首都圏を中心に約2000室以上の遊休施設を1時間あたり500円〜といったリーズナブルな価格帯で借りることができるサービス「スペイシー」。
この度、スペイシーは、スマートロック事業で企業などに多数の導入事例を持つ「Akerun」を運営するフォトシンスと連携して、無人で運営できるシステムを導入しました。
[もっと読む…] about シェア会議室の運営を無人化、スペイシーがAkerun連携で実現
共に突き抜ける
首都圏を中心に約2000室以上の遊休施設を1時間あたり500円〜といったリーズナブルな価格帯で借りることができるサービス「スペイシー」。
この度、スペイシーは、スマートロック事業で企業などに多数の導入事例を持つ「Akerun」を運営するフォトシンスと連携して、無人で運営できるシステムを導入しました。
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世界最大の消費財メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社。所属するマーケターにも最高峰の人材が集い、育成・輩出した人材にも枚挙に暇がない。この度編集部は、ad:tech kobeのボードメンバーを務める、同社ブランドオペレーションズのメディアブランドマネージャー日髙由香子氏へのインタビューに成功した。
—神戸という街は外資系企業も多く集まるところですが、企業間の交流は活発なのでしょうか。
行政の働きかけなどいろいろな機会はあるようですが、現場レベルでとなると意外と少ないですね。ご近所の外資系企業の方ですら、日常ではなかなか交流がないので、ad:techの会場でお話できるのをすごく楽しみにしています。“白鹿”で知られる辰馬本家酒造さんのような、全く業界や歴史が違う方も一堂に集うのは魅力です。デジタルマーケティングに積極的な企業の方々はもちろんですが、「うちはデジタルやっていないよ」という逆のお立場の方ともお会いしてみたいです。
−デジタルに携わっていない立場の方々とのコミュニケーションも期待されているのですね。
どなたにも参加して欲しいですからね。それにデジタルに対してよくわからなくて怖い、という空気感が業界側にもユーザー側にも出てきていると感じています。様々なハードルを乗り越えるために知識を持ちたいですし、怖がらずに学んでいきたいですよね。ad:tech kansaiをきっかけに、「この会社はこういうことを考えていたんだ」という理解や納得を得ることは大きな意義があると思います。
—デジタルは怖い、というイメージはやはり昨今問題化している広告の透明性のトピックにも関連しているのでしょうか
何かとネガティブな部分が取り沙汰されていますが、本来デジタルマーケティングはビジネスモデルを作り上げるにはとても有効なものだったはずです。武器であり、宝物なんです。お客様が買い物をする際にどのような プロセスを経ているのかはもちろん、何を迷っているのかまで見えてきます。そこからビジネスのヒントであるインサイトを読み解いていくんです。ヒントを解読するために企業側は勉強しなければなりませんし、しっかり読み解けるデータにするためには業界全体で透明化を図っていくことも大切です。将来的にはテレビの視聴ですらトラッキングができるようになってくるでしょう。ただ、今はまだそこまでは難しいので、圧倒的に視聴時間の長いスマホの活用などが、ビジネスを語る上では肝ですよね。
—その肝を抑えるきっかけとして、ぜひad:tech kansaiを活用していただきたいところです!
それこそ勉強のきっかけになればいいんですから、参加の時点でデジタルに関する全ての知識がある必要はありません。ad:tech kobeでは20代を盛り上げようという「U35」のテーマもありますから、若い人も気になったテーマのセッションには少しだけでも参加できるといいですよね。
—一方、アドテックの醍醐味の一つであるネットワーキングについて、若い人には苦手意識を持っている人が少なくないようです。外資系企業ではパーティーが多そうなイメージですが、楽しむコツなどはあるんでしょうか?
まず登壇者に興味を持ったらどんどん話しかけに行ってみればいいと思います。パーティーでのネットワーキングのコツは「輪の中心人物」を見つけることです。その人の周りに人が集まっているなら集まっている人にもじわじわと話しかけて輪の中に入っていけばよいですよ。せっかく色んな人と知り合えるチャンスですから一歩踏み出して声をかけみてください。登壇者ならスピーチの内容という共通の話題もあり、人も多く集まっているはずです。そこはパーティーですから節度を守りながらもお酒の力を借りて(笑)
—異業種の人とも知り合える一方、競合会社もいるのでは?と躊躇してしまう人はどうしたらいいでしょうか
それぞれの会社にとっての適切な情報管理というものは必要ですが、ネットワークは必ず後から財産となって返ってきますから、積極的に関わってほしいです。何か仕事で困ったことや誰かに相談したいことがあった時に、必ず力になります。社外に学生時代の友達以外の友人を持つのはとてもいいことですよ。さらに色々なところに顔を出すようになれば見知った顔も増えますし、友達の友達がどんどん繋がっていきます。
—心強いお言葉ありがとうございました!
日髙由香子
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社
ブランドオペレーションズ メディアブランドマネージャー
1998年プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパンに入社、SK-IIブランドに配属される。2002年にSK-IIグローバルデザイン・ブランドマネージャーとなり、数々のスキンケア製品を世に送り出す。SK-II、Olayなどのスキンケアブランドのマーケティングを経たのち、2011年よりP&Gジャパンのメディア担当。
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アドテック京都
日程:2017年7月18日(火)
場所:みやこメッセ
参加者数:1,800名+アドテック大阪
日程:2017年7月19日(水)
場所:堂島リバーフォーラム
参加者数:200名+アドテック神戶
日程:2017年7月20日(木)
場所:KIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戶)
参加者数:1,000名+
サニーサイドアップなど複数の独立系PRエージェンシーで外資系企業やスポーツイベントなどの広報を担当してきた端山裕樹氏は現在、辰馬本家酒造株式会社コミュニケーションデザイン部に在籍し、デジタルを始めとするコミュニケーションを担っています。「白鹿」という大きなブランドを持つ老舗企業のコミュニケーションについてお話を伺ってきました。
— 東京のPRエージェンシーから灘五郷の辰馬本家酒造へ。中々珍しい転身ですね。
神戸に地縁があったわけではないのですが、PR時代から続く人のご縁がきっかけでした。20年以上もPRエージェンシーに所属して、担当したことがない産業分野がなくなってしまったくらいでしたので、何か一つの分野に集中してみたいと思っていたタイミングでした。辰馬本家酒造という300年以上の歴史を持つ酒蔵でありながら、古いものに縛られずに新しいものを作ろうとするトップの考えに共感し、入社したんです。
—外部からと、インハウスでのコミュニケーションの違いはいかがでしょう?
PRエージェンシー時代にも酒蔵のPRは経験していて、白鹿としてのエッセンスを加えてニュースを作っていますが、発信の仕方はわかっていても、外部から企画を立てるのとインハウスで企画を立てるのはやはり大きな違いがありますね。エージェンシーはあくまで外から見た「面白いもの」を無邪気に攻めの姿勢で発信することができたのですが、社内の人間になってみると「それはできないな」と守りに入らざるを得なくなってくる。そこをどう乗り越えていくかがインハウスのポイント。乗り越えて攻めに転じられれば強みになります。
—具体的にはどのような施策を行なっていらっしゃるのですか?
今はまず「日本酒を飲んだことがない人」に日本酒を飲んでもらうための取り組みをしています。国税庁の調査(*)で、アルコールの摂取量のうち日本酒はおよそ6%だという結果が出ています。そうなると、日本酒同士で顧客の取り合いをしていても縮小していくばかりですから、残りの94%に対してコミュニケーションを取っていこうと。全国規模で日本酒を流通させている自分たちの立ち位置は「日本酒ビギナーの育成」だと、モノづくりからコトづくりへとシフトチェンジをしたんですね。お酒が美味しいのは当たり前、「米を笑いに!をテーマにお酒って楽しいよね」を作っていくことが私たちの大切な役割だと考えました。
その戦略の中では外国人も日本酒ビギナーという捉え方になります。初めての方にトライしてもらうという目的は一緒ですから、もちろん彼らもターゲットとして視野に入れています。そこで外国人が日本女性の美しさを感じる瞬間はいつなのかを調べたら、着物を着て日本酒を飲んでいる後姿のシルエットに魅力を感じるということがわかったので、花束をイメージした酒器を開発しました。さらに酒器だけでなく、日本酒のボトルを運ぶための配達袋を現代風にアレンジした商品を開発し、日本酒を取り巻くものを作っていく。これはインハウスじゃないとできない施策です。
—確かに、アクセサリー類まで開発するのは社内にいなければなかなかできない企画ですね。では、デジタルにも精通している端山さんが日本酒業界のデジタルコミュニケーションについて感じていることはありますか?
地酒メーカーのデジタル施策はフットワークが軽くていいものが多いですね。クラウドファンディングでお酒を作ったりなんていう施策もそうですし、InstagramやfacebookなどSNSをうまく活用して消費者とのコミュニケーションをとっています。情報デザインという観点からも地酒はわかりやすく、自分ゴト化されやすい。共感をうむインタラクティブな世界を地酒メーカーは先行して取り組んでいます。逆に今は大手酒造が出遅れていると思います。ターゲットに唯一直接メッセージを届けられるデジタルマーケティングには取り込んで行かなければいけません。私たちも今、「ソトノミ」というテーマを掲げて、SNSで流行しているグランピングにぴったりの日本酒を開発するなど、殻を打ち破るチャレンジをしています。
—ad:tech神戸ではキーノート講演に辰馬社長がご登壇されますが、そのあたりのお話も伺えるんでしょうか?
そのチャレンジの話はできるといいですね。私は伝統と伝承には違いがあると思っていて、伝承は変えてはいけないものだけど、伝統はイノベーションでどんどん変えていくべきだと考えているんです。何しろ灘(神戸・西宮)は江戸時代に「清酒」という大ヒット商品を生んだ街なんですよ。次々とビジネスを生んでいく力があるはずなんです。ですから、キーノートだけでなく、ad:tech関西全体を通じて「うちも同じ悩みがあるな」と共感をしてもらいたいと思うし、一緒にチャレンジできる企業間交流をぜひ生み出していきたいです。
—楽しみにしております!ありがとうございました(了)
(プロフィール)
端山裕樹
辰馬本家酒造株式会社 コミュニケーションデザイン部
プラップジャパンなど複数の独立系PRエージェンシーにおいて、外資系企業や国際スポーツイベントなどの広報を担当。その後、サニーサイドアップでは、PR本部副本部長として外資系消費財メーカー、食品、行政・官公庁などあらゆる企業、団体のコミュニケーション戦略の企画から実施までを行ってきた。また、同社の広報・IR部長としてセクションの立ち上げから、IPOのコミュニケーション戦略を統括。広報コンサルティング20年のキャリアを活かし、現在、350年以上続く伝統のある酒造メーカー「白鹿」のコミュニケーション戦略を担う。
(*)成人1人あたりの酒類販売数量表:
https://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/shiori-gaikyo/shiori/2016/pdf/006.pdf#page=4
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アドテック京都
日程:2017年7月18日(火)
場所:みやこメッセ
参加者数:1,800名+アドテック大阪
日程:2017年7月19日(水)
場所:堂島リバーフォーラム
参加者数:200名+アドテック神戶
日程:2017年7月20日(木)
場所:KIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戶)
参加者数:1,000名+
まずはStack Overflow 共同創業者
Jeff Atwood 氏のこの言葉から
どんなアプリケーションもJavaScriptで開発出来る、次第にそうなるだろう。
私たちのカリキュラムは JavaScript を使用するが特に JavaScript に依存してはいない。生徒たちはこの広大なテクノロジーという荒野を自分たちで探索して学ぶためのスキルを身につけ自信を付けることが出来る。私たちは基本に基づいて様々なものを構築することに注力しており、そのようなマインドセットを届けるのに JavaScript は最適な言語だと信じている。
なぜ JavaScript か?このような質問を非常に多く頂く。私たちの考えはこうだ。
– JavaScript は昔とは違う
JavaScript は過去10年で信じられないほど進歩した。過去のJavaScript に対する誤った知識は非常に多い。しかしながら、AJAXの登場により JavaScript が復活を遂げ、劇的に成熟していくこととなった。また、Nodeの登場によりブラウザー以外にも益々 JavaScript が適用できる範囲が広がった。
– JavaScript からは逃れることは出来ない!
Web アプリケーションの開発をする上では JavaScript は今のところ避けて通ることが出来ない。Ruby, PHPなどは避けて通れるが、JavaScript は決して避けて通れない。
全ての web ブラウザーは JavaScript エンジンがビルトインされている。このようなある意味アドバンテージのある言語は他にはない。これがすぐに変わることはないだろう。
– 初心者にも敷居が低い
JavaScript はプログラミングを始めるのにはすごく簡単な言語である。前述したが、web ブラウザーがあるコンピューターには既に JavaScript エンジンが備わっている。つまり、セットアップがとても簡単であり、すぐに JavaScript を書き始めることが出来る。必要なものはブラウザーとテキストエディタのみである。
– 高級言語ではない
JavaScript は 特別なコンパイラーやエディタを必要としないため高級言語ではなく、比較的早く実行でき、またクライアントサイドによる処理も可能である(通信やサーバーの負荷を抑えることが出来る)。
– JavaScript コミュニティは革新的、活動的、そして優位性が有る
過去3年で、JavaScript は完全に成熟しており、偽りなく正に full-stack 言語になりつつ有る。コンスタントに新しい、オープンソースのフレームワークやライブラリが登場し開発されている。A large portion of the most popular open-source repositories on GitHub are written in JavaScript. JavaScript は Github で最も人気のある言語であるだけではなく、去年と比較して 97% も伸びている。以下に Github 上で最も活発なリポジトリのグラフがあり、 JavaScript が圧倒的にリーダーになっている。
– JavaScript が遠くない将来を支配している
繰り返しになるが、JavaScript はブラウザーの言語である。ブラウザーは私たちの日常において切り離せないものであり離れることは出来ない。つまりは、JavaScriptからも離れることは出来ない。
更に、JavaScript は巨大で強力な多くの会社によってサポートされており、個人や1つの会社によってコントロールされることはないため、より持続性のある言語になる。
– 流れは Web アプリと Mobile アプリへ
ブラウザーは更に強力になり、通信はより安く信頼性が向上する。注目すべき点はネイティブアプリから web アプリと mobile アプリへ流れが変わってきていることだ。
– 最後に
プログラミングを学ぶことに興味を持ったあなた!是非お申し込みをお待ちしております!
JavaScript: The World’s Most Misunderstood Programming Language by Douglas Crockford
Quora: Why is JavaScript so popular?
The Principle of Least Power by Jeff Atwood
Why JavaScript: If You Could Learn Just One Programming Language, It Should Be JavaScript by Aziz Ali
オリジナル版はこちら。
現役マーケターが多くを占めるad:tech kansaiアドバイザリーボードメンバーなかで異彩を放つ京都大学IMS寄附研究部門 教授 木谷哲夫氏。アントレプレナーシップの専門家である彼が「今は圧倒的売り手市場」と語るその訳は一体なんなのでしょうか。勝てる売り手となるための戦略をお伺いしました。
— 京都は長い歴史を有する街だけに、スピード重視のベンチャーから遠い印象を抱きます
京都は伝統や観光というイメージが強いのでどうしても誤解されがちなんですが、ものづくり都市としてとても力を持っているんです。任天堂や京セラ、オムロン、ローム、村田製作所、島津製作所・・・名前をあげたらキリがないくらいに会社が多くあります。古くて大きい企業だけでなく、中小企業もあり、「京都試作ネット」というものづくり系ベンチャーには非常に心強いネットワークもあるんです。
—「京都試作ネット」とはどういったネットワークですか?
鋳物、金型、溶接、ありとあらゆるものづくりの会社が連なっているネットワークで、そこに行けばどんなものでもプロトタイプを作ってくれるというものです。実はこうしたネットワークこそが「起業するならシリコンバレーより京都」という大きなポイント。シリコンバレーのものづくり系ベンチャーがよくつまずくのが量産コストの見積もりミスなんですよ。アメリカはものづくりの第一線から退きつつあるから、生産の見積もりができずにアイディアが良くても量産で失敗する。クラウドファンディングでもよくトラブルになる部分です。しかし京都なら精緻なコスト見積もりができるからビジネスの設計が正確にできます。これは強い。
そのものづくりの基盤に支えられて、京都ではどんどん有望なベンチャー企業が生まれていっています。サウジアラビアなどから8億円の出資を獲得したGLMというスポーツカーのベンチャーもありますし、実際に私が大学で行なっている起業家を育てる1つのプログラムだけでも2年半で16社が創業、そのうち4社が資金調達に成功しています。
—素晴らしいですね!彼らが成功した秘訣は他にもあるのでしょうか?
実は日本中からベンチャーキャピタル関係者が京都に集まってきて情報収集をしているなんていう話を聞きます。日本で一番初めにできたベンチャーキャピタルの創業の地が京都だから、というのもあるかもしれませんが、投資家やVC自体が日本に増えてきていて、有望な投資先を我先にと奪い合っていて必死なんですよ。起業したい人には絶好のチャンスです。VRやドローン、3Dプリンタなど若いアイディアを実現しやすい分野が生まれてきているのも追い風でしょう。アイディアを持った学生が工学部などの技術を持った学生に声をかけて、さらに試作ネットに持ち込むといういい流れもできています。周囲を巻き込む力を持った魅力ある人が多いのかもしれませんね。
そして何よりの秘訣は成功したベンチャーは共通してグローバル重視ということです。マーケットが海外のほうがはるかに広いから「趣味のための商品」であっても十分な市場になるのです。それで海外の人に知ってもらうために、テキサスのサウス・バイ・サウスウエストなどに出展して話題になると「アメリカで話題になったから有望だ!」とますます日本のVCが集まってきてくれるんです。シリコンバレーは買い手市場になってしまっていてVCの人に会うだけでも大変なのにね。海外に情報発信することが日本国内での評判にも繋がるのでとても大切なんです。
—ベンチャー界がそんな盛り上がりを見せている京都でad:techが行われることについてはどうお考えでしょうか
マーケティングやブランディングの知見が関西に広まることは重要ですが、イベント自体は正直、私自身が初めてのad:techなので想像がついていないですね。でも、京都、大阪、神戸の企業が交わるのは必要なことです。よく外の人から「関西はひとつ」と言われますが、実際は「関西はひとつひとつ」でなんとなく経済圏が違う別々の都市なんです。そのせいか京都大学にビジネスの話を持ち込む大阪の会社、神戸の会社が全然ないので非常にもったいないと思っています。力のある大学がそれぞれ近くにあるからという理由以上に、経済圏の違いを言い訳にして近寄ってこない。でももう独立性を誇りにする時代はもう終わっているんです。今回のad:techではブロックチェーンもテーマとして扱いますが、京都大学には日銀の初代フィンテックセンター長を務めた岩下直行教授もいます。私もブロックチェーンには大きな可能性があると思っているので、もっと一緒に産学連携できる企業が増えればいいですね。
—そのきっかけになるイベントになるよう盛り上げていきましょう。ありがとうございました!(了)
(プロフィール)
木谷 哲夫
京都大学IMS寄附研究部門 教授
専門はアントレプレナーシップ、技術商業化、イノベーション マッキンゼーにて製造業・金融機関・通信業界における新規事業戦略、オペレーション改善プロジェクトなどを手がけ、日本興業銀行、メリル・リンチ・キャピタルマーケット(NY)、アリックス・パートナーズを経て現職。複数の大学発ベンチャー企業のアドバイザーを務めるほか、龍谷大学経済学部客員教授を兼務している。 東京大学法学部卒、シカゴ大学政治学博士前期課程修了(MA)、ペンシルバニア大学MBA。 著書に『独裁力 ビジネスパーソンのための権力学入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『成功はすべてコンセプトから始まる』(ダイヤモンド社)、『ケースで学ぶ 実戦 起業塾』(日本経済新聞出版社、編著)などがある。
(参考)
・京都試作ネット:https://www.kyoto-shisaku.com/
・GLM:https://glm.jp/jp/
・「京都にIoTスタートアップファンド、試作支援アクセラレータープログラムと共同展開 @maskin」
http://techwave.jp/archives/mbc-shisaku-1st-fund-in-kyoto-25670.html
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アドテック京都
日程:2017年7月18日(火)
場所:みやこメッセ
参加者数:1,800名+アドテック大阪
日程:2017年7月19日(水)
場所:堂島リバーフォーラム
参加者数:200名+アドテック神戶
日程:2017年7月20日(木)
場所:KIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戶)
参加者数:1,000名+
BtoB企業のグローバル向け発信のコンサルティングを得意とするAalto International Groupを率いるCEOの福井麻里子氏。京都で長く過ごしてきた彼女が海外との行き来のなかで見つけた京都企業の強みと弱み、そしていま「京都に必要な人材」についてお話を伺いました。
—ご自身が起業をされるにあたって、京都の地を選んだのはなぜでしょうか
海外市場に目を向けているBtoB企業が多かったのが理由です。もちろん自分が京都に住んでいてこの土地が好きだというのも大きいです。ただ実際には月の半分くらいは海外で活動をしていて、海外の政府関係者などと仕事をしていることが多いです。
—愛着ある京都の企業を海外のターゲット側からの視点で見ると感じることはありますか
情報発信がまだできていないな、というのが一番ですね。なんとなく「遅れているかも」という意識を持っている方は少なくありませんが、思っている以上に日本企業からのメッセージはまだグローバルには到達していません。発信が十分にできていないと何が起きるか。
—十分に発信できていなければ、情報の受け手側としても、何もアクションできるわけもなく…
存在にすら気づいてもらえていない状態がほとんどです。例えば海外の政府や自治体が街を使って技術の実証実験をしたいと思っていて、その実験に有効なソリューションを日本の会社が持っていたとします。でも日本の会社が情報発信をうまくできておらず存在を知られていないので、政府は声をかけることができない。そうなってくると新しい分野に京都、そして日本の企業が入っていくのがどんどん遅れていってしまいます。多大な機会損失です。
ここ数年、どの企業も海外売上比率のアップを掲げるようになりましたよね。「既存のものを拡販する」か「新分野に進出する」の2つの方法がありますが、特に新分野への進出ができていません。向こうで新しいビジネスを始めていかないとビジョンに対する実行にはならないのですが、何かしなければという危機感が募るばかりで、実際には海外にセールス拠点を置く程度にとどまってしまっています。その拡販も今までの国内取引先とは違うのですから、ビジネスのやり方を変えてゼロベースからやっていくつもりが必要です。
—そこに今回のad:tech kyotoですが、開催にあたりどんな効果を期待されますか
京都の企業や人が外と交流する機会になればいいと思っています。京都の企業の皆さんってなかなか表に出る機会がありません。だからロームさんや村田製作所さんをはじめとする方が自分たちの取り組みをお話されて交流ができるad:tech kyotoはとても貴重な機会だと思います。企業の担当者さんレベルだと意外と交流があって皆さん顔見知り同士も多いのですが、一歩外に出て広告関係やマーケティング関係の人たちと関わるっていうことが少ないんですよね。ましてデジタルの人材は関西にとても少なくてすぐ東京に行っちゃう。足りてないんです。
—では今の京都ではデジタル人材は引く手あまたなんでしょうか
デジタルに強い人ももちろんですが、グローバルな視点を持っている人は求められているんじゃないでしょうか。京都のものづくり企業が持っている技術を十分に理解し、その強みを新しいビジネスに変えて世界で戦うための橋渡しができるような人が一番求められていると思います。このソフトの力が京都の苦手なところです。海外のスタートアップと繋がりを作る、なんていう大掛かりなことだけでなく、京都の中でもきちんと繋がりを作る必要があるんです。
今、私自身は、京都で技術ビジネスのエコシステムを作りたいと考えているんですが、京都にはいろんな企業、歴史ある企業があり、大学もある、京都にネットワークを張る銀行や信用金庫だって協力的なのにそれぞれが分断されてしまっている現状があります。この3つと、さらに私たちが取り組んでいる技術の人材や海外とのネットワークを繋げることができればとても強いエコシステムが完成できると思っています。私たちもその繋ぎ役になりたいと思っていますし、同じ思いの人が協力していけると嬉しいですね。
—確かに企業と教育と金融がチームになるととても強いですね。
さらに多くの大学が京都にあるということは、優秀な海外からの留学生も多くいるということです。彼らの中で「京都に残りたい!」と思ってくれた人に対してどうやって残ってもらい、どんなチームを組むのかも考えなければいけません。先ほどお話ししたように海外売上比率を上げていきたい企業にとってはチャンスでもあり、課題でもあります。マネジメントや評価の仕組みから変えていく必要もあるかもしれません。
でも、多国籍なチームってとても面白いんですよ。私たちも外国籍のメンバーを抱えていますし、ドイツに支社も置いています。ドイツ人はきっちりした性格の人が多くて日本の人とも相性がいいみたいです。情報発信を日本人だけで行う時代は終わったと思っています。ad:tech kyotoがたくさんの新しい風を取り込んで、京都の企業の取り組みがもっと開かれるきっかけになることを願っています。
—ありがとうございました!(了)
(プロフィール)
福井 麻里子
Aalto International Group / Mynewsdesk Japan CEO, Managing Director
京都在住。同志社大学卒業後、博報堂グループPR会社等の勤務を経て、日系人材コンサルティング会社の海外現地法人の事業立上げメンバーとして、シンガポールに赴任。外資企業への法人営業と、アジアにおける広報を担当。その後、B2B企業に特化したグローバルPR、海外新規事業推進コンサルティング会社Aalto Internationalをシンガポールで創業。その後、京都に本社を移し、さらに産業・自動車業界の中心地であるドイツに拠点を展開。Aaltoでは『日本企業のプレゼンスをグローバルで高める』ことをミッションに、日本企業の海外向け展開戦略、新規事業推進・開拓に特化したコンサルティングおよびプラットフォーム事業を展開。グローバルで政府、メディア、業界組織、企業などのインフルエンサーネットワークを持ち、大手B2B企業の業界キーマンとの関係構築や、新規事業の海外でのパートナー開拓戦略を担当する。また、グローバルPRプラットフォームMynewsdeskにおいて日本代表を兼任。京都大学経営管理大学院在籍中。
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アドテック京都
日程:2017年7月18日(火)
場所:みやこメッセ
参加者数:1,800名+アドテック大阪
日程:2017年7月19日(水)
場所:堂島リバーフォーラム
参加者数:200名+アドテック神戶
日程:2017年7月20日(木)
場所:KIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戶)
参加者数:1,000名+
ad:techの関西開催が始まった初期からad:tech事務局をサポートしてくださっているダイキン工業株式会社総務部広告宣伝グループ長部長の片山義丈氏。広告主側から見たad:tech関西のお話を通じて、カンファレンスやイベントを媒介にしたad:tech活用のコツが見えてきました。
—「ad:techに参加するからには“元を取ろう”という意識を持ってほしい」と。
決して安くはない金額を払って参加するのですから当然です。だからこそ今回のad:tech関西が通し参加券以外に1日参加券の仕組みを導入したことは、関西企業がデジタル系のイベントにお試し参加するいいきっかけになると思っています。関西はデジタルマーケティング関連のカンファレンスがほとんどありませんから、お金だけでなく時間もかけてわざわざ東京に行くのはかなりハードルが高いですよね。それが会社の近所にちょっと出かけるだけの参加ができるようになりました。
—関西企業にとってデジタルマーケティングはまだ縁遠いものというイメージがあるのでしょうか
そんなことはありません。新しいもの好きが多いですよ。ただ、「流行っているから」という曖昧な理由では導入しない堅実さもあります。実利に結びつくのだとわからないとそもそもカンファレンスにも行けません。「じゃあいくら儲かるの?」というぶっちゃけた議論をad:tech関西ではしていきたいですよね。せっかく生でのコミュニケーションが可能なんだから本に書いてあること以上の話が聞きたいじゃないですか。そこはad:techを単に東京から持ってきただけにはしちゃいけません。放っておいても関西人は本音しか喋れませんから自然とそうなることを期待していますが(笑)
—片山さんご自身もad:tech関西をきっかけに新たにお仕事を始めた企業と出会ったことがあるとか
もちろんあります。技術的な話だけでなく、実利に結びつくこと少しでもイメージできるような効果についてもアピールしてくれた企業とはいいネットワーキングができますから、後日具体的な商談にもつながります。
—実ビジネスに繋がるネットワーキングは、参加者にとって最も大きな財産になりますね。
聞く側とも心構えが大切ですよね。スピーカーの話を聞いても「凄すぎてウチでは無理」となるだけでは、参加した分の元は取れません。自分たちとの「違い」を探すのではなく、成功事例と自分たちの「同じところ」を探すのです。「同じところ」は社内の雰囲気でも扱っている商材のジャンルでも課題感でもなんでもいいのですが、その同じ部分をもとに、「ウチでやったらどうするか」を考えるのです。
—今回のad:tech関西で話題となりそうなトピックスはありますか?
業界全体で “広告の効果” をもっとしっかり捉えていかなければいけないな、ということを問題意識として持っています。効果というのはKPIやブランドリフトなどの短期的に見える数字のことではなくて、「モノが売れるかどうか」という部分です。特に私たちのような耐久消費財の会社はお客様と接触してから実際の購買までに様々な検討過程を経ますし、時間がかかります。「一瞬の恋」で購買まで達するダイレクト系と違い、「結婚」に近いのです。
—「結婚」も短期的な数字が大事だというイメージがありますが?
確かに売れたかどうかの効果を検証するのに数字は必要です。データドリブンであることは、マーケティングの基本であり言わずもがな。今設定しているKPIが上がることがすなわちモノが売れることに本当につながっているのか?そもそも現状の効果測定はデジタル広告がブランド棄損しない媒体に発注した回数見えるところに広告表示される前提で設計されています。‘広告の効果’をしっかりと、とらえようとするとデジタル広告の透明性の問題も自ずと向き合わないといけない。見かけ上の数字至上主義になってしまい、3文字用語で見えるものだけで思考停止してしまっていないでしょうか。KPIの数字に表れなかったデータはないか、単一指標のわかりやすさに依存していないか。広告主もしっかりと勉強して考えなければいけません。ad:tech、デジタルはマーケティングのレイヤーのひとつにしかすぎないのですから、もっと視野を広げていかなければいけませんよね。
−マーケティング全体を俯瞰して捉えていく力が業界に必要だということですね
その点でad:techはマーケティングに関する幅広いテーマを扱っているので学ぶ気持ちがあれば得られるものは多いはずです。イベントのタイトルで誤解されがちですが、テック系以外の話も盛りだくさんです。それだけのマーケティングに関わる人たちが集まる場所だからこそ、参加する際に「元を取る」という意識がないともったいないんですよ。ad:techという枠の中でもきちんとマーケティングしないとね。スピーカーも参加者も企業の中から選抜されてきたエース級、リーダー級です。どんどんコミュニケーションしていきましょう。
−ad:techの枠の中でもマーケティングを、とはまさにおっしゃる通りですね。ありがとうございました
片山義丈
ダイキン工業株式会社 総務部広告宣伝グループ長 部長
1988年ダイキン工業入社、総務部宣伝課、1996年広報部 広報担当、2000年広報部広告宣伝・WEB担当課長を経て2007年より現職。 業界5位のダイキンのルームエアコンを一躍トップに押し上げた新ブランド「うるるとさらら」の導入や、ゆるキャラ「ぴちょんくん」ブームを仕掛ける。 企業ブランド構築、メディアでの商品広告、媒体購入、全社WEB統括を担当。
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アドテック京都
日程:2017年7月18日(火)
場所:みやこメッセ
参加者数:1,800名+アドテック大阪
日程:2017年7月19日(水)
場所:堂島リバーフォーラム
参加者数:200名+アドテック神戶
日程:2017年7月20日(木)
場所:KIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戶)
参加者数:1,000名+