすることこそがネット時代にふさわしい英語学習法だろう。
▼iPhoneが英語学習に最適な理由
さてそうした擬似外国生活を送るうえで、なぜiPhoneが最適なのか。
最近twitterでニュースを確認することが増えてきた。このところ地震が続いているが、大きな揺れを感じたらテレビをつけると同時にiPhoneで「地震」というキーワードでtwitter検索する癖がすっかりついてしまった。
少し前に日本でもtwitterのユーザー数が30万人になったという記事を読んだが、自分のfollower数の増加のペースを見てもまだまだ急速な増
加が続いているのが分かる。同僚は「昨日、朝日新聞のtwitterアカウントのfollowerが6万人だったのに、今日見たら7万人になってました」
と驚きながら報告してくれた。
twitterが日本国民全体に広がるかどうかは疑問だが、この勢いならネット好きのユーザーの輪を超えて、情報感度の高い一般ビジネスマン層ぐらいにまでは十分に普及しそうだ。
▼普及すればするほど高まるtwitter検索の価値
情報感度の高い一般ビジネスマン層ぐらいにまで普及するとtwitter検索が、がぜん便利になると思われる。既にその兆候は見られるが、例えば「地震」
を感じた直後に「地震」「揺れ」というキーワードで検索すると「地震だ、すごく揺れている」というつぶやきが既に数多くアップされている。しばらくすると
今度は「NHKによると震度6.6」などという報道機関からの情報もいち早くアップされるようになる。
最近話題の酒井法子容疑者の覚せい剤の事件も「のりピー」という言葉で検索すると、一般紙からスポーツ紙、テレビのワイドショーの情報まで、ありとあらゆる情報へのリンクを見つけることができる。
こうしてみるとtwitter検索には、3つの特長があることが分かる。まず「地震だ」というような一般ユーザーの一次情報が入手できるということ。「本棚から本が落ちた」などという生の声を直接得ることができるのは、貴重なことだと思う。
2つ目は、多くの一般ユーザーによって収集された非常に多くの2次情報を入手できるということ。無数の一般ユーザーが、編集者のように、テレビ、新聞、雑
誌などから得た情報を集めてくるのである。編集者2、3人のニュースサイトとは、比べ物にならない量の情報が集まるわけだ。
3つ目は、情報がほぼリアルタイムであるということ。googleやyahoo!の検索は、コンピューターがネット上全体を巡回して収集するのだが、人気
サイトなど重要性が高いと認識されるサイトは比較的頻繁に巡回するものの、一般ユーザーの情報発信となると何週間に一度程度の頻度でしか巡回しない場合が
ある。一般ユーザーの情報発信の速報性においてgoogleを上回るわけだ。
twitterがより広く普及すれば、こうした特長を生かした情報サービスもいろいろと生まれてくるのではないかと思われる。
▼twitterで作る新しい情報サービス
twitterがいち早く普及した米国では、twitterの特長を生かした各種情報サービスが既に始まっている。
NTTドコモがこのほど、日本初のグーグルフォンHT-03Aを発売した。gmailやグーグルマップなどの米グーグルのサービスが非常に快適に使えるが、一方でi-modeは使えないし、やはり日本のケータイとは趣が異なる。
米アップルのiPhoneもこのほど、ソフトバンクを通じて新型のiPhone3GSを発売した。前回の機種iPhone3Gの発売の際に購入したのは
アッ プルのファンやIT業界の人が多かったが、今回の新機種3GS発売の際には、わたしの周りの一般的なビジネスマンの間でも購入する人が増えてきた。
さてこうした米国製技術をベースにした携帯電話が、日本の携帯電話市場をどう変えていくのだろう。日本市場を席巻するようになるのだろうか。
わたしの知り合いのIT業界関係者の多くは「ノー」と言う。ITベンチャーの経営者が集まるイベント「Infinity Ventures
Summit」の昨年秋の会合で、司会者が参加者300人ほどの会場に同様の質問をしたところ、「イエス」に挙手した人はほとんどいなかった。
確
かにあれほど話題になったiPhoneでも、爆発的に売れているという状態ではなさそうだ。ソフトバンク関係者はアップルとの秘密保持契約を理由に正式な
販売台数を語ろうとはしないが、業界内では「100万台売れたかどうかという程度」という見方が主流だ。競合する携帯電話事業者の関係者も「iPhone
に市場を奪われるのではないかとヒヤヒヤしたが、それほどでもなかったので安心した」と胸をなぜ下ろしている。
わたしも「日本のケータイ産業は世界の最先端を走っている。iPhone、グーグルフォン、恐るるに足らず」と長い間考えていた。
しかし最近は考えが変わってきた。そう遠くない将来に米国勢のモバイル機器の技術が日本の携帯電話産業を席巻するのではないか、と思うようになってきた。
年末商戦までにAppleがタブレット型のインターネット端末を発売するうわさを裏付けるような話が次々と出てきている。最新のは英ファイナンシャル・タイムズの記事。
iPod Touchのような機械なんだけど、画面が最大で10インチぐらいになるという。電話なし、無線LANあり。App Store利用可。ということらしい。大きめのiPod Touchじゃん。
大事なのは、このタブレットでiPod Touchとは異なるエクスペリエンスを提唱しようということ。
記事によると、このタブレット発売に併せて、音楽を1曲づつではなくアルバムとして販売するスキームも提供すべく音楽レーベルと交渉しているのだという。
タブレット型機器といえば、マイクロソフトがタブレットPCを長年手掛けているけど、今ひとつパッとしないんですけど・・・。Appleマジックで今度こそ成功させることができるのだろうか。
まあどのような用途を提案するかにかかっているのかもしれないとは思う。マイクロソトのタブレットPCは医療現場なんかでいいですよって感じで、仕事向けの機器という用途のイメージで売り出した。そしてパッとしなかった。
アマゾンのキンドルも、タッチスクリーンじゃないけど、まあタブレット機器。キンドルは米ユーザーの間で評判がいい。本を読むという用途のためにオンラインサービスまでを含めた一貫したエクスペリエンスをパッケージとして提供できたからなんだろうなあ。やっぱりハード、ソフト、オンラインサービスと別々に考えるのではなく、すべてをパッケージとして一貫したエクスペリエンス、ライフスタイルを提唱することが大事なんだろう。
で、Appleのタブレットは、主にエンタテーメントの用途でオンラインサービスまでパッケージするもよう。アルバムとして楽曲を楽しむエクスペリエンスをよみがえらせる、いや、それを超えるものを提供しようとしているらしい。アーティストの写真や歌詞をうまくパッケージして、音楽を聞きながら写真や歌詞を楽しめるものにしようということなんだろう。
記事の中では、エンタテーメント業界の関係者の話として「映画を見てもすごいんだぜ」的なコメントが引用されている。出版業界関係者も電子ブックリーダーとして期待をかけているという。アマゾンがキンドルで書籍の領域で一人勝ちする前に、「待った!」をかけようということなんだろう。
昨日のエントリで、iPhoneのApp Storeの成功でgoogle、Microsoftだけではなくsoftbank連合もアプリ市場の覇権争いに加わったって話を書いたけど、そうした覇権争いも数年で意味がなくなるよ、ってGoogleの人が言っている。
BusinessWeekの記事によると、サンフランシスコで開催されたイベントでgoogleの人がモバイルの領域でも専用アプリではなくブラウザが主要プラットフォームになるという。
Google’s vice-president of engineering, Vic Gundotra, told a San
Francisco technology conference on July 16 that the Web, not
downloadable apps, is the future of smartphones. "Over the next several
years, the browser … will become the platform that matters," Gundotra
said during a panel discussion.
同じサービスを提供する上で、専用アプリを作るのとブラウザでアクセスできるウェブページとして提供するのではどう違うんだろう?
一ユーザーとしての使用感を言わせてもらえれば、専用アプリのほうが立ち上がりが早い気がするし、サクサク動く気がする。以下、同様に専用アプリの現時点での優位点を挙げる。
ブラウザは情報を表示するにはいいんだけど、それ以上の機能、例えば自動的にGPS機能を動作させるとか、お財布ケータイのFelicaチップを動かす、とかのことはできない(と思うんだけど、どうでしょうか、専門家の読者の皆さん。まあgoogleの人は、そういうこともいずれブラウザでできるようになる、と考えているのでしょうが)。
それにブラウザは電波のあるところでないとまったく利用できないけど、アプリは電波を必要する作業以外は、電波なくても利用できる(当たり前か)。例えば、僕はiPhone上のメモツールとして、アプリベースのevernoteとブラウザベースのgoogle notebookの両方を使っている。google notebookのほうが長年使っていて情報が蓄積されているので、できればgoogle notebookに一本化したいんだけど、google notebookは電波がないところでは開くこともできない。
次にブラウザの優位点。
iPhoneのアプリはiPhone専用に作ってあるのでいいんだけど、日本のケータイアプリは画面の半分くらいにしか表示されないことがある。これは機種によって画面の大きさが違うので、どの機種でも表示できるように最も小さい画面の機種か、最も広く普及している画面サイズに合わせて作ってある。これって結構イヤ。せっかく大きな画面のケータイを買ったんだから、画面いっぱいに表示してほしい。ブラウザでサービスを提供すると、この問題が解消される。どの機種で見たって画面いっぱいに情報を表示してくれる。
開発者にとっても、iPhone用、windows mobile用、android用、softbank率いるJoint Innovation Lab用と幾つも作るのは大変なんじゃないかなあ。ブラウザ用サイトも機種ごとに作らないといけないようだけど、アプリを幾つも作るよりは楽なのだと思う。googleの人はこの点を特に問題視していて、モバイルの領域でもいずれすべてのサービスはブラウザベースで提供されるようになる、と考えているようだ。
Googleってやっぱり戦いの場を、ハードやソフトではなく、広告やマーケティングの領域に持っていこうとしているように思えるなあ。